インターンからのレポート
「30代女性、既往歴なし
パーコセット*を2時間前に11錠飲んんだ
飲んだ理由は「眠りたかったから」
アルコール、ドラッグ使用は否定」
「30代女性、既往歴なし
パーコセット*を2時間前に11錠飲んんだ
飲んだ理由は「眠りたかったから」
アルコール、ドラッグ使用は否定」
(*パーコセット=アセトアミノフェンとオキシコドンの合剤
アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤
オキシコドンは麻薬性鎮痛剤)
アセトアミノフェンは解熱鎮痛剤
オキシコドンは麻薬性鎮痛剤)
「眠りたくて」薬を飲んだが、どの位眠りたかったのか
理由が今一はっきりせず
危険行為予防のため
常に誰かが目の前で見張っている1:1にした
警備員が危険物がないか、所持品をチェック
担当のナースがやって来て
「白い粉の入った小さな袋が二つと
クリスタルがバッグに入っていました」
チラッとモニターを見ると
心拍数120(正常60~100)で頻脈
心拍数120(正常60~100)で頻脈
私「...ふ~ん...で、どうしたい?」
インターン「アセトアミノフェンの血中濃度を測って...」
私「ホントにパーコセットだけだと思う?
って言うか、なんでパーコセットだと思うの?
既往歴ナシだったよね
じゃ、なんでパーコセットを持ってるの?」
(パーコセットは処方箋が必要な薬)
インターン「分かりません」
私「11錠って、ヘンな数字だと思わない?
なんで10錠とか切りの良い錠数じゃないんだろうね?」
パーコセットの過剰摂取だけで、心拍数は上がらない
逆に徐脈(心拍数が遅くなる)になり気味
インターン、そそくさと患者の診察室へ戻り
パタパタと音をたてて帰って来た
言い訳をして防御態勢に入る研修医もいる中
このインターンはインターン生活も終わりになる今でも素直だ
「道端で買ったらしいです」
処方箋麻薬性鎮痛薬の裏取引
保証も何もないのに、なんで買うかな使うかな
"How are you doing?"
眠そうな若い女性
朝4時のせいか、薬のせいか
それとも飲んでいないはずのお酒のせいか
話すとアルコール臭がする
パーコセットを買ったんですってね
どんな錠剤だった?何色だった?
「ピンクと、白と、青と...」
含まれるオキシコドンの用量によって
いくつか違った色のパーコセットはあるが
この辺りで路上で出回っているのは青い色の物
「多分ね、それ、パーコセットだけじゃないと思うよ
やめなさいよ、道端で薬を買うの
何を売りつけられるか分かったもんじゃないから」
一錠一錠数えて飲んだから、11錠と覚えている
買ったのはそれだけらしい
それにしてもおかしな数だわ
中途半端が嫌いな私なら絶対買わない錠数
11錠にいくら払ったの?
妥当な値段を払ったなら本物の可能性はあるかもしれない
でも、格安で買ったなら偽物の可能性大
いくら払ったか、覚えていない
「それと、今晩(今朝だけど)、お酒飲んでる?」
うなずく女性
「何飲んだの?」
「蒸留酒」
...結構飲みそうだな、この人
「毎日飲むの?」
再度うなずく
「あ、そういえば、バッグに白い粉が入った袋と
クリスタルが入ってたらしいけど...」
「それ、私のじゃないわ!
私、ドラッグはやらないもの」
誰もドラッグだって言ってないよ、まだ
多分、ヘロインとクラック・コカインだけど
「私、女友達が沢山いるのよ
彼女たちが私のバッグに色々突っ込むの
私のじゃないわよ」
計40~50ドル相当の商品を
友達のバッグに勝手に入れて帰るかなあ
話せば話す程、つじつまが合わなくなってくる
飲んでいるなら飲んでいるで良いし
ドラッグをやるならやるで構わない
でも、正直に言おうよ
Tell us what you need.
We are here to help.
私のルールその1は
「患者の言うことを信じるな」だと
笑いながら研修医に(時々患者にも)言い続けている
