Today's letter | That's where we are

That's where we are

the Church of Broken Pieces
(アメリカ救急医の独り言と二人言)

夜11時のシフト
午後3時から11時まで働いていたアテンディングから
彼が既に診た患者の申し送りを受ける

ここ数日、入院した患者数が増えたのか
ホリデーで入院病棟内での業務がスローで
退院患者数が減ったのか
一般病棟とテレメトリー(モニター付きベッド)は満床
入院患者がERで半日から1日以上過ごす羽目に

そんな中

ディービックリマークディー!!

電気を消した部屋から叫び声

フェンサイクリジン(PCP)を吸った女性
PCPは解離性麻薬剤の一つ
現実と幻覚がごっちゃになる様で
超人ハルク並みの怪力で暴れまくり
抑え込むのに何人もの警官や警備員が必要になる

既に少量の鎮静剤が投与されているので
うつらうつらしているものの
ちょっとした刺激で目を覚まし
「ディー!ディー!」と叫び出す

様子を見に行くと
両腕と足を抑制帯でベッドに固定された女性
私が部屋に入ってきたことに気が付くと
カッと目を見開き、がバッっと起き上がり
ニヤニヤしながら訳の分からないことを喋る

「ディーっていったい何ですかね?」

危険がない様にそばで見張っていたER技師に尋ねると

「一緒にPCPを吸っていたボーイフレンドのニックネームらしいですよ」

ダニエルのディー
(名前とアルファベットは適当に選ばせて頂きました)
ふぅん、ボーイフレンドか
よっぽど固執してるんだ

ディーは女性が何時間もERにいても
会いに来なかったけど

何度も何度も「ディー!」を繰り返し聞かされていると
昔、こんなのがどこかであったよなぁ...



子供が小さいころ見ていたセサミストリート


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