島は冬本番、最高気温も20℃を下回り、最低気温は12℃程度になることも・・・ 本土の人は「暖かくていいね!」とおっしゃるが、寒い!! 酔庵の暖房は火鉢だけ、室温も16℃程度まで下がることもしばしば、亜子姫は猫を暖房機代わりに・・・・後ひと月ほどの冬をさてどうやって楽しもうか? でも、自然はもう春を感じているよう、畑は菜の花で一杯、しばし心も温かくなる!!
今年は十干では2番目の乙(きのと)で「木」の要素を持ち、春の季節を思わせる新芽のように柔軟性と成長を象徴し、新たな始まりと内面の豊かさを表すという。十二支では巳、巳は神様の使いでもあり、脱皮を繰り返すことから不老不死のシンボルである。十干十二支では乙巳(きのとみ)となり、「再生や変化を繰り返しながら柔軟に発展していく」年となる。
昨年は元旦に能登半島をM7.6の地震が襲い、輪島市と志賀町で最大震度7を観測した。2日には羽田空港で日航機と海保機が衝突炎上、何か一抹の不安が心を過る年の始まりだった。
東京都知事選では過去最多の56人が立候補し、国会では、政治資金パーティー収入の裏金問題で明け暮れ、政治に対する信頼は大きく揺らいだ。
海外も不安定な状況が続いている。 2022年2月に始まったロシア・ウクライナ戦争では、国内外へ避難民は人口の24%、約1000万人を超えて増え続けている。イスラエル軍とイスラム組織ハマスの戦闘が続くパレスチナのガザ地区では本格的な冬が近づく中、避難を強いられている人は人口の9割にのぼり、凍死する子供たちも出てきている。
スーダンでは2023年4月から続く紛争によってこれまでに人口の約30%にあたる1,410万人以上が避難民となり、その数は増え続け、その半数以上は女性で4分の1以上が5歳未満の子どもだ。
ミャンマー、コンゴ民主共和国、ハイチなどでも紛争により難民が増加しており、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は2024年6月末時点で、世界の避難民数は推定で1億2260万人に達したと報告している。
政治も不安定さを増している。ドイツの州議会選挙では移民や難民に対して排他的な極右と批判される右派政党「ドイツのための選択肢」が、第1党となり、ナチスへの反省から寛容さや多様性を重視してきたドイツの根幹が揺らいでいるように見える。
フランスでも、マリーヌ・ルペン氏らが率いる極右政党「国民連合(RN)」が2024年6月の欧州議会選挙と、その結果を受けてマクロン大統領が実施を決めた国民議会(下院)の解散・総選挙で、これまでにない大躍進を果たした。
オランダ、イタリアでも右派勢力の拡大が顕著で、欧州連合(EU)各国で自国ファースト主義のポピュリズムが急速な勢いで頭をもたげている。1月に就任する米国のトランプ大統領もその先鋒であり、第2次世界大戦の反省の下、世界の主要国が創り上げてきた連携を断ち切ろうとしているようにも見える。
この原因は、大雑把に言えば、経済の停滞、移民の増加、炭素排出量を実質ゼロにする政策の推進を要因の一つとするエネルギー価格の高騰や雇用の問題に各国が苦しんでおり、ポピュリストの政治家は、その原因をEUや諸外国を非難することで、民衆を煽っているということなのだろう。その結果、国連は機能を失い、各地で内戦がまたぞろ始まろうとしている。
日本に目を向けてみれば、経済成長率は0.3%(1997年以降)で世界平均の4.7%を、大きく下回り、一人当たりの名目GDPはOECD加盟38ヶ国中22位まで下がってしまった。かつて1位だった日本の世界競争力ランキングも38位に後退し、中国、韓国、タイ、インドネシアにも抜かれてしまった。
今あらためて考えなければならないことは、我々の役目が「未来の子供たちが心豊かに生きるためのバトンを手渡す」ことだ。だが、右肩上がりの経済成長ばかりを追って来た従来の政策は地球の資源やエネルギーの消費を前提としたものでしかなかった。これを抑制すれば、経済は停滞し、雇用問題が表出し、ポピュリストの政治家が台頭してくることになる。まさに世界はこれに翻弄されているのだ。だからと言って資源やエネルギーの使用を従来の様に戻せば、未来は確実に悲劇的なものになる。
従来の延長に解は無いのだ、だからこそ、『一つの地球で暮らせる社会(日本では現在の環境負荷の4割で暮らせる社会)をまず描いてみよう!』、沖永良部島に人たちはすでにそれに近い暮らしを、当たり前のようにやっているのだ。それをもっとオシャレに紡ぎ直して、実践してみよう。それこそが、誰でも真似したくなる憧れの島づくりであり、それが誰もが憧れる日本に繋がり、世界に繋がるかもしれぬ。
自分(自国)ファーストではなく、次世代ファーストに舵を大きく切ることこそが、「乙巳」の年に求められている気がしてならない。