「レース場で仕事しませんか?」
サウス・カロライナでは
NASCAR レースが年二回開催されます
私が働いている病院の一箇所が
NASCAR 開催場で医療を提供する
契約をしているらしく
そのシフトをカバーするドクター1人が
緊急入院で来られなくなっちゃったらしい
NASCAR という名前は知っているけれど
カーレースなんて、TVで観たこともなし
(そもそもNASCARって何の略なんだ?と
ぐぐってみたら「全米ストックカーレース協会だった)
「大丈夫よ。楽しいわよ。
ゴルフカートに乗せて案内してあげる」
このレース場でのシフト歴10年の
同僚ER医がいるから安心かな
まずはレース場前で入場パスを受け取り
言われた通りゲートを通って会場内へ
医療を提供している小さな建物があって
そこでコーディネター役のナースに
出迎えてもらいました
イベント会場=テントで仕事
そう思い込んで、日焼け止めのスプレー
バッグに詰め込んで来たんだけど
テントもあるけれど(周りが全部囲ってある)、
そこではERのナース達が活躍
私が配属されたのはストレッチャーのベッドが
8個置いてある部屋で
(2~3室はレーサーのために常に確保)
ER医二人、アージェントケアで働く家庭医一人
ERから来ているナース数人
救急隊員数名で動かします
NASCAR 専属の医師(多分ER医)もいて
レーストラックの真横で待機
NASCAR 専属の神経科医が
事故ったレーサーの所へササッとやって来て
脳震盪の簡易検査をしていました
救急隊員は沢山会場内に配置されていて
8台の救急車で患者をひっきりなしに搬送
検査は血糖値を計るのと
心電図と取るしかできないし
投与できる薬も限られているので
ここでは無理、と判断した患者は
さっさと病院へ送ります
大部分の患者は熱中症と
(なんで、夏の暑いサウス・カロライナで
野外のイベント、やるんでしょうか?)
クルマが軽く事故ったレーサー達
(←事故後、身体検査を受けるのが義務付けられている
「軽く」って、車が大破しなかったという意味で
グルグル回って、煙がモクモク出てたけど...)
医療提供者用のパスを持っていると
結構色々な所にすんなり入れてくれます
レースカーの座席はこんなの
座席と言うより、コックピットだわ
これに収まるレーサー達は、皆スリムでした
事故った車に乗っているレーサーを
診るのが自分だと分っていると
さらにレースはスリリング(;^_^A
「何か持ってくるものある?」と
同僚に訊くと「耳栓」と言ってましたが
(救急隊員待機用の建物に大箱入りであったけど)
私達がいた建物は、2150kmのレーストラックの
すぐ横にある建物なので、室内でも物凄い音
患者が途絶えると、外に出て
レースカーが走るのを見学できました
だいたい30秒位くらいで、同じ車が目の前に戻って来て
これを計367ラップするそうです
スタート、ゴール地点は私達の建物と反対側で
感動のゴールの場面は見えませんでしたが
レース後の花火
このお祭りの雰囲気、好きだわ
NASCAR専属のナースから
「今日は来ていただいて有難うございます」と
こんなものを頂きました
医療関係者用のチャレンジ・コイン
こちらこそ、楽しかったです!
(大きな事故はなかったし
そもそも、私、災害に避けられる気のあるER医)
次のレースの際も、また来たいです!