注意神帰月のできごと①の続きです。気持ちの良い話ではありませんので、合わないな…という方はブラウザバックをお願い致します。

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我が家の変わった感性の人々右矢印登場人物紹介
 

 

実父が事故で急死。

でも、前日に電話で話したばかりなのに…と何となく実感できないまま、遥希の運転する車に乗っていた私。

 

そんな、何と例えて良いのかわからない気持ちだったので、昼食に買ったハンバーガーを普通に完食したり、車中では笑い話をしたり…そんな感じでした。

娘の蘭花も「トキオじぃじが死んだ」というのは分かっていても、何が起きたのか分かっていなかったでしょう。

 

遥希がそんな私たちの様子をどう思っていたのかわかりません。

 

 

自宅を出て、約3時間。

実家に到着した時、弟の智も息子の当麻とともに到着していました。

 
「何があったの?」
「さぁ?」
 
実家を離れた者同士、お互いに分からないことばかりでした。
 
 
母と、もう一人の弟・穣は病院から戻っていましたが、穣のほうは気落ちして何だか呆然としていました。
 
親戚だけでなく、田舎なので近所の家にも父のことを告げに行かなくちゃいけない。
そんな状態でした。
とりあえず、親戚に電話したり、近所に住む親戚のもとには直接伺って父のことを話しました。
(その間は蘭花と遥希のことは置き去りになってしまったことは悪かったな…と思います)
 
 
そして、葬儀を依頼した先から連絡があり、打ち合わせのために葬儀社に。
 
地元の葬儀社は、現在は私や智の同級生が社長として仕切っていますし、
菩提寺の副住職も同級生。
 
何だか、同級生との再会であっても複雑な気持ちでした。智にとっては親友ですし、更に複雑な気持ちだったのではないかと思います。
 
「こちらの用紙に参列者の一覧を書いてほしい」
と言われて、私が
 
母➡智(長男)➡穣(次男)➡私(長女)と名前を記入しました。
 
そして、そのあとに
遥希➡智の息子・当麻➡蘭花
と書き進めました。
 
「あと、お父さんの姉妹は?」
「もう参列できないって連絡があったから、従兄弟が参列するって」
「じゃあ、お母さんの兄妹は?」
「一番上の伯父以外は全員参列するって」
 
そんな会話をしながら名前と通夜や葬儀の出欠を記入していると…
 
遥希が
「ウチの親は!?」
と声を掛けてきました。
 
「あ、そうだね」
とすぐに義両親の名前を記入したのですが、それが気に入らなかったようです。
「孫や伯父さんたちよりもウチの親が先じゃん」
と不満だったようです。
 
「これはあくまでも喪主様のメモみたいなものですから…」
と葬儀社の方がフォローしてくださったのですが、途端に不機嫌になりました。
 
他人の前で揉めたくないし、何よりも父の葬儀を前に揉めたくありませんでした。
なので、
「ごめんなさい」
と私が失念していたことを素直に謝罪しました。
 
 
そして、喪主は?という話になりました。
もう成人して家庭を持っている男がいるわけですから、私たちは長男の智が喪主…そう考えていました。
 
すると。
 
「ウチがお祖母ちゃんの葬儀をしたときは母ちゃんが喪主で、俺が施主だったからそうしたら?」
と遥希が口をはさんできたのです。
 
「いや…この辺りは喪主も施主も同じ人だから…」
と母が話したのですが、葬儀社の方も
「最近は別って人もいますもんね…よく分かっていらしゃいますね」
と言うのです。
 
まぁ、実際は私もどうなのか分からないのですが…
私は嫁に出た身で、家を出ていますから、母や弟がしたいように父を送ってあげたら良いと思いました。
 
「良いわよ…喪主も施主も智で」
母はそう言ったのですが、遥希は引きませんでした。
葬儀社の方は、収拾が付かないと思ったのか
「じゃあ、喪主はお母さんで、施主は長男さんにしましょう!」
とまとめてしまい、そんな形になりました。
 
まだ、会場を飾る花のこと、棺、骨壺のことなど決めることは山積みですから、家族ならば喪主や施主が誰であっても同じですけどね。
 
 
「ご遺体が戻ったら、会場に泊まる人はいますか?」
と聞かれたので、家族は家に帰れば良いので必要ないと話しました。
 
…これがまた後々に火種になることに、私は気が付いていませんでした。
 
 
ひと通りの打ち合わせを終えて、
「ご遺体が戻るのがいつになるか分からないけど、お寺さんや火葬場(火葬場に関しては前以て云々はできないそうですが)、この会場は使えるようにしておくからね」
という葬儀社の会長にお任せすることになりました。
 
 
父の遺体は…まだ警察署でした。
 
 
 
次回は明日の午前10時に公開予定です。
 
 
ここまで読んでくださり有難うございます。
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