時間がたくさんあるので、読書三昧の日々を送っている。
いい機会なのでインナーチャイルドケアを最初から掘り起こしてやってみている。
自分で出来るワーク付きの書籍やその関連の本が図書館には豊富にあるので結構ガッツリいける。
まるで自宅でリモート授業を受けている高校生のように真面目に取り組んでいる。
自分から出てくる気持ちをその都度ノートに書き出しているのだけど、時に全く思いがけないような言葉が飛び出してきたり、思ってもみない理論が展開されることがある。
え!?本当に?そんな風に思っていたんだーと、本気で初耳だったりしてものすごく驚く。
そう語っているのは紛れもなく自分自身なのに、まるで別の人みたい。
自分の中にはまだまだ知らない自分が無限にいるようだ。
インナーチャイルドというのは子供の頃の自分とされているけれど、私の感覚では彼らはそれぞれが独立したエネルギー体だと思う。
それぞれがそれぞれの事情を抱えていて、ちゃんと意思も持っている。
今現在の私が既に乗り越えてると思えることでも、彼らはそこに留まり何度もやり直そうとチャレンジしている。
もう長いことインナーチャイルドケアに取り組んできた経験からそれが実感できる。
私が初めてインナーチャイルドケアを受けたのは、もうかれこれ14年くらい前になる。
当時関わっていた患者さんのご家族が臨床心理士さんで、その人の目からは逆に私が患者さんのように見えたのだろう。
「ちょっと話を聞こうか?」と肩を叩かれた。
今思えば私はよっぽど眉間にシワ寄せて怖い顔をしながら対応していたんだろうか。
それでも当時の自分としては精一杯笑顔を作って管理職として武装していたつもりだったのだから、まったく救い難い。
お休みの日にその方の自宅に伺って、記憶の底に沈めて鍵をかけていた扉に初めて触れた。
まさにパンドラの箱だった。
人前であんなに泣いたのは後にも先にもなかったと思うくらいに涙があふれて止まらなかった。
少しずつでいいから変わろうと泣き腫らした目で私は思った。
そのカウンセリングは月に一度のペースで一年くらい続いた。
心の扉が開かれ始めると苦しい思いが解き放たれて、正直それはとても辛かった。
ゴウゴウと音を立ててる嵐の中に放り込まれているようだった。
本気で自分の棚卸しをする勇気が持てた時を同じくして父の胃がんが発覚した。
そして本当の家族と現実的に向き合う形へと自然にシフトしていった。
でもそれでめでたしめでたし、ではなかった。
もう大丈夫だ。もうこれで大丈夫だと思う私をよそに、私のインナーチャイルドは再び怒ったり泣いたり、時には暴れ出したりしてしまった。
自分で思うほど自分との仲直りはうまく進んでなかったようだった。
もう私は大丈夫なはずなんだけど。
目標としている道を努力して歩いてるんだから大丈夫なはずなんだけど。
だけどその時の私は外側をどうにかすることに気を取られて、内なる子供を無理やり黙らせているだけに過ぎなかった。
はたして心は5歳児なのに大人の姿をした私の生活は破綻していき、再びインナーチャイルドに向き合わざるを得なくなった。
それから私はまたひたすら真摯に自分に向き合うことを決めた。
今度は必ずやり遂げたい。
決死の覚悟とはまさにこのようなことだろう。
時には岩肌を爪で引っ掻いて、その岩に食い込む指先だけを頼りに岩壁をはい登っていくような苦しみも味わった。
それも1つや2つではなく、ダンジョンが終わると同時に次のダンジョンが示される。
とんでもなく冒険の日々だ。
そして少しでも誰かのせいにしているうちは、全然ダメだった。
感謝も何もなく荒野のような心情に救いは来なかった。
実は本当の問題は、本当の本当の本当のところは、
誰かのせいでも親のせいでもなく、ほかでもない自分自身に起因することなのだ。
それが腑に落ちると少しランクアップ。
それが自分との仲直りのための重要アイテムだった。
歯を食いしばってでもクリアしていく価値はある。
少しずつ自分自身になっていくのは、とても楽しいからだ。
最近では慟哭を伴うインナーチャイルドケアではなくなり、新しい自分の発見と出会いに変わってきている。
これもいろんな方からの助けがあったからに他ならないんだけれど。
ダンジョンクリアの瞬間はなんだか感動的だ。
イメージで言うとパズーがシータを助けに来た時のような、
千尋がハクの名前を思い出した時のような、
あんな感じ。
実は他の誰かがどこかの世界から助けに来てくれるんじゃないんだ。
私がわたしを迎えに来たんだ。
私はわたしを見つけに行く。
泣いてうずくまっているわたしの腕をつかみ、その世界から一緒に抜け出す。
今朝のことだけど、今までの過去のいろんな地点にいる私が辛くても耐えてきたからこそ、今ここに私が在るんだなーって感謝が腹の底から湧き上がってきた。
私が癒そうと必死でしてたはずなんだけど、本当は今のここにいる私が彼女たちのおかげで救われて助けられて、今ここに存在するんだなーって。
これまでの私を全員いっぺんに抱きしめたいと思った。
とても愛おしく感じた。
みんなのことが大好きだ。
こんな気持ち、誰かわかるかな?
今って多次元との隔りが薄くなっているらしくて、けっこうスルっとチャイルドのいるところに行き来できるらしい。
もしも心の中で誰かが泣いてる感じがしたら、インナーチャイルドが気づいて欲しがっているのかもしれないよ。
永遠の味方の大好きな友だちと手を繋いでいけるチャンスかもしれないよね。