この言葉を、伝えたい!
今、走っていって、すぐに!
伝えたい! 届けたい!
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「欠点っていうのは、あなたに欠かせない点なんです」
こんなふうに言われたら、その人のことが大好きになる。
その人の話すことを、もっと聴きたくなる。
ひすいこたろうさんは、そんなマジックをもった人だ。
「欠点っていうのは、あなたに欠かせない点なんです」
この言葉を、伝えたい!
今、走っていって、すぐに!
伝えたい! 届けたい!
ひすいこたろうさんの講演は、そんな言葉であふれている。
人は「強み」で尊敬されるけれど、愛されるには「弱み」が必要なんだ。
弱さを見せてくれたとき、仲良くなれるんだ。
ギャップのあるものに人は心を動かすんだ。
ひとつひとつ、エピソードをあげて、話をしてくれた。
自分が欠点だと思っていることが、実は、自分の魅力であり最大の強みで、それがあるからこそ、今まで、多くの人にすくわれてきたのだと、たとえば、四十年くらいかけて、人は気づくのだと思った。
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困ったときはチャンス!
困ったときは、成長のチャンス。飛躍のチャンス。すべてを変える最高のチャンス。
「福島正伸さんは、困ったことが起きたら “チャンス!” と言って、やれることをやっていくって、きっと決めてるのでしょうね」
以前、一緒に講演をする機会があったとき、ひすいさんがこぼしてしまった水を、本当に
「チャンス!」
と言って、福島正伸さんが、さっと拭いてくれたと、笑いながら話してくれた。
困ったときは、成長のチャンス。飛躍のチャンス。すべてを変える最高のチャンス。
つづいて、日本一のプリンの売りあげを誇る、山間の小さなスーパーの話をしてくれた。
一日四個しか売れないのに、百個の発注をしてしまい、九十六個の在庫をかかえ、途方にくれた担当者が、新聞の折込チラシや店内のポップを駆使して、すべて売りきることに成功した。すると、発注ミスしたプリンだけでなく、広告をしなかった、その他のプリンの売りあげも伸び、プリンを食べる習慣のなかった高齢の住民に、プリンを食べる生活が定着し、結果的に日本一、プリンが売れるスーパーになったという実話だ。
発注ミスがなければ、プリンは一日四個しか売れないままで、日本一の売りあげなんて、夢にも描かなかっただろう。
困ったときは、成長のチャンス。飛躍のチャンス。すべてを変える最高のチャンス。
とても自分では解決できないような困難や、問題が目の前に起きたとき、
“試されている” のだ。
きっとできる。ステージアップの大チャンスだ。
チャンス! 今、チャンス!
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また会いたくなる自己紹介
講座の始めに行われたのは、三分間の自己紹介タイムだった。
「十五秒で、できるだけ多くの人と挨拶をかわしてください」
と言われた。
(そんなの、名前と住所地を話したら時間切れだ)
と思っていたら、意外に長い。
企業はCMの十五秒に何億円も払うのだ。
何億円分の十五秒を、もしも与えられたら?
三分間、走りまわった。印象の残り方はさまざまだ。容姿。服装。目の輝き。笑顔のはじけかた。出身地。職業。
一人だけ選べといわれたら、誰と、もう一度、会いたいだろう?
「また、この人に会いたい」と思われる自己紹介。
今まで、おざなりにしていたことだけど、ちゃんと考えてみようと思った。
自分の強みを知り、弱みを知り、魅力を知る。
十五秒で、人の心に残ってみたい。
十五秒で、つかめないなら、原稿用紙百枚書いても、ダメだろう。
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ところで、『ひすい式伝え方講座』の主軸は、
“あなたに欠かせない点が欠点なんです”でもなく
“困ったときはチャンス!”でもなく
“人の心に残る自己紹介”でもなく、
『伝えるから伝わる ひすい式五芒星の法則』というものだった。
この法則の内容をブログに書いていいかどうかわからなかったので、はずしているけれど、ひすいさんは、「伝えるため、伝わるための要素」を五つ、星の頂点に番号を打ちながら、多彩なエピソードをとりまぜ、わかりやすく解説してくれた。
あたたかさあふれる、真摯で朴訥な、はにかんだ笑顔とともに。
「あふれたところで表現する」
五つの法則は、星の形。
すべてが満たされると、囲まれた中央の部分から、「あふれてくる」という。
あふれだし、伝わっていく。
「あふれる前に表現するとゆきづまるよ」
ひすいさんの言葉が、耳から離れない。
てのひらに、いつも星を。胸の前に、いつも星を。
五つの法則が満たされ、あふれだすまで。
浜田えみな
