ゼロアーティスト養成講座で、講師の吉井春樹さんが言ったこと。
「百点とったかどうかが問題じゃない。五十点だったとしたら、それを全力で取りにいったかどうか。五十点取るために、自分が全力で臨んだのかどうか」
* * *
後悔は、結果に対してではない。そのときに、全力を出しきったかどうか。
手を抜かない自分。まっすぐな自分。ぶれない自分。突きすすむ自分。迷わない自分。
全力の自分が好きなんだ。全力がいいんだ。全力が楽しいんだ。夢中になりたいんだ。一所懸命になりたいんだ。打ちこみたいんだ。そんな自分を知ってるんだ。大好きなんだ。信頼できるんだ。走りたいんだ。どこまでもずっと! 全力だから迷わない! 後悔しない! 全力なんだ! そのときにできる すべてなんだ!
書くことじゃない。
わたしは、全力になりたいだけなんだ。
それだけだったんだ。
全力になる。そのときに目の前にあるすべてのことに。
エキスパートになろう。職人になろう。宮大工になろう。
全力で起きる。全力でコーヒーを煎れる。全力でパンを焼く。全力で起こしに行く。全力でおはようを言う。全力で食べる。全力で片付ける。全力で着替える。全力で化粧する(笑) 全力で通勤する。どんなことにも、プロをめざすくらい本気になったら。毎日、一分一秒が、楽しすぎる!
朝はいつも同じ朝じゃない。しあわせ朝ごはんにこめる想いは、尽きることがない。声かけコンテストで優勝するくらい、エレガントにあいさつをしよう。大好き・愛してる・生まれてきてくれてありがとう・そばにいてくれてありがとう・うれしいことがおこりますように!
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ゼロアーティスト養成講座の一日目を受講したとき、わたしは、まだ、「書くこと」をめざしていた。
「書けない自分」「書きたくない自分」という言葉に反応したし、そんな自分をイヤになるほど知っていた。
「ものがたりを紡ぐ自分」が、目標のなかにいたし、そのための精神力を得たいと思っていた。
課題の“ブログ宣言”を書いたときも、まだ、「書く」つもりでいた。 → ブログ宣言「船出」
-「書かないこと」は、「書くこと」の別方向からゴールをめざすものだ-
そう思わなければ、自分を支えることができなかった。
-十数年間、上に大きく伸びていける根を張っていた-
そう思ったら、職場のトイレで、涙がとまらなかった。千年分、上に伸びていく根なのだと……
原稿を書きながらも、泣きじゃくったと思う。
その根を、切った。
手放せたから。 → 講座の余白(1) ~手放せた~
講座のなかで、つけられた「はがしめ」が、どんどん、めくれあがってくる。
講座の冒頭で、吉井さんが話されたことのメモ。
視点を広げる。俯瞰ぐせをつける。イン・アウト・ズーム・フォーカス ちがう角度から見る。発想をかえる。自分が動く。決めつけない。ほかの見方はできないか。どれだけ視点をもてるか。
多角な提案を自分の内側から出せるか。
今回、「書くこと」を手放せたのは、この発想のおかげだ。体得するための、いくつものワークのおかげだ。
なぜ「書くこと」なのか。ほかのものになくて、「書くこと」だけがもっているもの。それは、何なのか? 「書くこと」を裏側や内側や、いろんな角度から見た。分析した。分解できた。はじめて、そんな見方をした。その答えが、「今ここ」と「全力」だ。では、そのエッセンスを、すべてのものにそそげばいいのだ。
動けた。もう、どんなものにも応用できる。
じつは、この冒頭部分、メモを取っていたら、吉井さんに、すごくびっくりされたのだ。
「げーっ 何いっぱい書いてるのー!? テキストも開けてないのにー。メモするようなとこじゃないよー」
講座でメモを取っていて、びっくりされたのは、初めてだ(笑)
(メモしててよかったでしょ)
「書くこと」を手放す日がくるなんて、思ったことも、なかった。
書くことじゃない。
わたしは、全力になりたいだけなんだ。
それだけだったんだ。
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観葉植物の根きりは、何度もしたことがある。外からはわからないが、とりだしてみると、鉢のなかで満杯になって、かちかちになっている。五月ごろの気候のよい日に、ゆっくり鉢から出して、土を落とし、三分の一くらい残して切る。そうしないと、水分や養分を与えても吸収できず、腐ってしまう。新しい、ふわふわの土に、植えかえてやる。たっぷり水をやって、直射日光のあたらないところで、根がおちつくまで、待つ……
* * *
吉井春樹さんの名前を知ったのは、去年の秋。ことだま師の先輩からブログを教えてもらったからだ。十月八日の日記に、こんなことが書いてある。
「吉井春樹さんのブログに、他の人のブログ記事で感動した文章を紹介するカテゴリがある。そこで取りあげてもらいたい!」
ちょっと形はちがうけれど、まさか、その夢がかなうなんて。 → 吉井春樹さんの「セミナー後記」
しあわせエネルギーパンのおかげだとしたら、すごい! → 「まほうつかいのパン教室」
浜田えみな
全力の自分が好きなんだ。全力がいいんだ。全力が楽しいんだ。夢中になりたいんだ。一所懸命になりたいんだ。打ちこみたいんだ。そんな自分を知ってるんだ。大好きなんだ。信頼できるんだ。走りたいんだ。どこまでも……
全力だから迷わない。後悔しない。全力なんだ。
そのときにできる すべてなんだ……