ご訪問ありがとうございます
ここまでの内容で
1.簡単なイラストをオートで刺繍にする、
2.図形描画機能を使って刺繍を作る、
3.下絵をトレース(なぞって)して刺繍をつくる、
更に、
4.テキストを入力して文字刺繍をつくる
等、少し刺繍データをつくるという作業に慣れて頂いたと思います。
作った後は実際にミシンで縫うという作業に移ります。
私も自分で作ったデータをミシンで刺しゅうすることがありますが、刺繍データは縫ってみないと実際の出来はわからない、という
現実があります
きちんと作ったつもりでも、隙間があいてしまったり、糸密度がきつすぎて、固くなってしまったり、渡り糸が多すぎて後がたいへんだったり。
そういったことも含めて、試行錯誤できるのも自分でデータを作る楽しみの一つだと考えています。
買ったデータは確かに手軽ですが、自分で作ったデータには愛着感といった意味ではかないません。
そういう意味でも是非ご自分だけの刺繍データを作ってもらえたらうれしいです。
さて、今回は、渡り糸の話です。
渡り糸というのは、同じ色の糸で刺繍をしている際に、離れた場所移動する際に出てくる糸のことです。
渡り糸が少なく作れれば最後の仕上げも楽ですし、どんなにきれいに切っても、糸の切れ端が見えてしまうと仕上がりが美しく見えません。
なるべく渡り糸を出さずに済むようにデータを作っていければ一石二鳥です。
初心者講座の内容に入れるか迷ったのですが、やはり渡り糸問題は避けては通れないので、あえてここで持ってきました。
サンプルです。
開いた線で描画して、小さいテキストをいれました。
一見よさそうですが、ステッチの表示にしてみます。
表示モードは表示タブ内にあります。右のリアルにすると、実際のイメージに近い表示になります。
ステッチ表示は、データの針落ち位置を表示出来て、針落ちポイントを移動、削除、または追加することで編集できます。
塗りつぶし表示は、刺繍を塗りつぶした状態で表示します。
真ん中のステッチのボタンを選んでください。
ステッチが表示されて、渡り糸も出てきましたね。
この点線の部分が渡り糸、または送り糸といわれるものです。
ところで、刺繍をミシンが縫うときに縫いはじめの位置が決まっていると思います。
この位置って、どうやって決まっているのでしょうか?
じつは、描画を始めた場所が縫いはじめになって、最後に描画が終わったところが縫い終わりの位置になります。
なので、四角を描画するとき、最初に決めたポイントが始まりになるんです。
といっても、描画の時に、針落ち位置を意識して作ると、デザインを作りにくくなってしまいます。
(試しにいつもと違う描き順で四角を描いてみてください)
その縫いはじめと縫い終わりを描画した後で確認、変更できるようにするには
選択ツールを一番右に切り替えてください。
黒いハンドルが現れました。
矢印が黒いポイントに向いている方が、縫い始まりです。
外に矢印が向いているのが縫い終わりです。
この図は右のポイントから縫い始まり、最後に左のポイントで終わっています。
この位置を変更するには、
黒いポイントをクリックしたまま、線上でなぞるように動かし(ドラッグして動かし)ます。
2つのポイントを動かしてみました。
カップの持ち手は別データになっているので、ここに移動すれば渡り糸をなくせます。
動き方はこんな感じです。1から始まります。
一旦走り縫いで進んで(5)、奥から(6)サテン縫いで帰ってきています。
こうすると、そのまま続けて持ちて部分を縫うことが出来て、ピンクの糸(カップの刺繍)は渡り糸が出ないようになりました。
こんな風に渡り糸や送り糸が出てしまったら、なるべく次の縫う箇所の近くに、「縫い終わり」を移動させて、渡り糸を目立たなくさせます。
そうすると切らずに済みます
またどうしても渡り糸が出てしまう場合、あまり短くても鋏が入らず切りづらいので、わざと離して、切るときに楽なようにする場合もあります。
ところで、渡り糸を自動でカットしてくれるミシンをお持ちの方もいらっしゃると思います。
うちのミシンも自動糸切り装置がついているのですが、刺繍の糸替えの時には自動糸切りは使わないようにしています。
確かに便利なのですが、下糸をいちいち切ってしまうので、裏側の糸が汚くなってしまうことがあります。
どっちにしても糸を替える作業があるので、色糸は自分で切るようにしています。
話がそれましたが、渡り糸を減らしてくれるメニューがあります。
縫い始終点の最適化ボタンです。
一旦このボタンを実行して、アプリケーションに最適化してもらいます。
渡り糸がたくさん出ないように編集されました。
縫い順を入れ替えて、
例えば同じ色のデータなら上からとか、下からとか、なるべく近いところを縫っていくように変更し、
その段階で、縫い始終点を最適化し、それでも修正が必要なら、縫い始終点の最適化ボタンをオフにして手作業で修正してみてください。
ちょっとわかりにくい内容だったかもしれませんが、
実際に刺しゅうにした時に、必ず一度はあたる壁なので、ここで説明しました。
体験版でデータ作成のみしかされてない方も、覚えておかれるとよいでしょう。
以上、渡り糸と縫い始終点の設定の話でした~