ゲバラは銃殺される直前、自分に向けて銃をかまえる兵士に向かってこう言ったそうだ。「恐れるな!撃て!」。
ゲバラさんがどういう気持ちでそう叫んだのかは知らんが、言われた兵士はどう思ったんだろうか。パッと、靄の晴れるような快感を覚えたんじゃないかと勝手に想像する。そしてたぶん、その後に見たのだ。それまで霧が上手に隠してくれていた、具体的で、残酷で、滑稽な「現実」というものを。
さて言うぜ。言ってしまうぜ。いまのぼくはぼくに向かって言ってしまうぜ。「恐れるな!書け!」と。もう一回言うぜ、「恐れるな!書け!」そして霧を晴らし、具体的で、残酷で、滑稽な現実と向きあおう。ひとまず、それを目指すんだ。
ニーチェは言った。「好奇心に振り回されてはならない」。ビアスは言った。「達成とは、嫌悪の誕生である」。岡本太郎は言った。「逃げない、はればれと立ち向かう」。ジョブズは言った。「今日が人生最後の日だ」。
ゲバラは言った。「恐れるな!撃て!」
そしてぼくは涙目で言うのだ。「恐れるな!書け!」
革命戦争回顧録 (中公文庫)/チェ・ゲバラ
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