当地で14日に行われたフィギュアスケートのグランプリ(GP)シリーズ、スケートアメリカの女子で16歳の村上佳菜子が初優勝を飾った。GP2戦目での初勝利、シニア転向シーズンのGPファイナル進出は、ともに5年前の浅田真央以来。「ソチ五輪の星」が才能の片りんを示した大会になった。
世界ジュニア選手権制覇など、浅田の経歴をなぞるように活躍してきた村上。ジャンプを武器とする点もあこがれの先輩と共通しているが、性格やスケートへの取り組み方は異なるようだ。両者を育てた山田満知子コーチは言う。「真央は真っすぐで自分というものを持っていたが、佳菜はフワフワしている」
村上はNHK杯のフリー開始前に緊張で足がすくみ、「先生、できない。どうしよう」と泣きついた。「たくさん選手をつくってきたが、こんなに怖がる子は初めて」と山田コーチ。その上で「いろんなことを吸収して大きく育っていく子。真央のように器用ではないが、やればきちっとしてくる」と見守る。3位だったNHK杯の経験を生かすように、今回のフリーでは緊張に打ち勝って高得点をマークした。
微妙なジャンプの判定が味方した面もあるが、「SPもフリーも課題ばかり」と自覚する。「次に優勝するときはパーフェクトで」。向上心は年長選手に負けていない。