わたしにとっての聖域
* * *
先日の土曜日、四条畷にある、絵本作家・谷口智則さんのカフェ、Zoo Logique に行ってきた。
プライベートでも交遊のある数少ない職場友だちであり、互いにお互いの家の間取りを知っている貴重な存在のAさんと一緒だった。
仕事のこととか、子どものこととか、家のこととか、自分が打ち込めるもののこととか、話をしているとキリがなかった。
Aさんは、初めて会ったときから
(翻訳家・ライターの実川元子さんにソックリ!)
とびっくりしたほどの美人で、頭の回転がよく会話もパンチが効いている。
Aさんのお姉さんは脚本家だ。
知り合ったときのお姉さんは、世間では、まだほとんど無名だったのに、あれよあれよと言う間に、映画・ドラマなど代表作となる脚本を執筆され、今なお驀進中だ。
国民的連続ドラマの脚本にも参加され、絵本も小説も書いていらっしゃるし、講演活動などで多彩に日本じゅうを飛び回っていらっしゃるかただ。
Aさん自身は、文章を書くことに熱意はないようで(上手なのかもしれないが)、「ものづくり」のほうが好きみたいで、たいてい何かしら創っている。
いつ会っても元気で、その小さいからだから放出されるバイタリティーに圧倒される。
この日のトピックスは、
仕事への熱意と職場に対する失望と開き直り。
子どもたちにかける熱情と悩みと満足。
マイホーム探しの奔走徒然。
……
ふと思う。
Aさんのほかにも話す機会のある、プライベートを共にする職場の友だち。
学生のころからの友だち。
彼女たちと話をするとき、
誰も今の自分の在り方にトラウマなんか持ってないし、仕事をやめて何かやりたいなどと思っていないし、このままでいいのか? とも思っていないし、今の自分を変えなければ! とも思ったりしないで、自分のステージを、まるごと謳歌していることに気づく。
よく考えれば、わたしだって、そうだった。
そうだ。そうだ。
そうだった(!)
ここ数年、セラピー的な要素のある講座に顔を出す機会が多かったから、なんだか、まわりの人はみんな、何かしらトラウマや問題提議を抱え、ブレイクスルーを求めているように思っていたけれど、
(いやいやいや)
(待て待て待て)
トラウマなんか、持っていない人のほうが多いんだ。
探せばあるかもしれないが、気にしていない人のほうが多いんだ。
少なくともUさんは、お姉さんのことをうらやましがってはいない。
とても客観的だ。
野心に燃えるお姉さんの姿をずっと見てきて、願いどおりの未来を手にしていく熱意と努力に敬意とエールを贈りつつ、かわらずにニュートラルでいる。
誰と比べることなく、自分の選んだ道を幸せと感じるゆるぎない自信がある。
それが普通なのかもしれない。
たとえば、職場の帰りに同じ電車になることが多いBさんに、〈わたしにとっての文章表現みたいなもの〉があるのかどうか聞いてみたくなる。
だけど、そんな質問をしようものなら、けげんな顔でドン引きされそうな気がして、晩御飯の献立と、子どものクラブの話と、仕事の話をして、また明日! と手を振って別れてしまう。
けっこう、さぐりを入れているが(笑)、どうやら本当になさそうだ。
ここ数年、わたしがブログに書いてきたようなことなど考えたりせず、日々を丁寧に生きていけるなら、そのほうがずっと幸せだと思う。
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↑ アップルケーキ
↑ はちみつレモンのレアチーズケーキ
↑ おさとうつぼ
↑ 浦島太郎
↑ 洗面所
↑ 谷口智則さん
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Aさんとわたしは、雨のため、お客さんの少ないカフェで、思う存分長居して、せっかく作家さんがいらっしゃるのに、作品世界にはまったく触れることもできない失礼さだったけれど(読んでいないのだからしかたない)、谷口さんは、ミーハーでうるさい大阪のおばちゃんのお客さんとして、誠意をもって相手をしてくださった。
作家さんがいるかもしれないカフェに行くのに、「浜田えみな」としてだったら、とてもできない失態だ(汗)
谷口さんは、とっても気さくな人だった。
写真を撮っていいかどうかを尋ねると、「どうぞどうぞ!」と快諾してくださった。
Aさんが
「フェイスブックに載せてもいいですか?」
と尋ねると、
「お店を訪れた人がブログとかに書いてくれて、それで新しくお客さんが来てくださるので、大歓迎です」
と、はにかむようにうつむき加減で、応えてくださった。
店内の壁に描かれた動物たちを眺めていると、名前がついている動物がいるという。
「どれですか?」
と尋ねると、言いにくそうに、
「ぞう」
「なんていう名前なんですか?」
さらに口ごもって
「ぱおくん」
(ぱお?)
それはまた安直な…… と思ったのを察したのか、ものすごい勢いで、
「ぼくがつけたんじゃないですよ。お客さんが……。ぼくは名前はつけませんから!」
ときっぱり(笑)
新しい絵本は、サンタさんのお話だとか。店内にはその絵本の挿絵からのポストカードもたくさん用意されていた。
クリスマスの贈りものにぴったり。
ちゃんと、赤い服を着ているのもあったけれど、わたしは、これがお気に入り。
物語の中の、どんなシーンなのだろう。
* * *
「Aさん、フェイスブックしてるの? 名前で検索したらわかる?」
と、いつもの調子で尋ねた。
「○○さん(浜田の本名)、フェイスブックされてるんですか?」
(しまった! ○○の名前ではやってない!)
「……。してないっ」
「じゃあ、見てもらえないんです。フェイスブックをしていて承認した人しか読めないように設定しているから……」
(「浜田えみな」で、ブログもフェイスブックもやってます!)
とは、とてもじゃないけれど言えない。
でも……
わたしにとっての聖域は、ひょっとしたら、浜田ではなく○○かもしれないと、この日、とつぜん、くっきり思えた。
とか言いつつも、選んだポストカードはこんなのだったりする。
浜田であっても、○○であっても、わたしにとって、本は聖域。
* * *
Aさんもよく知ってる、うちのぼよよん王子・リクト。
今日、学校から帰ってきて
「お母さん、これ、明日持っていくから、置いといてや」
と、リビングのカウンターに、ポンと置いたモノ。
(なにこれ?)
〈やっぱ好っきゃね~ん 関西版線香花火!〉
なんとなんと!
てんちゃんがリクトから聴取したところによると、明日は、陸上クラブの愛の告白花火大会なのだそうだ。
陸上クラブでは、ただいま、女子に告白したいと思ってモンモンしている男子が数名いるらしい。
その想いをクラブ帰りに話し合っているうちに、
〈花火で盛り上がった勢いで告白してしまえ!〉
〈好きな子がいたら、このさい、全員で言ってしまえ!〉
ということになったらしい。
「で、リクトは?」
リクトは、好きな子がいないので(泣)、誰かが告白したときに、
「ちょっと、待ったーーーーーーっ!」
と手をあげて走っていって、チャチャを入れる役なのだそうだ(げげ)。
(……)
な、情けない。
でも、いいなあ。花火大会
うーん。どきどき。
いいなあ。14歳。
見てみたいーーーー。
どこでやるんだろう? 忍んでいきたい!
リクトたちって、本当に楽しそうだ。
それもまた、聖域。
子どもが楽しそうだと、それだけで嬉しい。
浜田えみな
前回、谷口智則さんのカフェを訪れた時のブログ記事 →★★★










