ハンドメイド:クライク・モデル | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

患者が自分で呼吸ができない場合

口か鼻から気管にチューブを入れて

人工呼吸器に繋ぐことになりますが

 

口、鼻からチューブが入れることが出来ない場合は?

 

気管に直接穴を開け、そこからチューブを挿入

一般に知られているのは「気管切開」ですが

ERでは緊急性が高く、時間との戦いなので

気管切開より時間がかからない

輪状甲状軟骨間膜切開(cricothyrotomy)をやります

(長いので略してcric(クライク)と言います)

 

気道確保が必要な患者の中で

このcricが必要なのは0.7%という稀な状態

出来れば遭遇したくない状態

一生に一度、やらないで済むかもしれない手技ですが

やらないといけない事態が来るかもしれないし

事態が来ちゃったら、本を読んでおさらいして...

そんな悠長なことをしている時間はございません

 

どうやって準備しておくか?

 

(1)教科書を読む(見るのとやるのは違う)

(2)ビデオを見る(それでも、見るのとやるのは違う)

(3)動物で練習(ものすごくお金がかかります)

(4)マネキンで練習

 

(4)は(3)に較べる安くつきますが

それ用に作られて売られているマネキンって結構なお値段

 

こんな文献もあるし

A Homemade Model for Training in Cricothyrotomy

Varaday SS, Yentis SM, Clarke S.

Anaesthesia 2004 Oct,59(10):1012-5

 

作ってみました

青いチューブは吸入器に使うチューブ

シリコンとコーン・スターチを混ぜたもので

甲状軟骨と輪状甲状軟骨を作ります

動かない様+取り外し可能な様に粘度の土台に固定

ちょっとリアル感を出すために

コリアン・マーケットで買った豚肉のスライスを乗せます

これを手作り皮膚でカバー

 

皮膚はこれで作ります

グリセリンとゼラチン

水と混ぜて電子レンジでチンします

そしてさらに混ぜる

アクリル絵の具で着色して

クッキーシート等の上でお好みの薄さに伸ばし固めます

これは首の皮膚にしては分厚くなりすぎたので

何度か適度に薄いのを作り直しました

 

使用後の感想は明日(-^□^-)

 

 

 

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