古い世代と新しい世代が手をつなぎ、
お年寄りも、子供たちも、
あらゆる世代の人を置き去りにすることなく、
その上に地域外の人も呼び寄せ、
新しい流れを築いていこうとする力だ。


*    *    *


懇親会……のことではなく、先に商店街のことから(^^)


セミナー会場となる会議室は、商店街の中にある。商店街の活性化と地域コミュニティとの交流を図るステーションとして計画され、今年の2月にオープンしたばかりだ。


一階は、高齢者や子育て世代の交流の場となる会議室や、チャレンジショップの店舗があり、二階は教養文化講座の教室が開催できる二つのセミナールームとなっている。通年の習い事等の教室がメインだが、オープンして日が浅いので、空いている枠は単発で貸してくれる。


そういう場所にすべりこんだ。文化教室の枠で埋まってしまったら、一日だけの利用で使うことは難しくなるだろう。
ネットで確認しただけで予約をしたので、どのような立地なのかがよくわからなかった。


(場所はわかりやすいのだろうか?)


受講申込があり、開催が決まりそうだったので下見に出かけた。
3月28日


(駅から徒歩七分……)


JR京橋駅の北口改札を出て、わき目もふらずに歩けば、その時間で着く距離なのだけど、実際は無理だった。わき目もふらずに歩くことなんてできない。
目に入るものすべて、立ち止まって確認したくなる。


まず、売っているものが珍しい。店の名前が珍しい。店構えがレトロ。何を売っているのかわからない。全種類食べたくなるようなチーズケーキ専門店がある。なぜか鶏とうなぎが並べて売られている鶏屋さんがある。誰が着るのだろうかと眺めずにはいられない洋装店がある。


だから、出席者の皆さんは、時間に余裕を持って来てください!


商店街は長い。途中に大きなドームがあり、そこからさらに歩く。
アーケードの天井から、横断幕が下がっているので、目星をつける。

あれれ。フルーツパーラーがある。果物屋さんのフルーツパーラーだ。そのことだけでも信頼できる。のぞいてみると、昭和の時代にあったような、昔ながらのフルーツパーラーというわけではなく、


(こんなところに?)


と思うほど、場違いにおしゃれな感じのする店構えだ。心惹かれるメニューの看板を横目で見ながら、時間がないので会議室をめざす。もうすぐそこのはずだ。


「井戸端ステーション」というのがその名前だ。


会議室を決めたとき、このネーミングも、村松先生が気に入ってくださるだろうと思った。区民センターの会議室というよりは、今回のコンセプトに近い場が生まれるような気がしたのだ。


井戸端ステーションと管理事務所は別の場所にある。電話で聴いていた「イベント広場」という管理事務所の場所が、どうしても見つけられず、初日は「井戸端ステーション」の場所を確認しただけで引き返した。家でコツメたちがお腹をすかせて待っているので、仕事帰りの長い寄り道はできないのがワーキングマザーの不自由なところ。などと言いつつ、パン屋には寄る(笑) わき目もふらずに歩けば、七分なのだが、寄り道せずにはいられない。
私はパンが大好きで、新しい場所に行くときは必ずパン屋を探すし、見つけたら入る。好きなのは、ライ麦とレーズン・クルミの入ったハード系のパンだ。 


たこやきのお店が多い。たいやきもある。豆腐屋さんの豆乳ソフトクリームや豆腐ドーナツもおいしそうだし、タイスタイルのマッサージ屋さんのディスプレイに思わず立ち止まりそうになる。
ごはん屋さんや飲み屋さんの看板にも魅かれるものがある。懇親会の場所に使えそうなチラシは抜きとりながら歩く。
ちらりと目を通すと終了時間が早い。ラストオーダー22:30などという店もある。


*    *    *


家に帰って、商店街のサイトをもう一度確認した。じっくり見ていく。子ども向けの社会見学用のコンテンツが設けてあったり、地域活性化のためのさまざまなイベントが企画されていたり、住民の手でなんとか変えていこう! とする意気込みが伝わってくる。
ますます、そんな場所でセミナーを開催できることが嬉しくなってきた。


下見ではじっくり観察できなかった商店街の店をゆっくり見たいと思い、店舗一覧はないかと探していたら、こんなものがあった。


「あいうえお検索」


店舗名のあいうえお順にリンクが貼られているようだった。
各店舗のHPにつながっているのだろうと思い、特に期待もせず、一番上にあった「フルーツパーラーアワヤ」をクリックした。


(わぁぁ)


驚いた。
フルーツパーラーアワヤは、やはりタダモノではなかった。
それよりも何よりも、「あいうえお検索」そのものが、ライターさんが一軒一軒、取材をして写真を添えて記事を書いている店舗紹介だった。


