(えーっ)
(ぽーん?)
(ぽーん って???)
* * *
「ねぇねぇ、コツメ。日曜日、ロルフィング行くけど、コツメもしてもらう?」(既に予約済みです)
「いいけど」(おお、エラそうです)
「ホント?」(ポーズです。もう行くことは決まっています)
「うん」(よかった。本人もその気で)
「お母さんさ、ロルフィング受けてさ、なんか、からだがぴゅーって伸びる感じするねん。気持ちいいねん。背中がまっすぐなるねん。めっちゃラクチン。コツメさ、このあいだ、足、軽くなってんやろ?」
「うん。でも、そんなん、もう、もどった」(あらら。ま、そうやな)
「でも、あのときは、軽くなってんやろ? どんな感じやったん?」
「ぽーん! って、軽くなった(笑)」
(えーっ)
(ぽーん?)
(ぽーん って???)
すっげぇぇーーーーっ。
「ぽーん」って足が軽くなったのかぁぁ~。
思わず、コツメのぷくぷくのほっぺたを左右からはさんで、もにゅもにゅしたいくらい感激した。
(なんで、あんたは、そんなに表現が上手なの!)
思わず聞きかえして、確認する。
「ぽーん?」
「うん、ぽーん! って、足が軽くなったの(くすくす)」
すごいなあ。
その表現は、ちょっと思いつかないなあ。
でも、わかるなあ。ぽーんって軽くなる感じ。
傍で見ていた感じでは、律子さんは、コツメのふくらはぎのあたりに、じっと手をふれていただけに思えたけれど、その手の下で、乱雑に乱れて滞ったり固まったりしていた細胞たちが、きちんと自分の場所に整列しはじめていたのだろう。
うちの子たちは、おそらく二人とも感受性が豊かなのだと思う。ただ、リクトはそれを、わたしたちにわかる形で表現していない。今のところは。
* * *
コツメは、小さいころから、自由にオリジナルの表現をしていた。
誰かの言葉のマネをするのではなく、今の自分の状況を、もっとも伝えられる表現を、そのとき持っている語彙やイメージで訴えてくるのだ。だから、おかしな言いまわしもあったけれど、伝えたいことは、よくわかった。
二人とも、てんちゃんとわたしの子どもだけど、コツメは、「属しているカテゴリが違う」という気が、ずっとしている。もっているエネルギーの波動がちがうのだ。ひらめきや発想も、わたしには及ばないところから訪れるようで、驚かされることばかり。
小さなころから、抜群に手先が器用で、探求心と創造性にあふれていて、自分が気にいるものを、自分で創ることができた。おしゃれにも興味がある。
コツメのことは、誰も止められない、誰もジャマできない強さを感じて、まぶしいし、不安もある。
「癒す力」を、とても感じる。コツメに手をあててもらうと、とても気持ちがいい。ハンドマッサージも上手だ。
「おかあさんに教えてもらったから」
などと言うけど、わたしより、ずっとうまい。
コツメの中で、渦巻いている怒りと癒し。大胆さと繊細さ。合理性と創造性。
どれも、わたしの手の届かないものに思える。
そのエネルギーを、コツメが一番かがやく方法で、あますことなく使うすべを得てほしい。
托卵ではないけれど、コツメは、どこか別のところから来た子を、巣立つ日まで預かっているような、そんな気がする。
* * *
朝早く目が覚めたコツメが、なにやら耳元でゴチョゴチョ言って、寝室を出て行った。うとうとしていたら戻ってきたので、わたしの布団の端をあげて、小さい冷えたからだを入れて、あたためてやった。
いつもの時間に目覚ましが鳴りだしたので、手を伸ばしたら、コツメの頭だった(笑)
「ゴメンゴメン、入ってきてたんやねー。目覚まし、うるさかったねー。びっくりした?」
「一回起きて、戻ってきて、おかあさんの布団に入ったら、めっちゃ、あったかかったから、すーぴこ、寝ちゃった」
(すーぴこ!!)
すーぴこ!! これまた感涙モノの擬音。
まさに、小さい子の寝ているようすは、「すーぴこ」
コツメは、鼻が悪く、つまっていることが多くて、すーすーのあいまに、「ぴこ」という、鼻の通りがひっかかっているのを取りもどしているような音が混じる(笑)
「ぴこ」ならいいけど、「がが」のときもある。
「ずずがが」「ごごがが」「んごがが」「がるるる」
でも、気持ちよく眠れるときの音は、「すーぴこ」だ。
鼻の悪くない子は、「ぴこ」なしで、「すーすー」寝るのだと思うけど、コツメは一番いい状態でも「すーぴこ」。
その感覚を、とっさに表現できるって、すごいなあ。感心してしまう。うらやましい。
おかあさんは、ひねり出すように考えて、やっとこさ生みだしているというのに(笑)
コツメは、まったく、わたしの予想を超えた、手に負えない、うちのおじょうさまだ。
ロルフィングで、どんなふうに感じたのかを教えてもらうのが、とても楽しみ。
* * *
ちなみに、リクトも、たまにだけど、おもしろいことを言う。
昨日は、てんちゃんの誕生日だったので、お寿司をとって、ケーキを食べた。
しばらくして、
「みんな、トイレ行かない? トイレ行く人ないですか?」
と、尋ねてまわっているコツメに、
「まさか、大?」
と、リクトが言ったのが、わたしのツボにきた。
なので、コツメがそばに来たとき、わたしも
「まさか、大?」
と、しっかり目を見て三回。真顔で繰りかえした(笑)
「だあってぇ… おいしくて、いっぱい、食べてんもぉん~」
突きだしたおなかをさすって、おしりを振りながら、ニコニコ笑って、部屋を出ていくコツメ。
トイレの扉が、バタンと閉まった。
浜田えみな
コツメ語録は、ブログ記事にしているものだけでもたくさんあるけれど、代表的なものを。