右膝などの負傷から復帰した日本代表MF本田圭佑(25=CSKAモスクワ)に追い風が吹いた。W杯3次予選ではホーム側に試合球の決定権があったが、最終予選ではナイキ社製に統一されることが判明した。本田の武器である無回転シュートが蹴りやすい条件が整うことになる。
「ブレ球」と呼ばれる無回転シュートは、回転をかけずに蹴ることで進行方向とは逆のボールの背後に空気の渦ができ、その影響を受けたボールが不規則に揺れて落ちる。ボールの表面に凹凸が少なく、より「真球」に近く、空気抵抗が小さいほど、この現象が起きやすい。本田はアゼルバイジャン戦でも無回転シュートを披露したが、その時の試合球(アディダス社製)に比べても、ナイキ社製はより真球に近く「ブレ球」が蹴りやすいのだ。
日本代表は本田が離脱していた昨年9月6日のウズベキスタン戦(タシケント)でナイキ社製のボールを経験。普通のロングキックでもボールが揺れることがあり対応に苦しんだ。慣れるまでは慎重にプレーしなければいけない面もあるが、本田の無回転シュートに関してはプラス材料だ。
この日、本田は右膝の検査など体のメンテナンスに専念。ロシア紙には本田がバルセロナやマンチェスター、パリなどのクラブへの移籍を希望しているとの記事が掲載されたが、現在は目前に迫ったW杯予選に集中している。6月の3試合について「当然、勝ち点9を狙いにいくべき」と全勝を目標に掲げた。チームは25日からの国内合宿でナイキ社製ボールを導入予定。5大会連続のW杯出場に向け、左足に磨きをかける。