ファッションとアートの違い |   EMA THE FROG

  EMA THE FROG

    roukodama blog

いわゆるファッション雑誌というのが好きで、コンビニ等で衝動的に買ってしまうことが時々ある。ここ1か月は特にその衝動がひどくて、SMART・SAMURAI・GO OUTというお馴染みの3誌に加え、VOGUEのメンズ誌があるというのをm-floのvervalのブログを見ていた嫁から教えてもらい、さすがにヴォーグはコンビニでには売っていないので、仕事帰りにわざわざそごうの書店まで出かけて行って、それも買ってしまった。

染屋の着物は白い、じゃないけれど、そんなに熱心にファッション雑誌を読んでいる僕なのに、実際にはあまり服を買わない。かといって、「お酒は飲まないけど飲み会の雰囲気が好きなの」的な、洋服を眺めているだけで満足、というわけでもない。

僕はやっぱり、欲しくなるような洋服、ぜひ着てみたいと思わせるような洋服を探すことを目的に、せっせとファッション雑誌を買う。結果としてほとんど購入することがないのは、単にそこまで魅力的な洋服が見つからないという事と、あるいはそれが見つかっても、まるで現実味のない値段であることが多い、という事が理由である。

だいたいね、いくら冬物だからといって、50万円のジャケットなんて、誰が買うというんだい。家のクローゼットには、その100分の1くらいの値段だった、ほかほかあったかいユニクロのダウンなんかも仕舞ってあるんだ。

だいたいね、いくら格好よいからといって、50万円もしちゃ、夢見ることすらできやしない。それが例えば3万8000円なら、僕はそれを着てご満悦になる自分の姿を想像もできよう。たぶん買わないなあと思いつつ、もしかしたら僕は買ってしまうかもしれないぞ、と、むずがゆいハラハラ感を楽しむこともできよう。

…でも50万円じゃね。ハッ。門前払いもいいとこだよ。いや、門番がわざわざ僕の家まで訪ねてきて「あなた私らの家には入れませんよ」と、なぜか若干戸惑った表情で言われたような気分だ。

あのねえ、別に行く気ないんだよ、こちとら。いや、少しはちょっといいかなあって思ったけど、別にわざわざ来てくんなくたっていいんだよ。だいたいなんで、そっちが気まずそうにしてるわけ。気まずいのは僕の方だよ。

…とかなんとか、別に何が言いたいわけではないのだけど、とにかくあれです。ヴォーグね、ヴォーグオム。オシャレに過ぎて僕には全部ちょうダサダサに見えました。斬新なスタイル、という表現では全然足りない、この恰好で町を歩いたら職質されるんじゃないかと疑ってしまうような、まるで自分との関連性を見つけられない、変態的なお洋服ばかりが載っていました。あんなん誰が着るんだよ…。

「ヴォーグは僕には理解できなかったよ」と嫁に言ったら、「ハイファッションっていうのはそういうものよ」とあっさり返されました。「アートよね、あそこまでくると」「そうか、ヴォーグっていうのはアート雑誌なんだね」

アート雑誌としてみれば、なるほど確かに面白い雑誌でした。