札幌シネマフロンティアのスクリーン11にて鑑賞。

観客は30人ほどいました。

このシアターは座席数が92席(映画館サイトより)なので、3分の1の入りです。

結構混んでましたね。

 


 
元々本作については全くノーマークでして。
観る前日にやっていた「王様のブランチ」の映画コーナーで、初めて存在を知ったくらい。
最初は興味が薄かったものの、映画コメンテーターのLilicoさんによる本作についての熱弁を聞いているうちに、「なんだか面白そうニコニコ」と思って観に行くことにしたのです。
 
それにしても、「情報を仕入れて翌日にパッと観に行く」なんて。
こういうの久しぶりかもしれない。
普段は観たい作品はもっと前からマークしておきます。
なんとなく、新聞紙で上映スケジュールをチェックしていた昔を思い出しました。
 

 

 ハロルド・フライのまさかの旅立ち( The Unlikely Pilgrimage of Harold Fry )

公開日:2024年6月7日

ジャンル:ドラマ

上映時間:108分

 

 

「伝えてください

"ハロルド・フライが会いに行く"と」

 

 

  (観た感じの)あらすじ

 

イギリス人ハロルド・フライは定年退職し、妻と静かに暮らすおじいちゃん。

そんなある日、遠方に住むかつての仕事の同僚から一通の手紙が届く。

どうやらその人は病に侵され、余命がもう短いそうだ。

ハロルド・フライはコンビニ店員からある助言を受け、イギリスを横断するほどの距離を歩いて会いに行くことを決心する―。

 

 

  感想

 

まあまあという感じ。

つまらなくはなかったけど、心を動かされたわけでもなかったかな。

☆3/5くらい。

 

おじいちゃんがただ歩くだけの映画と思いきや、その過程で彼の過去が段々と明らかになるという話。

ありきたりな展開ではあると思うけど、少々ぶっ飛んでる映画だった気がする。

 

 

  道中で出会う人々について

 

ハロルド・フライは最初たった一人で800㎞の道を歩き始めるわけですが、予告編でもある通り途中で多くの人に出会います。

野良犬家出少年謎の応援団など。

犬と少年についてはなんとなく登場する意味が分かったんですけど、応援団のみなさんは結局なにがしたかったのか分からなかったです。

「一人でがんばる人を応援する」という「フォレスト・ガンプ」的な理由なのか、「テレビやネットで騒がれているからその波に乗ったろ」という現代の流行を表現しているのか。

 

この一行は途中であっけなく離散するわけで、余計に不思議でしたね。

最初はおじいちゃんの幻覚なのかと思いましたよ。

 

 

  会いに行く理由が…

 

800㎞離れたところに住む昔の同僚。

彼女に会うため散々おじいちゃんが痛んでいく様子を僕らは見せられるわけですが、その理由が「え、そんな理由で?」と思ってしまいました。

てっきり「実は認知症でした」とか「息子でした」みたいなどんでん返し要素を期待していたため、息子などを取り巻く原因の規模が小さすぎてビックリ。

 

もちろん、商品をひっくり返すのは悪いことだし、そのおかげでああなっちゃったなら申し訳ないと思うのは当然だけれども。

 

ただ、それに対して彼女はどう感じているのか扱われていなかった気がする。

怒ってはいないようでした。

最後はキラキラ見て嬉しそうにしてたし、オッケーということにしておこう。(テキト―)

 

 

  奥さんの描き方は面白い

 

この映画の尺のほとんどはおじいちゃんが歩く映像な訳ですが、ところどころにハロルド・フライの奥さんが右往左往する様子が差し込まれていて。

急に「遠くまで歩いて行く( `ー´)ノ」と言い家を出て行った夫に対して、呆れと心配の両方で落ち着かないようでした。

 

この映画のテーマには奥さんの内面も扱われていているんですよね。

息子の一件以前については触れられていなかったような気がしますが、とにかく夫との生活には不満を感じていたということが分かりました。

近所の人との会話シーンでは「夫とは仮面夫婦状態」なんていうセリフもありました。

 

夫の行動に呆れていた半面、内心では旅を羨ましく思っていたらしく。

年を重ねた夫婦の色々な思いが彼女にはあるようです。

 

最後に二人は幸せなキスをして終了。

夫婦仲についてはハッピーエンドでした。

 

 


 

以外にも暗い映画で驚きましたね。

「人生最後に大冒険!」的な軽い内容と思いきや、「許しの旅」という重い内容だったという。

 

映画が進むにつれて、「ハロルド・フライはなぜ歩くのか」を明らかにする構成は良かったと思う。

正直、彼が息子を引き留めようとするシーンにはウルッときてしまいました。

 

こういう後悔はしたくない。

でも、「人間生きてりゃ、石鹸で落ちない汚れってもんがどうしてもついてくる」んだよなぁ。