モンセリーチェへの旅 | La vita è breve

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埼玉出身元トラック運転手。27歳で渡伊して料理人に転向。てんやわんやの末、東京フレンチ、医療の現場を経て大分へ移住。このブログは、37ちゃいのワタシがシチリア島で再出発する所から始まる壮大なストーリー。54ちゃいの今、更にてんやわんやである。

次の目的地はリミニ。
9月の帰国までをここで過ごす。

が、その前に、
2年前の旅行で知り合ったモンセリーチェの一家に会いに行く。


パドバから車で1時間弱の小さなちいさな街。
ここにお父さんのサンドロ、
お母さんのリタ、
娘のナディアと
6匹のネコと暮らしている。

そうそう、以前紹介したピンク色のインゲン豆を一緒に買いに行った家族だ。

モンセリーチェの駅でこんなのをみかけた。




これは駅構内にいくつかある機械で、
ここに切符を差し込んむと、
がちゃん、と、日付、時刻か刻印される。
これをしないと、罰金をとられてしまう。

“動くのはこの機械だけです”

この下のカッコ書き、“Meno male”
ってよく使われる言葉で、
直訳すると、少ない悪いこと。
“これだけでも動くんだからよかったね”
みたいな意味。

日本だったら、ご迷惑をおかけして、、、、
と、続くハズ。
まったく、ここはイタリアだ、、。
なんでも冗談で済ましてしまう。



2年前、こんな事があった。

ヴェネツィアの駅で、いつものように機械に差し込むと、
なんかおかしな音がした。
切符が中で引っかかってしまって、
引っ張ると、ベリッとやぶれてしまった。

刻印部分がない。
電車の発車時間が迫っていたが、
これでは罰金をとられてしまうので、
事務所にかけこむ。

なんと説明していいか解らず、

“機械がこの切符食べちゃった!”
と言ってみた。

ちょっとえらい人っぽい恰幅の良いシニョーレ、
読んでいた新聞から目を離し、
破れた切符を見て理解したらしかったが、

“ああ、お腹減ってたんじゃない?”

と、悠長に笑っている。

時間が無いことを告げると、
老眼鏡を外し、壁の時計を確認する。

ゆっくりと、立ち上がる。
鍵の入った引き出しからひとかたまりを選ぶと、
これまたゆっくり歩き出す。

“あぁ、”

とつぶやき、セロハンテープを手にする。

“そんなのどぉでもいいから早くしてー!”
と、日本語で言ってみる。



“Ecco!これだね?”

破れた切符がでてきた。

“消化不良を起こしているよ”

冗談行ってる場合じゃナーイ!

“切符をだしなさい”

やぶれた切符を差し出すと、セロハンテープでもう片方の切符を
ピッと貼り付けた。

“これでよし。
さあ!走って!

ブォン・ビアッジョ!(良い旅を!)”

ええー!これでいいのー!?

ともかく発車時刻なので走る!

車内に駆け込んだとたん、扉が閉まった。

車内の検札では、始めちょっとおかしな顔をされたが、
にっこり笑ってクリア。

ちいさなパプニングだったけれど、
セロハンテープを貼り付けた切符がかわいらしくて、
いい旅の思い出になった。

なんだか田舎っぽい、
イタリアのこんな所、好きだなあ。