前回の続きで、今回は認定調査員の視点からお伝えします。
以前にもお伝えしたことがありますが、介護認定調査の判断基準は
介護にかかる手間を時間で判断
しています。
そのため、「車椅子だから」「半身麻痺だから」
介護度が重くなる
というわけではないんです!!
実際に、全盲で障害者手帳1級所持者でも
要介護2だった方がいます。
全盲だから日常生活全般において介護が必要とは限りませんよね。
私の知っている方は、糖尿病網膜症による失明で全盲となりました。
もともとは眼が見えており、糖尿病の合併症により徐々に視力が低下していきました。
なので慣れ親しんだ自宅では、どこに何があるか全て把握済み
トイレやベッドに一人で行けました。
家族の見守りのもと、料理もこなすくらいなので、
一人で留守番もできるほど自立している方でした。
となると、実際に介護に要する時間はそれほどかからず…。
前回のブログの内容で、私のおばあちゃんを例に上げると、
入院当初、寝返りもうてない状態だったため、
私の母は要介護5を期待していたようですが、、、
確かに寝返りは全介助が必要なくらい寝たきり状態でしたが、
食事は自分で食べれるし、認知症もなく
特に看護師さんを困らせるような問題行動もゼロ
「寝返りができない」
だけでは単純に要介護5とはならないってことなんです。
【母の不満その②】
母:「一人で歩けない」から、、、
(要介護2は軽いのでは?とやや不満)
実際には「支えるものがなければ一人で歩けない」
なので、家の中も歩行器を使用して一人で歩いています。
歩行器を使用していればふらつきなく歩けるため、
家族の見守りもなく自由にスタスタ
【母の不満その3】
膀胱留置カテーテルについて。
母:「おしっこの管ついてる」のに、、、
(またもや、要介護2は軽いのでは?とやや不満)
当時90歳にして、尿量を把握し毎日手帳に書き込み、自分で尿破棄していました。
(現在はカテーテルは抜去しています)
排便ももちろん介助なく、一人でトイレで排泄しています。
となると、トイレの介助は一切されていない状況。
母の不満②と③に関して、介護にかかる手間はほぼ無い状態!!
(本当はゼロと言いたいくらいですが、一緒に住んでいる家族を考えて言葉を選びました)
実際に調査員をしていた私から見ても、
要介護2は妥当だと思いました
このように、調査の視点と家族の認識にはズレがあることもしばしば。
なので、介護認定調査の判断基準を家族に説明することも大切ですね
ちなにみ私の母に説明したところ、、、
『へぇ〜そーなんだ』とまだ不満ありげでしたが 笑
さらにもう一つ付け加えれば、
車椅子だからといって
介護度が重くならないのと一緒で、
逆にスタスタ歩けるけど介護度が重い
という方もいます。
認知症で徘徊や異食行為がある…などという方。
このような方は常に目が離せないため、介護にかかる手間が多い
ということになり、介護度が重くなる傾向にあります。
本人の状態と「介護の手間」は比例するとは限らない
ってことですね
調査員として、本人の状態を見ることも大切ですが
介護者の介護にかかる手間
をいかに聞き取れるかも大切なことだと思います