SOSというのは、
全世界、全宇宙に向けて
発信されているものなのだろうか?
キャッチするやいなや、すくいの手が、
ブーメランのように、
舞い降りてくるものなのだろうか?
* * *
前だけを見て、胸を張り、支えにしてきたものが、わたしを、がんじがらめにしている。
「呪い」なんだと気づいたら、もう、どうしていいのかわからなくなった。
助けてほしい。
駆動力にしてきたものが、実は「呪い」だなんて、一度でも思ったら、もう、だめだ。
どうしたらいいのだろう。どうしよう。どうしよう。
助けてほしい。
そんなことを考えていたら、「答え」がやってきた。本当にやってきた。活字がとびこんできた。自分のためのコトバが、目の前にあった。びっくりした。
『人生に悩んだら「日本史」に聞こう』 ひすいこたろう&白駒妃登美(祥伝社)
* * *
わたしが逃れたいと思い、その呪縛から助けてほしいと思ったのは、「夢を追いかける」という言葉だった。
「君は自分の夢を追いかける人だから」
とつぜん、鉈のように振りおろされた、そんな言葉で、みなしごみたいにひとりぼっちになった。
誰かの夢を一緒につむぐこともできず、夢をもたずに生きることもできず、自分のことを「かわいそう」にしないために、いつも、最高の「夢」に向かわなければならなくなっていた。なんとかして、夢を見つけなくてはならなくなっていた。
誰のために? なんのために? 「夢」ってなに?
これが、呪いでないのだとしたら、いったい、なんなんだ? どうしたらいいんだ。呪いじゃないか。ちくしょおぉ。
こんなキモチでは、何をやっても、だめだ。だって、苦しいなんておかしい。楽しくないなんておかしい。でも、変えられない。止められない。どうしたらいいかわからない。
呪いを解く呪文。 どうやって、解けばいい? このままじゃ、ぜったいあかん!!
* * *
(以下ネタバレなので、書籍を楽しみたい人はスルーしてください)
夢って言葉は素敵だけど、自分で自分の限界を決めてしまっているのかもしれません。でも、いつだって、あなたの可能性はあなたが描く夢より大きいのです。(本文より)
思わず、ひらいていたページをとじて、表紙を見た。答えを求めて買った本じゃない。なのに…
着物姿の妃登美さんが、帯で笑っていた。
SOSというのは、誰にも言わなくても、全世界、全宇宙に向けて発信されているものなのだろうか?
キャッチするやいなや、あらゆる媒体を駆使して、ブーメランのように舞い降りてきて、どんなことをしてでも、すくいのメッセージを届けてくれるものなのだろうか? こんなに早く? こんなに的確に?
驚きながら、読みすすんでいくと、次の話も、わたしへの答えだった。
「五十歳デビュー」(爆笑) …あと三年半!
こんなことって、あるのだ。
必要なものは、やってくる。どんなことをしても、わたしを助けにきてくれる。すてき。
* * *
帯をみよう。
「こんな先生に出会いたかった」泣かせる歴史講座が大人気 博多の歴女と
ベストセラー『名言セラピー』シリーズ著者 天才コピーライター が初コラボ!
秀吉 龍馬 諭吉…… 感動的日本人20人
彼らは「もうダメだ」をどのようにして乗りこえたのか?
万葉集から東日本大震災まで、さまざまな時代背景のなかで息づく日本人の知恵と勇気とカッコよさ! かわいらしさと粋と美しさ! を、象徴的なエピソードとともに、丁寧で歯ぎれのよい文体で、とてつもない愛を惜しみなく伝える妃登美テイスト。
壮大な歴史絵巻を旅する時間旅行で、「いま」をつなぐアンカーのような、多彩なコタロウコラム。
この本がすばらしいのは、先人のエピソードに学ぶことではなく、白駒妃登美さんの感じ方と伝え方だ。
とりあげられた二十人は、おそらく、多くの人が、すでに知っている人たちであり、エピソードについても、どこかで耳にしているものばかりだと思う。
だけど、それが、妃登美さんのことばで語られるとき、命がふきこまれ、生きたメッセージになる。
だから。
バイブルのように、たいせつにできる。
ひびくことばは、そのときどきで、ちがうから。読む人によって、ちがうから。
手元において、何度でも、ひもとける。
時空を超えて、助けに来てくれるから。万葉の世から、現在まで(笑)
* * *
「いまここ」に生きるという言葉を、わたしは、ずっと誤解していた。
夢を彼方にみすえた「いま」に集中して、「夢のためにいまを生きる」ことではなく、ただ、「いま」なのだ。
未来も過去もない、いま!
