命は大事です。健康第一です。もちろんです。
でも、突然出ていけと言われて、生活を変えろと言われて、
そしてそれは命の為、健康の為だと言われて。
不謹慎な表現だけど僕だったらきっとこう思う。
え、そんなの面倒くさい。
ましてやそれが、目にも見えない、臭いもしない、かろうじて数字としては認識できる、
でも実際あるんだかないんだかよく分からない、不気味なチカラのせいだった場合には特に。
日本人の多くが、日本のヤバさを知らずに生活している。
上の動画しかり、他然り、いろんな人が声高にそう叫んでいる。
マスコミに嘘を教えられ、誰かのうわさ話を信じて、デマに踊らされ。
日本国民は無知だ、盲だ、バカだ。
このままじゃ国が滅びてしまうってことを、彼ら自身が知らない!と。
でも、本当にそうなのか?
僕はそんな風には思わない。
日本人はそこまでバカじゃないと思う。
実際には、事実を見ることがしんどくなったんじゃないかな。
本当はどういう状態なのか、自ら動いて調べることが、面倒になったんじゃないかな。
国民は東電なんてまるで信用していない。政府のことだって信用していない。
でも本気で海外に逃げようとは思わない。だって、それには大変な労力がいるから。
要するに、「事実」にうんざりしているのだ。
それが「本物の事実」なのか、「偽物の事実」なのか、
ああでもないこうでもないと議論し、結局答えがわからず、
危険を叫べば危険厨、安全だといえば安全厨だとバカにされ、
最も頭のいい科学者と、最も原発に詳しい教授の意見が食い違い、
安全基準はコロコロと代わり、ああもう、なんだよと。
うんざりなんだ、「事実」なんて。
……
……
日本人の多くは、日本がヤバい状態かもしれないって、分かってる。
でも毎日仕事がある、生活がある、お金がかかる、英語だって話せない。
できれば全部間違いでした、放射能なんてありませんでした、で終わって欲しい。
見て見ぬふり?いやもっと露骨。見てて何もしない。できない。
……
……
命は大事です。健康第一です。もちろんです。
でも何が何だか、もう、考えるのがしんどいんです。
安全厨も危険厨もウンザリです。
正しい判断?え、それどっち側から見た時の話?
結局、どうすればいいのか分からない。
情けない意見だと笑われてもいいや。
でも実際、何が本当だか分からないんだ。
何事も疑ってかからないと、と思っていたら、
何事も信じられなくなっちゃった。
どうすんだよこれ。
どうすんだよ。
春日武彦と平山夢明の対談本に書いてあったよ。
「狂気は、面倒くささから始まるんです」って。
あーくそ。