話はドイツ・ハンブルクに戻ります
我が夫はドイツに全く興味がなく
娘がドイツに住んでいなければ
「ドイツ?一人で行ってくれば」みたいな人で
今回、ハンブルクへ行きことになった際も
飛行機のチケットとホテルの予約以外は
「僕がドイツでやりたいことは、娘に会うことと
どこかでのんびり座ってコーヒーを飲むことだけ
あとは、君が行きたいところに行こう」
そんな事を言っちゃったから
ツアーガイドブック、載っているものは全部制覇
みたいな、わたしのOCD気味旅程に付き合うことに
「あ、でも、ここは行ってみたい」
夫がもう一つ、と追加注文してきたのが
『ダイアログハウス』と言う名の体験型展示館
倉庫に使われていた美しい建物が並ぶ
スパイヒャーシュタットの近くにあります
目が見えなくて、視覚に頼らず生活する
それがどの様なことなのかを体験できる場所です
レーシック手術を20年前に受けるまでは
私はかなりの近眼で、裸眼では手のひらを
顔から10cm以下の距離まで持っていかないと
手相が見えないくらいでした
なので印象派の絵画以上に
何もかもがぼやけて見える世界は知っていましたが
全く光のない世界は初めて
幸い英語でのツアーに参加(要予約)できました
夫、息子、私の三人と、デンマークから来ていた
20代の青年のグループ
ツアーガイドは、30代の男性でした
この方は、脳腫瘍のため数週間で
全く視覚に問題がない状態から
全盲の状態になったのだそうです
ツアーには、光る物は一切持ち込み禁止
完全に光を遮断したいくつかの部屋を
杖と、ガイドさんの声を頼りに歩いていきます
公園、横断歩道、パブ、自宅の一部屋
真っ暗で、見えないことは分かっているのに
目を凝らして、目で探そうとしてしまいます
逆に、目をつむって音に集中する方が歩きやすい
視覚が使えないと、方向感覚もおかしくなって
まっすぐ歩いているつもりでも
実はグルグル回っていたり
一つ一つの部屋は、おそらくとても小さくて
皆同じ部屋にいるのに、自分が何処にいるのか
分からなくなったりもします
(すいません、私どこにいるのか分かりません!
というと、ガイドさんが助けに来てくれます)
パブで飲み物をオーダーしてお金を払うとき
どれがいくらのコインと見分けるかとか
(私はホットココアをオーダー)
見えないということが、非常に不都合で
大変だと分かっているつもりでいても
実際、見えないとはどういうことなのか
光がない世界とはどんなものなのか
短時間であれ、一部垣間見ることができる
貴重な体験でした
ハンブルクには、レンタルのスクーターが沢山
旅行者だけでなく、地元の人も使っているようです
このスクーター、使用後は指定された場所に
置いておくはずなのですが
結構そこら辺に、ポイ乗り捨て状態してあります
道の真ん中にデーンっと、乗り捨てていることもあり
これは、ダイアログのガイドさんによると
物凄い怖くて危険なのだそうです
ちゃんと指定場所に置きましょうね
スーパーのショッピング・カートも
放置しているのを見るとイラっと来るわ