青空のゆくえ



まさに、その紙の上に手を添え、見つめ、色を置き、
作品に向きあってすごした時間が、そこにはある
どんなに目をこらしても、どんなに耳をすませても、
どんなに感じとろうとしても、
映像や印刷では響いてこないものが、きこえてくる


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ゼロアーティスト makiさんと友人のkyokoさんの展示会が北堀江のギャラリーで行われている。
店内に一歩入ると、花や緑たちを感じる。いろんな花たちのいろんな気配。なんて、いい香りなんだろう……。
お花屋さんがギャラリーなのだ。



青空のゆくえ


makiさんのコーナーは窓際。白い壁にしつらえたガラスの棚に、パステル画が四点と、吉井春樹さんのコラボ絵本企画「きもちにいい絵本」の応募作品の原画が、絵本仕立てで四冊並べられている。手にとることができる。
makiさんは、応募を重ね、前回、大賞を受賞された。作品はすべてweb上で観ることができるけれど、原画にふれられるのは、今しかない。



青空のゆくえ


お花の香りのなかで、花と緑のさざめきのなかで、気持ちいいイオンのなかで、吉井春樹さんのコトバと、パステル画のぬくもりが、てのひらの中で、ともる。


makiさんのゆびさきで混ぜあわされ、光と手をつないだ色たち。吉井さんのコトバと溶けあった世界。


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わたしが絵画展に足を運び、原画展があれば飛んでいくのは、それがホンモノだからだ。
作家さんが、まさに、その紙の上に手を添え、見つめ、色を置き、作品に向き合ってすごした時間が、そこにはあるからだ。どんなに目をこらしても、どんなに耳をすませても、どんなに感じとろうとしても、映像や印刷では響いてこないものが、きこえてくるからだ。
耳をかたむけ、対話したいからだ。


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kyokoさんの絵は、天井に近い部分にしつらえた棚に並べられた三枚。遠いところにあって、とどかない。あれは、なんという色なんだろうなあ、きれいなみどりいろの髪と、魚の下半身をもった人魚のお姫様だ。


三枚にセパレートされていることで、自由さと動きが感じられる。気持ちよさそうに閉じられた瞼の裏には、どんな世界がひろがっているのだろう。今にも、どこかへ泳いでいってしまいそうだ。たぶん、つかまえることなど、だれにもできない。思いのまま、どこにでも。


フロア全体が、海の中のように、ゆらめきはじめる。
花と緑の海に沈んで、香りの波に身をまかせ、軽いキックで、すべるように。


海の底から見上げているように。


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店内で「ギャラリー&カフェマップ」なるものを発見した!
手帳サイズのコンパクトなマップを広げると、かなり広範囲にわたって、ギャラリーとカフェの情報がわかる。こんなにギャラリーがあるのかと驚いた。



青空のゆくえ


このマップが一枚あれば、ギャラリーとカフェのはしごをすることができる。歩いていける場所もあるが、自転車があれば小回りが利くだろう… と思ったら、マップの裏側はスタンプラリーになっていて、訪れたカフェやギャラリーで規定のスタンプを集めると、抽選で「街散策に最適なシティサイクルをプレゼント!」と書いてある。考えることは、みんな同じなんだな。


マップは、3月と9月に発行されると書いてある。春~夏のスタンプラリーは、本日で終了なので、秋からの新しいマップを手にいれて、気候のよい日をあてて、探訪してみたい。おいしそうなパンやがあれば、ライ麦とクルミとレーズンのパンを買う。公園があれば、そこで食べる。珈琲は家から煎れていく。


マップはかなりポップなので、私のように方向感覚に自信がない人は、掲載されている住所地を、詳細地図に落としてからスタートしたほうがベター。それぞれのギャラリーのHPが掲載されているので、展示会の内容について確認したり、オーナーさんのコンセプトを知ったり、ブログなどがあれば目を通していくと、より楽しいだろう。

アートしたい人がいて、応援したい人がいて、感動する人がいて、それがまたアートの種になり、肥やしになり、連鎖して、実っていく。


makiさんとkyokoさんの展示会は、8月31日まで。
詳細は、makiさんのブログで。「気持ちいいにいい絵本」の作品も見れます!


→ ちありまきさんのブログ 「ココロワンダーランド」


浜田えみな