ピンポイントの「いまここ」!
与えられた環境を受けいれ、何かのためでなく、目の前の仕事だけにワクワクして、ベストをつくし、大切な人を心の底から大切にする。
そうすれば、運ばれていくというのだ。
夢にも思わなかった可能性がひらけていく世界に。
夢をもつことは、今の自分を否定すること?
常に先の目標をかかげることは、無理をして、息切れして、疲れてしまうこと?
夢は限界を決めること?
無理に目標をもたなくていい! 無理に人生を創らなくていい!
それを「超える生き方」があると、妃登美さんが、教えてくれた。
* * *
二十人のエピソードのうち、どれに心を打たれたかを投票するサイトが用意されている。
だれにしよう。
ちなみに、呪いを解いてくれた言葉が書かれているのは、「豊臣秀吉」の章。
「五十歳デビュー」は、伊能忠敬の章。
ぐっときたのは、石田光成が、お茶会で、当時、伝染すると信じられていたハンセン氏病に冒された親友の膿の落ちたお茶を飲み干した話。
たったひとつ、そのことだけで、もう切りはなすことができないくらい結びついてしまう絆がある。ただひとつのことだけで、生涯、愛し抜くことができる。夫婦とか、親子なんて、その最たるものだと思う。
北里柴三郎の「恩おくり」の話も、トルコのエルトゥールル号の話も、ポーランド孤児の話も、ぐっときた。
ふと気づいた。
これは、歴史上の人物の話ではない!
別に、歴史に残るような生き方をしているわけではない私にも、歴史に残るような生き方をした人物と同じように、さりげなく、かっこよく、かわいらしく、たのもしく、粋に、手をさしのべてくれた人がいる!
そのことに気がついた。
小学校の教室でも。中学校の教室でも。高校の教室でも。短大のキャンパスでも。社会人になってからも。結婚してからも。母になってからも。いつも。いまも。たぶん、これからも。
失敗したときや、おちこんだときや、心細いときや、迷ったとき。
いっしょに笑ってくれたり、泣いてくれたり、怒ってくれたり、励ましてくれたり。
(なんや、なんや、いるやんか)
妃登美さんや、コタロウさんといっしょに、日本史の絵巻物を旅するように、いろいろな時代を俯瞰して、「いまここ」に戻ってきた。
「いまここ」で、
(いるやん! 似たような人!!)
うれしくなった。しあわせになった。
妃登美さんは、学生のころ
「誰もわかってくれなくても、私のことは西郷隆盛がわかってくれている」(!)
そう思っていたそうだ。
豊臣秀吉も、福沢諭吉も、西郷隆盛も、自宅のリビングにいてくれる身近な友達なのだと、前書きに書かれていた。
(似たような話をどこかで読んだなあ……)
夏石鈴子さん(好きな作家!)だ!
夏石さんは、心のなかに「高倉健」がいるとエッセイに書かれていた。
(こういうとき、健さんならどうするか?)と、いつも考えて自制すると(笑)
ひとりじゃない。すばらしい!
心のパートナーに、あなたは誰を?
浜田えみな
7月23日(土) 京都で出版記念講演会が開催されます。
ひすいこたろうさんと白駒妃登美さんに会えます。
もうすぐです!
会いたい人には会いに行く!
迷わず、いまここ!!
キャップをプレゼントしてもらったので、ブログのプロフィール画像を、ピグに変えました。
