みみより日和


「今ここ」に在る生命を呼吸する。


乗ったことのない電車に乗り、
降りたことのない駅で降り、
初めての道を進み、
訪れたことのない門をくぐる。


「いえ」は、
「いのち」が「えだわかれ」する場所。


*    *    *


日曜日は服部緑地内にある民家集落博物館で村松恒平先生のワークショップだ。

今回は、前日にSBAオープンセミナーを開催する。
SBAで開いたハート&マインドに、とびこんでくるもの。


きっと。
視えるものが違う。聴こえるものが違う。感じるものが違う。


どんなことを抱えていても…… 
それがすぐには解決しないことでも、もっているだけで辛いことでも、たとえ、一瞬でも、その想いから離れて「今ここ」に在る生命を呼吸する。

乗ったことのない電車に乗り、降りたことのない駅で降り、初めての道を進み、訪れたことのない門をくぐる。


民家集落博物館は、「むかしのおうちのはくぶつかん」だ。


日本列島の端から端まで、その土地の気候風土と産業、にほんじんが確かに生きてきた姿をうつして、豊中の地に移築された家。


「いえ」は、「いのち」が「えだわかれ」する場所。


なぜ、むかしの日本人は、ねばり強く忍耐強く礼節を知り、折れない心と身体を持っていたのか?


そのヒントを日本家屋に見ることができる。

日本の文化に見ることができる。


土と木と植物でできた日本の家は、生きている。

呼吸している。


間のとりかた、炉の切り方、空気の流れる道すじ、遊びの空間。
家は呼吸している。その呼吸に守られて、生業とともに人々が生きてきた。


今、どこもかしこも鉄筋とコンクリートと合成素材に囲まれた四角い空間の中、電子でコントロールされた温度と湿度の中で、はたして生身の人間の「いのち」は「えだわかれ」できるのだろうか?


「いえ」とはなんだろうか? 


日本の国に生きる、日本の人々にとっての「いえ」とは、どのようなものだろうか?
そんなことを考えていたときに、民家集落博物館のことを思いだし、ワークショップを開催したいと思った。


民家集落博物館の敷地内は、アスファルトがない。

地面をふみしめることができる。

歩けば砂埃の立つ道を、もう、どのくらい歩いていないだろう?


天候や季節によって、足裏の感覚がちがう。そんな、あたりまえの地面の声すら、もう、感じる場所がない。


土間。いろり。かまど。柱。敷居。引き戸。屋根裏。軒。床下。
季節行事。神事。共同作業。ハレとケ。


さまざまな「間」と「うつろい」は、すなわち、「心と身体」の「ゆとりとすきま」だったのではないだろうか。


なくしてしまったら、癒える場所がない。
「いのち」が「えだわかれ」する場所がない。


*    *    *


民家集落博物館の民家は、どれ一つとして同じ形はない。

それぞれが、その地方の気候や地形、生業に適合した構造となっている。

住まう家のかたちの数だけ、日本人の気質がある。人生の営みがある。歴史がある。
どの家も移築されるまで、人々が住んでいた。家は何世代もの人の生と死を見守り見送ってきた。


その中に立ち、何を感じるか。


わたしは自分で確かめたかったし、その場所で、村松恒平先生にレクチャーやワークをしてもらいたかった。願いがかなって、今回、「表現の会」スペシャルを開催できることになり、とても嬉しい。


「お茶とお散歩とサムシングの会」


想定外だったのは、村松先生が所望されたのが「茶室」だったこと(!)


(まさか茶室?)


と思ったけれど、なんと、村松先生は「茶人」なのだった(!!) 



みみより日和


今回も、東京から茶道具一式を携えて、お点前を披露してくださる。
わたしは、まんじゅうを買うだけだ(笑)


HPを確認すると、この日は、民家集落博物館でもイベントが目白押し!


堂島の米蔵では創作手まりの展示。
館内の竹林では、親子でたけのこ掘りができるイベント(無料) わたしもコツメを連れて参加したい!


午後は日向椎葉の民家で弦楽四重奏コンサート。
平家落人伝説で著名な椎葉の山村の民家は、急な山の斜面に建てられているため奥行が狭くなっているものだが、移築された民家は、村人たちが12月の夜に神楽を催すために造られた大きな間取りとなっている。


どうぞ、時間に余裕をもって来館していただき、五感のすべてで非日常を楽しんでください。
いのちのえだわかれのためにできることを。


茶室前13:20集合です。

持ち物はスケッチブック。筆記用具。水分補給の水等。(館内には自動販売機はありません)


村松先生がスケッチブックを使って何をされようとしているのかは、当日のお楽しみですが、お好きな筆記用具をお持ちください。

えんぴつだけでもいいし、色エンピツや、クレパスなど、色のついたものをお持ちくださってもOK。

なにも書かなくたっていいのです。


スケッチブックは扉。
表紙を開くたび、ドアとなる。


村松先生は、こういう発想はなさらないけれど、わたしはこんなことばかり考えて、わくわくしている。
何がとびだすかわかりません(笑)


締切は過ぎましたが、4月11日(木)23時まで申込み可能です。
それ以降は、茶会のまんじゅうの用意ができません(笑)


服部緑地も広大な敷地です。
ふだん、忘れていた感覚を取り戻して、日本人が大切にしてきたものを思いだしてください。
何を守り伝えていくのかも。


たとえば、風鈴が伝えているのは鈴の音ではなく、「風のかたち」だと気づいた日から、日本人であることが、ふるえるくらい嬉しくなったように。


浜田えみな


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民家集落博物館への想い~日本人を知るということ~

民家集落博物館行事案内

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