青空のゆくえ


がんばれの着ぐるみ、
そろそろ脱ぎませんか?


サイズちがいの気ぐるみ、
視界が遠くありませんか?


*    *    *


昨日、


がんばるということは着ぐるみを着るようなものだから、
がんばればがんばるほど着ぶくれて本来の形から遠くなり、
ありのままの自分を認めてほしいという願いから遠ざかって、
マイナスを埋めるためだけのがんばりになってしまい、
さみしくなってしまう……


という記事を書いた。


すると。
今、吉井春樹さんのコトトレ講座を一緒に受講しているMeeちゃんが、コメント欄で「がんばれの着ぐるみ」というナイスなネーミングをくれた。

どんなに分厚い着ぐるみも、ごっそり脱いでしまえそうでビンゴ!


がんばれの着ぐるみ、そろそろ脱ぎませんか?


横断幕でも吊るしたいほどだ。
着ぐるみだけではない。
「気ぐるみ」も被っていることに思いあたる。

過剰な気負い、気迫、やる気、気概、気力、意気込み…


サイズちがいの気ぐるみ、視界が遠くありませんか?


浜田のサイズちがいの気ぐるみ。
それが、今日のテーマです。


*    *    *


本当に、今まで気づかなかった。

今年の一月、村松恒平さんの文章表現のセッションを受けたときに、

「ファンを作りなさい」と言われた。

そのときにイメージしていた「ファン」は、会ったことのない、顔を知らない読者だった。

ブログを読んでくれる人たち。


でも。
一方的に文章を発信しているだけで、そんなウェーヴを起こすのは、ものすごく難しいことだ。
そのことがわかっていなかった。


*    *    *


今年は、知人の主宰するワークやイベントに数多くでかけた。会場を見回して感じたことは、


(もしかして、全員、知人?)
(会場の人たちは、みんな友だち?)
(主催者を知らない人はいないの?)


……
あさはかなことだけど、自分においては、これらはマイナス因子だった。

イベントを主催して、友だちしか来てくれないなんて、ダメだと思っていた
新規の人を集められない自分に、情けをかけてもらっているなんてダメだと思っていた。
内容はどうでもよくて、義理で来てくれているなんて、ダメだと思っていた。


でも、参加したイベントは、そうではなかった。
主催者も出演者も参加者も(顔見知りだらけのように見えたけれど)、みんなが楽しんでいた。

何度も参加しているうちに参加者同士に交流が生まれ、それぞれが新しい友だちを連れてきて、そこからまた輪が広がり…… というふうに増殖していく。
居心地のよい空間は、居心地のよい人たちを呼びよせ続け、そこにまた人が集まる。


ある啓発系セミナーの主催者が、懇親会の席で
「あそこにいる人たちは、ずっと初期から参加してくれているリピーターの人たち」
と言うのを聞いたとき、


(啓発系のセミナーで、リピートするということは、何度聴いても効果がないということだろうか?)


と思った。
自分が講師の立場なら落ち込んでしまう状況だ!と思ったけれど、そうではない。

何度もリピートしている人たちは、セミナーの内容を聴きに来ているのではなく、講師に会いに来ているのだ。
自分のブロックが外れないからリピートしているのではなく、講師の魅力に触れたいから、参加しているのだ。
ただ、講師が好きで、応援しているのだ。
そのことが、講師を支えている。


知っている人が何度でも来たくなる催しは、知らない人が一度だけ来る催しより、ずっとクォリティの高いものを要求される。


それに応え続けているという自信。


*     *    *


ウェブ上で文章を発信していると、読者の顔が見えないことに慣れていく。
自分の顔が出ないことにも慣れていく。


その上で、多くの人に伝えたいとか、多くの人の心を動かしたいとか、多くの人の役に立てたらとか、自分の文章を好きになってもらいたいとか、思う。
想ってきた。


そんなことは「妄想」なのだ。はっきりわかった。


目の前にいる人。
わたしの顔を知っている人。
わたしの声を聴いたことがある人。
そんな人の心を動かせずに、遠く離れた人の心など動かせるはずがない。


いっしょにどこかに行ける人。

いっしょにゴハンが食べられる人。
お互いがお互いの力になれる人。
そんな人が読みに来てくれないで、会ったこともない人が読みに来てくれるはずがない。


身近にいる人の心をつかむこともできないで、電脳空間に文章を投げ続けていたって、それは、地上から銀河に向かって手紙の束を投げるみたいに、無謀なチャレンジなんだと、やっと実感できた。


ホールコンサートをしているアーティストだって、お客さんは、みんな身内みたいなものなのだ。
ストリートでやっているときに立ち止まって耳を傾けてくれた二~三人が、四~五人になり、十人になり、二十人になり、ライブハウスでやるようになり、それでもオーディエンスは、リピーターで知り合いなのだ。それが、だんだん大きくなって、全国規模でツアーをするようになったとしても。


(なんや、そうなんや)

(知り合いでいいねん)
(リピーターでいいねん)
(自分に会いに来てくれる人たちでいいねん)


まずは、そこから。


(そこからやねん)


知り合いから。
リピートしてくれる人から。
自分に会いに来てくれる人から。


このことに気づいて、すごく楽になった。

「気ぐるみ」が晴れていく。


*    *    *


だんだん、身軽になってきましたよ(笑)

しっかり、地に足をつけていこう。
少しずつ。


浜田えみな