東海大が明星大に逆転サヨナラ勝ちし、3季連続64度目の優勝と関東地区大学選手権(11月1日開幕、横浜スタジアム)出場を決めた。ドラフト上位候補の伏見寅威(とらい)捕手(4年=東海大四)が、同点打含む2安打で攻守にけん引。中村勝広GMが直々に視察に訪れた阪神など、プロへの最後のアピールを終えた。
苦しい局面を救ったのはやはり主将だった。1点を返し、なおも1点ビハインドの7回裏2死一、二塁。何としても追いつきたい場面で、伏見は内角への直球を左前にはじき返した。同点。「勝負どころで打つ。それがきちっとできました」。今季初の3番で結果を出し、サヨナラ勝ちを呼び込んだ。
3日後に迫るドラフト会議の上位候補だ。進路はプロ1本に絞っており、12球団OKの姿勢。この日も中日、オリックスなど4球団のスカウトが最終確認に訪れ、阪神は中村GMが直々に視察した。「監督にも(GMが)来てるぞっておどされたんですけど(笑い)。別に何かを変える必要はない。評価していただけるなら、僕は全力でやるだけです」。シーズンを通して打率3割8分1厘、リーグ1位タイの11打点と安定した成績を残した。
開幕の筑波大戦で勝ち点を落とす厳しいシーズンだったが、勝ち点4(9勝2敗)で3連覇を達成。次戦となる関東地区大学選手権ではもう、ドラフトは終わっている。「緊張も実感も全然ないですが、今日でアピールは終わりです」。やるべきことは出し切った。大学NO・1捕手が、満を持して運命の日を待つ。