しかも、どの文章も、お店に寄り添い、店主の意向を汲み、その魅力をふんだんに引き出している。
たくさんの店の中には、ライターさんの守備範囲から離れるものもあったと思うのに、どれひとつ手を抜くことなく、そのお店を心から好きだと思って書かれている様子が伝わってきた。


(この人は誰だろうか? 商店街の人なのだろうか?
(こんな文章を書く人がいるんだ……)


店舗紹介をこのような形で掲載しようと企画した商店街の事務局のかたも素晴らしいし、ライターさんも素晴らしい。


(このライターさんに会いたい)


どんな人だろうか? 村松先生のセミナーに来てくれないだろうか?
どうやって連絡を取ればいいのかわからなかったので、「あいうえお検索」の下部に記載してあった「担当者」のかたへその旨を書いたメールを送信した。


ライターさんに連絡が取れるかどうかは別として、なんらかの返信があると期待していたのだけど、三日たっても返信がないので、コミュニティの担当者のかたも代わってしまって、メールも読んでもらえないのかもしれない。がっかり。


村松先生のセミナーのおかげで、もう何十年も乗換駅として利用しながら、一度も足を踏み入れたことのない商店街のことを知ることができた。


人が創造し、生みだしていくものの形。
商店街のHPを見ていると、地域を愛し、活性化し、存続を図るために、みんなの力でなんとかしようとして、動きだしているエネルギーを感じる。

古い世代と新しい世代が手をつなぎ、お年寄りも、子供たちも、あらゆる世代の人を置き去りにすることなく、その上に地域外の人も呼び寄せ、新しい流れを築いていこうとする力だ。


わたしがやっているのは、ひとりひとりの心の中に波及する創造物だけど、こんなふうに、それを準備することで、人が動き人が創りだしていく形があるのだ。
このことも、セミナー主催で得た恩恵だ。


また、井戸端ステーションや商店街のことが気になり、検索キーでヒットしたものを閲覧していると、2月2日のオープニングの記事が、大阪市議会議員のブログに書かれていた。
そのかたの名前が、井戸さんというので驚いた。


「井戸端ステーション」というのは、「井戸端会議」のことだと思っていたのだけど、この議員さんの名前もかけているのだろうか?


急に、ふわふわとしたことばかり考えていた想いが現実的になる。

いくら地域のかたの想いがあったとしても、その活性化や整備のためにはお金がかかる。地域の人のカンパでなんとかなるようなレベルではないことに、あらためて気づいた。

個人のレベルでいくら願っていたとしても、行政を動かすための資料を作り、議会にかけ、予算を勝ち取るための人材があって成り立つものもある。


また、商店街を活性化するための企画も多い。小学生の社会見学の場ともなっている。資料もよくできている。


(誰が考えているのだろう?)


商店街の歴史は古いので、創業者は高齢だと思う。二世三世の世代だろうか? 
商店街の人たちとともに、区役所の行政担当が動いているのだろうか? 
地域振興がどのように図られ、予算がどのように動いているのか、わたしはよくわからない。


子どもがなりたい職業として、身近にふれる機会のある職種や、自分が好きなものにつながるもの、スポーツ競技の選手や俳優など、テレビなどで目にする華やかなものがあげられることは理解できる。
だけど、政治家になりたいと思う人は、いつごろ、どのようなきっかけで思うのかが、ずっと疑問だった。

こういうことなのかもしれないと思った。

個人レベルを超えた創造物は、たくさんの人の強い想いを束ね、行政の力を得ないと築けない。
そしてそれが稼働していく達成感……。

うまくいかないことや、ダークな部分もあるのだろうけれど、やってみたいと感じる人の想いは理解できた。地域コミュミティが、なぜ議員の先生を大事にするのかも。
本当に、地域のためを思い、行政を動かし、予算を勝ち得てくる先生は、救世主であり、ヒーローだ。

けっきょくは、個人の想いは、つながる大きなものと一緒にならないと、ムーブメントを起こせない。
それは、ブログでも小説でも同じだ。

どのように起きるのか。どのように起こすのか。


*    *    *


商店街の「あいうえお検索」 → 「あいうえお検索」


フルーツパーラーアワヤをまずはクリック。食べてみたくなるでしょう?
この写真は2006年のものなので、同じメニューがあるかどうかは未確認だけど、サワーはありました。お時間のあるかたは、早めに来て、セミナーの前に立ち寄られてはいかがでしょうか。
村松先生の姿もあるかも(^^)
ほかにも商店街には興味深いお店が満載なので、のぞいてください。


浜田えみな

(つづく) いよいよ懇親会会場へ