夫が時々働いているERで
ちょっとした騒ぎがあった
患者の家族がERのスタッフに
家にいくつも銃がある
それを取ってERに戻ってきて
ここにいる人たちを皆撃ってやると
啖呵を切ってERを飛び出していった
夜が明けて、安全のための緊急会議
なるものが開かれたらしいのだが
会議中、出席していた
アドミニストレーション職の一人が
「その人がERに患者として来るならば
他の患者と同じように取り扱うべきだ」
EMTALAという法律がある
(Emergency Medical Treatment
and Labor Act 1986)
病院は保険のあるなしに関わらず
そして持っている保険の種類にかかわらず
患者の状態に緊急性がないかスクリーニングされ
状態を安定させなければいけない
みたいな法律なのだが
病院は、とは言うが
現実的に見て、これはERのことで
要するに、来るものは拒めない
とりあえず全員診なきゃいけない
鼻詰まりとか、処方箋が切れたとか
常識で考えて緊急とか、救急とかに
あてはまらない状態で来る患者は沢山要る
EMTALAを作った人たちは
ERに来る患者の全員がドラマの様に
急病のみで来ると思っていたのだろうか
さっき、ここで銃をぶっ放すと
大声で宣言して人が
「私、患者なので入れて下さい。」
と現れたら、ハイ、どうぞ、と
ERへ入れないといけないのか?
アドミニ陣は
臨床で患者を診ることはないし
患者と直接接触することもない
この人たちのオフィスの場所は
患者から一番遠い所にあって
ERがある一階にはない
私たちは、暴力をせき止める壁ではない
保険の有無に関せず患者を診ることに
文句を言うER医は誰もいない
(文句を言う人がいるとすれば
それはアドミニの人間だろう)
COVIDがまだ、何だか良く分かっていない時も
私たちはドアを閉めず患者を診続けた
また、何か未知の病気が流行っても
同じようにERはドアを開けたままにする
それが私たちの責任と義務だと思っているから
でも、意図的に私たちをターゲットにした
悪意さえ受け入れることを強要されるのなら
私たちは使い捨ての貢物としか
考えられていないということだろう
(誰に、何に貢がされているか
それは、また別のトピックになる)
私が行くERの一つに、もう3年にも渡り
私の髪型と色にコメントを下さる
セキュリティー・スタッフの女性がいる
私とそれほど背丈が変わらない彼女
フレンドリーで話していて楽しいが
何か暴力沙汰があった際、正直言って
彼女に守ってもらえるとは思えない
(実はマーシャルアートの達人とか
そんな可能性もあり得ないわけじゃないけれど...)
自分の身は自分で守るしかない
