ルルは、名古屋港水族館にいるバンドウイルカの名前。
ナミは、同じく、シャチの名前。
わたしが、名古屋港水族館を訪れた日、
公開トレーニングで、ナミは、初めてジャンプに成功した。
トレーナーのお兄さんが言った。


「ジャンプの練習は、昨日から始めたんですが、昨日はできなかったんですよ。
今日は一度でできた。今日は朝からずっと、ルルと一緒だから。
ルルは、こういうの、得意だからね」


GO! Nami GO!

 

名古屋港水族館オリジナルの、ナミのポストカードに書かれたキャッチフレーズだ。
青い空とプール。
水しぶきを散らして、嬉しそうにジャンプするナミの勇姿。
本当に元気が出る。


GO! Nami GO!


ナミの「な」のことだまは、
「目標に向かって頑張る力」

「完成」

「目標を達成する力」


「み」のことだまは、
「原石を磨いて宝石にする力」

「育てる力」

「師をもって成長する力」


ナミのジャンプを成功に導いたルルの「ら行」のことだまは、
「回転・加速・目標を実現する力」を基本として、
それぞれ、「あ~お」の母音のはたらきを付加する。


母音の「う」は、
「受け入れたものを、そのまま素直に出していく力」

目標の実現を加速することだまを、二つも持つルル。


名前のことだまは、必要とする人のもとに、音連れる。
この日、名古屋港水族館のシャチプールで、朝から一緒にいた、ルルとナミ。
ことだまは、人のために大きくはたらく力だ。


ナミのことだまは、ルルに、
「目標を達成する力」 「育てる力」 「師としての役割」を与え、

ルルのことだまは、ナミに、
「受け入れたものを、ただ、素直に出していく力」と、
「目標実現を加速する力」を与えた。


朝から、一緒に、プールにいただけで!


ルルー!
ナミー!


なんて、いとおしいのだろう。
小さなルルが先生だ。
朝からきっと、遊びながら、何度もジャンプしていたにちがいない。


ナミは、六月に太地のくじら博物館から名古屋港博物館にやってきたばかり。
とはいえ、太地では、ショーで毎日のようにジャンプしていたベテランのシャチだから、
ジャンプができないわけではなく、
名古屋港水族館の環境のちがうプールで、
どのようにしたらよいのかを、はかりかねて、とまどっていたのだと思う。


ルルー!
ナミー!


ルルは、バンドウイルカで、ナミは、シャチだ。
いっしょに浮かんだり、もぐったり、ねそべったり、よりそったり。
仲良く離れないようすを観ながら、
隣で、夫が、つぶやいた。


「まちがって、食ってしまわへんのかな」


海にいたなら、
シャチにとって、バンドウイルカは食べ物だし、
バンドウイルカにとって、シャチは天敵だ。


なぜ、ナミは、ルルを食べないのだろう? 
おなかがすいていないから?
では、なぜ、ルルは、ナミから逃げないのだろう? 
なぜ?


名前がつけられたからでは、ないのか?


名前のことだまが、ルルとナミを、バンドウイルカとシャチでなくした。
ルルとナミ。

ことだまは、ひびきだ。
呼ばれることで、活性化し、その力を大きくしていく。
トレーナーのお兄さんに甘える姿は、人間の女の子のようだ。

ことばかけは、魂の成長。


みんなが、エールを贈る。
ルルもナミも、愛情をもったことばかけによって、
その使命の花を咲かせ、見守るひとたちに、癒しと元気を与えている。


パフォーマンスの公開は、秋以降ということだ。
ブールにいる姿は、今でも見える。
ルルとナミのことだまは、さらに進化していくことだろう。


「ら行」のことだまを持つ人は、
大きなナミを成功に導いた小さなルルのように、
ゴールに到達する力を加速する人。


「み」のことだまを持つ人は、ナミが、ルルを先生にしたように、
人を輝かせる力と、育てる力を与える人。


わたしの胸の中の、ことだまの花畑に、また、新しい花が増えた。

ルルー!
ナミー!


どれだけ、ルルとナミが、


愛と、願いと、祈りをこめて、多くの人に、
その名前を呼んでもらっていたかがわかる。


名前を、呼ぶことの大切さを、多くの人に、伝えていきたい。
 
                        (ゆ)

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