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神帰月のできごと⑥

 

色々と個性的な人々右矢印登場人物紹介

 

 

通夜を無事?に終えることができました。

事故のことが新聞やネットニュースにもなっていたため、思いの外、たくさんの方が弔問に訪れてくださいました。

 

翌朝、11時からの告別式を前に、私たちは8時に斎場に行きました。

 

私たちが早く斎場に行ったのは、お盛物(生花など葬儀社に依頼したものではなく、他の店舗などにお願いしたもの)を誰が上げて下さったのかを確認するためでもありました。

 

…骨になる前の父に会える最後の時間だったのもありますが。

 

 

母と弟たちがお盛物をメモしている横で、私は当麻や蘭花と父の顔を見ることができるのは今だけだから…と棺の前にいました。

 

そういえば…父に触れていなかったな

と思った私でしたが…冷たくなった父に触れるのが怖くて、ずっと眺めていました。

 

すると、斎場に誰かが入ってきた気配がしました。

…遥希と義両親でした。

 

遥希には

「11時からの式に間に合うように来てください」

と話していましたが、義母曰く

「だって、ホテルにいても何もないからつまらない」

だそうです。

 

…まぁそうかもしれないけど汗

9時に来てもらっても、待合室で待ってもらうくらいしかできなくて申し訳なかったのですが…仕方ありません。

 

待合室で…と声を掛けましたが、遥希は父の姿を見たり、義両親は祭壇を見て回ったりしていました。

 

義父が

「この人はお父さんの兄弟?」

と叔母の名前が書いてある生花を見て聞いてきたので、

「はい。父の妹です」

と答えると

「お父さんの御兄弟は全員御存命なの?」

とさらに聞いてきました。

 

父は6人姉弟の4番目で、一番下の叔母は2年前に亡くなっていました。

なので、

「叔母がひとり亡くなっていますが…」

と話すと、母が

「そういう話は今ここでするな!今、大事なことを書き留めているんだから!!」
と怒鳴ったのです。
 
まぁ…余計なことを言ったのは私なので、
「あ、ごめん!」
と謝ったのですが、それが義父の気分を害してしまったようです。
 
母も冷静になると、怒鳴って悪かったと感じたのか、一通り書き留めると
「お義父さんたちにコーヒーでも飲んでもらおうか」
と自販機に行き飲み物を購入し、私たちは待合室に向かいました。
 
しかし、そこには義両親の姿はなく、式場にはひとり座る遥希がいました。
 
「遥希、お義父さんたちは?」
と聞くと
「お母さんに怒鳴られたから出て行った!そこのコンビニのベンチにいる!!」
と怒っていました。
 
まぁ、突然怒鳴られて気分が悪いのは当たり前です。
なので、私がコンビニまでお詫びに行くことにしたのです。
 
まだ、ヘルニアも治っていないので杖を突きながらコンビニまで歩いていくと、義母がベンチにひとり座っていました。
私が歩いていくのをチラチラと薄笑いを浮かべながら見ている義母に少し嫌悪感を抱いたのですが、今回悪いのは私や母だし…と行ったのです。
 
私が近くまで行くと義母は
「お父さんならどっか行っちゃたわよ。私たち、来ない方が良かったわね!」
と言いました。
とにかく謝るしかないので頭を下げましたが…「来ない方が良かった」という言葉は先日の「葬式に出た方が良いの!?」という言葉を思い出してしまいました。
「で?この辺の最寄りの駅ってどこ?」
義母が尋ねてきました。
「このまま帰るわ。邪魔みたいだし」
「そんなこと思ってはいませんが…」
「だって、邪魔だから怒鳴ったんでしょ?」
 
その発想が、何とも短絡的というか…
 
確かに気分を害すような言い方をしたのはこちらなのですが…葬儀という非日常のできごとや精神状態のときに、いつものように周りの人に気を遣って…とかできないこともあるように思いました。
 
私も何だかちょっとイライラしてきてしまいました。
私はたった一人の父をきちんと見送ってあげたいだけでした。
それなのに…どうしてこんなときも『嫁』でなくてはならないのか…
 
他の親族の葬儀だったら、この人たちはこんな不貞腐れたことをするものなのか?
私や私の実家が相手だからじゃないのか?
 
そんな風に思えて仕方がなかったのです。
 
義母に謝罪していると、義父が戻ってきたので
「母がすみませんでした」
と義父にも謝罪しました。
すると、義父のほうは
「俺が余計なこと聞いちゃったせいだから」
と少し冷静になったのか、言ってくれましたが…
「帰るの、ここからじゃ大変みたいよ」
と義母が話すと、
「じゃあ、仕方ないか」
と言ったのです。
 
 
帰るなら帰れば良いよ!
という気持ちにもなりましたが、とりあえず「斎場に戻ってください」と話しておきました。
 
斎場に戻ると、母も義両親に謝罪しましたが
「雑談をするならこの待合室を使ってほしい」
と伝えました。
 
義父は私に言ったように「自分も余計なことを聞いたので…」と言いましたが、義母は納得できないようで20分くらい待合室で言い合いをしていました。
 
そんなことをしていると、親族も集まってきてしまい
「なに?どうしたの?」
と聞かれることになってしまいました。
「ナナヨがまた短気起こしたんだよ」
と大体の経緯を知っている叔父が言ってくれたので、何となく収まったような気がします。
 
 
義両親の機嫌が直れば、遥希も元通りになりました。
 
でも、おとなしく座っていられない義両親や遥希が姿を消すたびにハラハラしてしまいました。
 
遥希は蘭花や当麻にウザ絡みして煩わしいオジサンになっていたり、弟たちや私の同級生に絡みに行っていました。
 
義母は叔父夫婦に
「私の母の葬儀(もう13年前)は琴の演奏をCDで流して、音楽葬にしたんですよ音譜
と話していただけでした。
叔父夫婦が「蓮華とは高校卒業後くらいに会ったのが最後だった」と言うと
「あら?じゃあ、一番可愛いときに会ったのが最後なんですね爆  笑
と余計なことを言っていましたが…想定内です。
叔父も身内びいきの姪っ子バカなところがあるので、
「蓮華はウチの孫たちの中で一番可愛がられてきた娘なんで、特別です」
とか対抗していましたが…もう40代なので反対に恥ずかしいですガーン
 
義父は…
外で何やら写真を撮っていたようで。
「葬儀に来て何してるんだ?」
と後々、噂になっていたと後日聞きました。
 
風景…だと思うんですが…うーん
 
これは、実家の母や叔父・叔母から
「非常識!!ムキーッ
とかなり激怒案件でした。
 
 
 
次回は3月10日12時に更新予定です。
 
 
ここまで読んでくださり有難うございます。
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