「私は正しい・・・は、本当か!?!?」 Emileのコラム266 | 地球村研究室

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厳しい地球環境制約の中で心豊かに暮らすには?沖永良部島で実践しながら考えたいと思っています!!

✅ 立春を過ぎたというに、日本列島は大寒波に襲われている・・・ 夏は酷暑、冬は寒波、日本の四季を取り戻せることが出来るのだろうか・・・・ 島も今季最低の気温、暖房施設の無い酔庵に唯一の暖は「火鉢」(先日やってきた学生さん、火鉢なるものを御存じなくて、聊かショック!!)と猫なれど、残念ながら猫は主には近づいてはくれぬ・・・・

 

✅ 桜は満開を過ぎたものの、まだ少し春を呼んでくれているよう・・・ 島には花見(さくら+集う+飲む)というものは残念ながらないが(花見は日本独自の文化です)、やはりこの色合いには癒される。今朝は寒空の中、姫とまだ咲いている桜の探索に・・・・

 

✅ 第125回 酔庵塾の動画がYou Tubeにアップされました、お手隙の折にでもご覧ください。  https://youtu.be/_xsQi234JPU

・「脳も体も衰える・・・抗うか? 受け入れるのか?」  酔庵塾塾長 石田秀輝 

・『元気のWAをつなぐ』クラブをつくる」 元気!わどまりクラブ 浅野 舞子

 

✅ コラム266 「私は正しい・・・は、本当か!?!?」

もう随分前、インターネットがまだ普及していないころ、会社勤めをしていていつも不思議に思ったこと、それは、経済や世界情勢について会社の偉い人達がみんな同じようなことをいう・・・考えつくせば同じ結論になるのか、凄いなと思っていたが、後になって解ったのはみんな同じ経済新聞を読んでいたこと・・・笑  最近ではもっと激しくて、唐突のように例えば日銀の政策とトランプ大統領の関係を伺ったりすることもある。「ん?」と思い話を聞いてみると、どうやらいくつかの情報が混線した結果らしいのだが、ご本人はそれを自分の意見として信じている。

 

ヒトは常に無尽蔵にある情報からある種の信念や仮設に基づいて、それに合う情報に注目し、会わないものはスルーしている。

 

「自分にとって都合の良い情報を無意識に集め、都合の悪いデータを無意識に軽視する」という傾向を認知心理学では「確証バイアス」という。色々な認知バイアスがあるが、情報過多の時代、この思考の偏りを修正し続けるには、相当な努力が必要だ。

例えば「エコーチャンバー」、インターネットのアルゴリズムから引き起こされる現象で、何か情報を検索すれば、それと同じようなものが次々に表示される。これが繰り返されれば、無意識のうちにこの情報が重要であり、社会からも注目されている情報であると思い込んでしまう。エコーチャンバーが確証バイアスを人為的に助長してしまう現象だ。こうなると、自分の持っている情報の価値を頑なに信じ込み、すべての人が同意見であるはずだと思い込んでしまう。自分と他人の違いを認められず、物事を多角的に捉えられなくなる。

 

ヒトの思考には多くのバイアスがかかっているが、バイアスそのものが悪ではない。バイアスなしで思考することが、そもそも膨大な情報過多の時代には不可能である。問題は、どうやってコントロールするかなのだ。 ヒトはある物事に関する経験や記憶が集まることによって、それらを一つの一般知識として捉えられるようになる(認知心理学でいうスキーマ)。ヒトはこのスキーマに基づいて情報の収集や論理的な思考を行っている。会話が成立するのもこのスキーマがあればこそだ。レストランは食事をするところというスキーマがあるからこそ「昨日レストランに行ったよ!」「へぇ、何食べたの?」という会話が成立することになる。もしレストランは入浴するところというスキーマを持っている人がいたなら、この会話は成立しない。過去の経験や記憶によって構造化された概念であるスキーマを如何にブラアッシュアップさせ続けられるかが求められているともいえる。

 

ノーベル経済学賞を受賞したダニエル・カーネマンは、人間の思考には、速い思考「システム1」と遅い思考「システム2」があるという。「システム1」は直感的で瞬時に働く思考、例えば表情から感情を読み取ったり、危険を瞬時に察知する思考だ。これは、無意識のうちに情報を自動処理した結果で、日常における大抵の状況は、「システム1」の判断で上手くゆく。 ただし、「システム1」は信じやすく騙されやすいところがある。故に少なからず判断ミスを起こしてしまう。「システム2」は熟慮しながら時間をかけて考える論理的な思考、例えば数学の問題を解く、大きな意思決定をする、議論を組み立てるという思考である。 直感に反した、もしくは直感では対応できない判断を担当する。ヒトはこの2つを状況に応じながら使い分け判断・行動している。 

 

多くの判断ミスやバイアス(認知のゆがみ)は、システム1に頼りすぎることで起こるが、一方でシステム2は時間と労力がかかるため、多くの人は日常では出来るだけ避けようとする。つまり、「速さ」や「直感」に頼りすぎると誤判断しやすい、一方で「遅くて面倒な思考」こそ、精度の高い判断につながるというトレードオフがある。

 

重要なことは「システム1」の判断精度を如何に上げるかということなのだが、これには「システム1」で行った判断を「システム2」で熟考してフィードバックすることが最も効果的であることも分かっている。「システム1」の判断が正しかったのかどうか「システム2」で再度考える、このやり取りを繰り返すことが肝要だということなのだ。

 

情報過多の時代、それに振り回されず、何が正しい情報かの直観力を上げることが、とても大事なのではないかと思う。