情報の伝え方
手術前夜、入院する人向けの解説書に、
「0:00~ 食べられません。
8:00~ 飲み物も飲めません」
と書き込んだ看護師さんに、
「しまった。ごめんなさい」と
言われました。
そこに、何も間違いはありません。
聞くと、
「~0:00 食べられます。
~8:00 飲み物が飲めます」
と書いたほうが、
気持ち的に少しでもしんどさが緩和されたはず、
だから失敗だと、後悔されていました。
素敵なセンスだ!と思いました。
一方で、何かを相談した際に、
いくつか提案をしてくれるのはいいのですが、
「先生の許可を取ってからになりますけど」
と必ず付ける看護師さんがいます。
先生の許可を取ることは、彼女にとって
面倒くさいことのように感じられ、
また「許可が出ない時もありますよ」という
含みも感じさせられます。
なので、ついつい
彼女が面倒くさくなくて済むほう、
許可を取らなくてもできる方法を選びがちです。
自分にとってベストの選択かどうかはともかく。
無意識の情報操作だと思います。
「情報をより気持ちよく伝えること」と
「情報を平等に伝えること」を
ふたりの看護師さんから、
多いに考えさせられました。
境界線
向かいの患者さんが元気だ。
手術は30日だというから、
それまでは自由に歩き回り、
好きなだけごはんを食べることができる。
朝5時に起床し、カーテンを開ける。
眩しい光が病室にさす。
洗面した後、待合室で富士山を見ながら
体操しているそうだ。
そして、いつも、どれだけキレイに
完食したかを話している。
いつも、息子の話もしている。
音楽家の自慢の息子は、
「自由の利かない自由業なのだ」と。
いつも、階段が好きだという話もしている。
1階から4階まで
毎日昇り降りをするそうだ。
我が病室で一番元気だ。
子宮ガンなのだそうだ。
我が病室で一番重い病気の彼女は、
自由の利かない私に言う。
「がんばれ! がんばれ!
もう直る、もう直る」
「元気」と「病気」の境界線は
いったいどこにあるのだろう。
