作家の吉井春樹さんが、ブログで「一語一絵」という企画をしている。吉井さんの一語に、「一絵」を添えて、一語一絵をつくり、まわりの人をあたたかくする企画だ。わたしは、絵や写真の表現をしていないので、ずっとみているだけだったけれど、
一語一絵11 「いつものあなたにかえろう」 → 吉井春樹「一語一絵」11
を目にしたとき、言葉があふれてきて、とまらなくなった。
「絵」じゃないけど、書こうって思った。伝えたい人がいたからだ。
書いた。
* * *
吉井春樹「一語一絵」11: 番外編「一語一惠」
~ いつものあなたにかえろう ~
自分だけが何もしていない気がして
ひざをかかえて、うつむかなくていい
自分だけが何もできない気がして
胸をちぢめて、うずくまらなくていい
くるしいでしょう?
あなたは ごはんをたべていいし
あたたかいお茶を煎れていい
あなたは日常に追われていいし
愛する人をだきしめていい
あなたはゆっくりお風呂に入っていいし
夜はぐっすりねむっていい
笑っていいし、歌っていい
笑ってください 歌ってください
花びらにふれ 風を聴き
空をみあげて 春をかんじて
充電しよう
いつものあなたに
充電しよう
今はあなたを
つながるから
とどくから
* * *
書いたけれど、「絵」ではないから、何か別の漢字を…… と思い、「え」のつく漢字を探した。
「一語一笑」(今回の内容は「笑」じゃないし……)
「一語一恵」(めぐむ… というニュアンスが、ちょっとちがうしなあ……)
「一語一愛」(人名では、「え」とも読むらしいです。こんな大それたものでは……(汗))
調べてみると、「恵」の字源が、とても素敵なものであることがわかった。
上の部分は糸巻。宝物である絹糸を巻いた糸巻が、天井からぶらさがっているようすで、その下に心があるので、まるく相手を抱きこむ心を表していると書かれていた。
「まるく相手を抱きこむ心」
という表現に惹かれ、もっとちゃんと知りたくて、いろいろと探していると、樂篆家・高橋政巳さんの『感じの漢字』(扶桑社) 『感じる漢字』(扶桑社) という本に出会い、「恵」の字のもつ世界観を知った。
形が力をもつ「文霊」の力だ。
本は注文したところで、まだ、手元にないから、詳細はわからないのだけど、ブログなどを参照すると……、糸巻であることをより表現しているのは、旧字体の「惠」にある「ム」みたいな形の部分で、これが、糸巻の心棒なのだそうだ。
宝物のような大事なもの… それは、貴重な絹糸や、金銀財宝のような特別なものではなく、普段の生活のなかで、《自分がもっている相手のことを思いやる気持ち…… いたわる心、励ます心、安心感を与えるような笑顔……》 だという。
その宝物は、だれもがもっていて、まわりの人をつつむことができる。そして、そのことによって、自分もまた、恵みを受けとることができる。そんな、あたたかい気持ちのやりとりでつつまれた世界。それが「惠」という字。
「一語一惠」
この字に出会えたこと。高橋政巳さんに出会えたこと。
伝えることで受けとる。それが「惠」。
一語一絵11 浜田えみなは番外編:「一語一惠」で、つながらせてください。
まわりの人をつつむことができ、自分もうけとることができる宝物
自分がもっている相手のことを思いやる気持ち
いたわる心 はげます心 安心感を与えるような笑顔
だれもがもっている宝物
浜田えみな