バーンアウトの理由 | That's where we are

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the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

無料の医療情報サイトMedscape(登録が必要)
要領よくまとまっているリファレンスがあったり
無料のCMEがあったりで、よく使用しています

(CME=continuous medical education
知識をアップデートする目的で
決まった期間に決まった「単位」を取るのが
医師ライセンスや専門医資格維持に必要です
学会に行ったり、講習会に参加したり
多少ビジネス化してしまっているきらいもあり
これが結構お金がかかるのよ
1単位10ドルくらいからで
うちの州ではライセンス維持に2年で100単位必要)

先月、このMedscapeに載っていた
バイアスと燃え尽き症候群
「燃え尽き{バーンアウト)」の定義は
ボンヤリとしか定義されていないけれど
医師158,000人から取ったアンケートの結果でした

救急、集中治療、泌尿器科のにバーンアウトが多くみられ
それに家庭医学、内科、小児科の
プライマリー・ケアの三科が続き

皮膚科、眼科にバーンアウトが少なくのは
なんとなくわかる様な気がするけど
精神科に一番少ないというのは意外

精神科って患者のソーシャルな問題が
ものすごく関わってきそうで
それを毎日次々と聞かされると
私だったら1週間持たないと思う

5枚目のスライドにある「燃え尽きてしまう理由」
トップに上がったのが「事務的な仕事が多すぎる」

いくつか理由は挙げられているのですが
多くは直接的な患者のケア以外に関するもので
皆、自分が何故医師という仕事を選んだのか
はじめの志と、規律や制度に押さえつけられ
提供したい医療を提供できない現実の
ギャップにさいなまれている

病院の予約がなかなか取れない
待ち時間が長すぎる
診療時間が短すぎる

医者のせいだ、医者が儲けているにちがいない
そんな非難、愚痴を挙げた
ブログ、コメントをよく見かけます

本当に医者のせいだと思っているのでしょうか?

企業化されていく医療業界では
何でも数字に変換されてビジネス化され
患者は消費者・カスタマーとして認識されます

同時に、臨床医療に関わるものは
お金を生み出すための馬車馬になり
運営に口を出すチャンスはどんどん奪われて
経営陣の方針に疑問・異議を唱えると
チームの輪を乱すものとして扱われる

患者と医者の間にあまりにも沢山の
会議室でミーティングをしている人達がい過ぎて
規則やら規律やらを書いた紙が積みあがっていて
患者はは差し出された医者のの手を握ることができず
医者は手を伸ばしても患者の手を掴むことができない

どうすれば直に触れ合えるのか?

現状では糸口がどこにあるのか
途方に暮れるばかりです



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