「(一昨年は)ポジションも確立できたし、守り通さないといけない気持ちが強かった。長野も出てきて焦りもあった。自分自身を見失って、自分に戻れなかった」。地獄を見た亀井に原監督が与えた転機が、三塁へのコンバートだった。
昨秋は自ら志願して豪州リーグに参加した。春季キャンプでは連日特守を受けた。慣れぬポジションへの不安はある。それでも亀井は言う。「当たって砕けろじゃないけど、前に出て失敗したらしようがないと思って、開き直ってやる」
現在も三塁の守備位置ではライアルとしのぎを削るが、亀井の姿に「良いスタートを切った」と原監督も手応えを感じている。「去年の二の舞いにはなりたくない」と亀井。自らの姿を取り戻すため、背番号9は自らの手ではい上がる。