久しぶりに学生時代からの友人に会った。

最後に会ったのは確か4年ほど前、コロナ前だったから

お互いの顔見たときにはなんかすごい感動があった(笑

 

彼女とは看護学校で出会ったから、付き合いは30ウン年になる。

私が20才で彼女は22才、カリキュラムの違いで私が少し年下だったから、

なぜかいつまでも若い私をイメージするんだそう。

 

海の見えるカフェでランチして、港を散策して、遊覧船に乗るという

デートみたいなことをした。

たくさんおしゃべりして、癒されて満たされた。

 

お互いのいろんな苦労も苦悩もすべて笑い話になり、

乗り越えてきた価値観で語り合える貴重な時間になった。

 

 

ずいぶん昔のことだけど、私がいい加減なことをしてて、

彼女に激怒されたことがある。

 

当時どこかでおしゃれなディナーしてた時、

食事の最中で私が「今がよければそれでいい、私今幸せなんちゃう」ってふと呟いた。

どう考えても本当の幸せではない状況で、投げやりになっている私だったけど

自分では全く気づいてなかった。

 

彼女は突然激しく怒り出した。

「そんなことが幸せではない、それは自分さえよければいいと思っているだけや」

 

その時私は意味がわからなくって、激怒されたことに気を悪くし、

半年ほど音信不通になった。

 

 

でも心のどこかでに彼女の言葉がずっと残っていた。

 

時間ができたときに自分の人生を振り返ってみようと決め、

今までのことを紙に書き出し、客観的にみてみた。

徹夜になった。

これが人生初の自力の内観だったと思う。

まだまだ自分の気持ちに素直になれなくて、表面上のことしか感知できてなかったと思う。

でも、それでも、自分が間違っていたことに少し気づけた。

 

それを機に事態は変化して、

私は向き合うべきことに行動を起こすことができた。

 

 

それから少し経った頃。

 

 

彼女の言ってた意味が少しわかったような気がするなぁって

なんとなく考えながら電車に乗っていた。

いつもと違う用事があったので反対方向に行くため、向かいのホームに移動しようと階段を上がったところで、目の前にあった駅のトイレから彼女が出てきた。

彼女もいつもは使わない電車に偶然乗っていたらしい。

 

こんなタイミングを計ったように会えたことに驚きながらも

「えー偶然ー」とか言いながら、電車のシートに隣り合わせで座り、3駅ほど過ごした。

 

私はたどたどしい言葉だったけど、あのときに言われたことを考えてみたこと、

自分を大切にしてなかったことに気づいたこと、言われたことが少しだけ理解できたことなどを話した。

 

彼女は激怒したことを詫びてくれ、

ポツポツ話す私の言葉を黙って聴いてくれた。

 

 

あれから16年くらい経つけど、今も変わらず

ふたりでお互いを応援しあっている。

 

 

私は本格的な内観を始めて6年になる。

おかげさまで以前より自分の気持ちがわかるようになり、

人と話すとき、以前より深いところを分かち合うことができるようになったと思う。

 

 

となりで微笑む彼女を見ながら、本当に生きててよかったと感じた。

 

若気の至りで大コケした私をリアルタイムで見ていた彼女。

 

「あの頃のとんがっていたあなたも、大好きだったよ」って言ってくれた。

 

私は泣けてきた。

 

 

優しさに包まれたように感じた。