クモ合戦 | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

毎週、研修医がカンファレンスに行く際

彼等が抜けた分、エクストラのアテンディングが

ERをカバーすることになる

 

先週は、私の番

 

朝7時からお昼までの5時間だが

数週間前から憂鬱だった

 

だって、同僚Mちゃん

「今度、一緒に仕事ですね」

 

Mちゃん、強烈に患者を引く「ブラック・クラウド(黒雲)」

ややこしい患者が来たり

患者がややこしい状態になったり

 

もう一人の黒雲、J君は内科系

Mちゃんは外傷系の患者を引きつける傾向があり

今回ご一緒するのは外傷用の部屋があるエリアでのシフト

 

その上、前日にはフェイスブックに

「娘も黒雲の運命を受け継いでいるみたいです

彼女を連れて行ったら、その前で

いきなり患者が低酸素状態になりました」

Mちゃんのシフトでない時でも

小さな娘さんを連れて

通りかかっただけで、患者の状態悪化...

 

私は逆に、ややこしい患者を引きにくい

「ホワイト・クラウド(白雲)」だが

Mちゃんの体質を食い止めることができるのか?

 

朝、6時50分にロッカー室のドアを開けると

すれ違いに、ナースが出て行って

「50歳のコードが来るのよ」

(コード=心肺停止で蘇生処置中)

ああ、Mちゃん、もう来てるんだ...

 

そして、ロッカーのカギを開けていると

救急隊からの連絡が

「60代男性、脳梗塞です

発症1時間前」

ああ、シフトが始まる前からコレだ...

 

ERに入ると、ニコニコしながら手を振るMちゃん

「コードは、私が受け持ちますからドキドキ

張り切りすぎるな、Mちゃん

シフトはまだ始まってもいない

その後の5時間のシフト

ある程度、私の白雲作用で緩和されたようです

私の患者が一人、多発性肋骨骨折で

ICU行きになったモノの

あとは、まあ、「荒れる」という程にはならずに済んで

 

12時過ぎに、カンファが終わった研修医達がやって来て

12時半から講義があったので

急いでERを抜け出したが

 

あとは、どんなことになるか、知らないぞ...

 

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