球団にとって、貴重な生え抜きの指導者。49歳と若いが、楽天・星野監督は39歳で中日を率い、オリックス・岡田監督は46歳で阪神の指揮官に就任した。決して、若すぎることはない。
解説者として一度も外から野球を見ておらず、しかも1軍でのコーチ経験が主のため、指導のキャリアを不安視する声もある。実際、フロントは来年、真弓監督を続投させた場合は、和田コーチを2軍監督に配し、育成の“帝王学”を学ばせてから、満を持して1軍監督へ、という青写真も描いていた。
今回は多少、前倒しという形にはなるが、チーム内のことを、すでに熟知していることはもちろん、球団内から「生え抜きで数少ない幹部候補」とラブコールも多く、ファン人気も高い同コーチだけに、この虎の過渡期を救う人材として、白羽の矢が立っている模様だ。
今後はチームの戦況を見守りながら、他の候補者を含めて最終調整。コーチ、スタッフの新人事も同時進行で行っていく予定だ。6年連続V逸の屈辱から、新体制で生まれ変わろうとしている阪神。その“顔”となる新指揮官に、大きな注目が集まる。