今回から、1記事1マンガにしようと思います。

短くまとめる能力が無くてマジスンマッセン💧



■第一弾:週マ編1

 


■第二弾:週マ編2

 



今回の第三弾から「別マ編:小長井編集長時代」でございます。
小長井編集長については私がクドクド書くより、この篇を参考いただきたい。



マンガや小説は編集が作家を育てるという側面があり、その結びつきは大きく、編集者が転職したら作家も編集に付いて他社に移籍するってのは良くあることです。


小長井編集長はその辣腕で数多くのマンガ家を育て、別マ黄金期を築いた後、そのメンツをほぼ全員引き連れて白泉社を立ち上げ、花とゆめ&LaLaを創刊しました。
ので、小長井編集長時代の別マとそれ以降では、作家陣も掲載される作品の作風も、かなり異なっています。


今回は、小長井編集長時代(ギリギリ?)の別マがテーマ。手っ取り早く言うと美内すずえや和田慎二が別マで描いてた頃です。小長井編集長後っつーのは、槇村さとるとか、くらもちふさことか、その時代。
ああ前提だけでまた長くてスンマッセン。


で。
私が別マを知ったのは、子どもの頃通ってた歯医者の待合室でした。
そのとき読んだ作品がずーーーっと記憶にあったのですが、待合室で読んだだけだったので、作者も作品名も全く覚えていなかったのです。それが



柴田昌弘「赤い牙 狼少女ラン」


『紅い牙』(あかいきば)は柴田昌弘の漫画。
古代超人類の血を引く超能力少女・小松崎ランと悪の秘密結社・タロンの戦いを描いた作品。
(Wikiより)


古代超人類といい秘密結社といい、またしても中二ワード満載です。いやでも面白かったんですよ!!


主人公小松崎ランは5歳まで狼に育てられたという設定で、かつ、超能力を有した古代超人類の遺伝子を持つ、人工的に作り出された超生命体だった。
設定盛り過ぎだ柴田昌弘。


しかも超人類の力に目覚めるとビジュアルも変わるという更なる盛り設定。
和田慎二のアシスタントをしていたこともあって、この頃の絵柄は似てますね。


主人公の父親が過去、悪の秘密結社の科学者で、超人類の力を現代に蘇らせる実験を行っていた。彼は徐々に自らの所業の悪に気づき、唯一成功した超人類の能力を持つランとともに秘密結社を裏切り逃亡する。


しかし、彼の過去を知る女がランの高校の教師として偶然転任し、ランの能力を我が物にしようと画策。ランと父親は追い詰められ…みたいなサスペンス展開でした。


正直こんなテイストのマンガはチャンピオンにも週マにも載ってなくて、面白れエエエ!!!と夢中になって読みました。
歯医者で治療が怖くなかったのはあの時が最初で最後ですね。早く削れ!!続き読みてー!!!まあそういう心境でした。歯医者の治療が始まるまでに読み終わらなかったので、治療終わった後読み終わるまで待合室に居座ったという。



しかし歯医者さんの本を盗むわけにも行かず、その後親の転勤でその歯医者さんに行くことは無くなり、私の中であのマンガ面白かったけど誰のマンガだったんだっけ…? と記憶の彼方に。
その後パタリロ経由で花とゆめを購読するようになる頃、「ブルーソネット」でランに再会するわけです。

ランをメジャーにした花とゆめ初連載作。


「ブルーソネット」の前に何作かシリーズがあったんですね。なかなか単行本化されなくて、ブルーソネットで当たってから、別マ時代の作品が一気に単行本になった記憶があります。






柴田昌弘はこの頃「盗まれたハネムーン」「タイタニック'80」「海底土人8823」など、SFサスペンスの傑作短編を次々に発表していて、満を持してのランの連載スタートでした。
「ブルーソネット」見たとき、ホント「ああああああ!!」って叫びましたよ。これだよこれ!!あの時面白かったやつ!!!!



私はずっと、和田慎二の「超少女明日香」を記憶違いで覚えてたのかなあと誤解しておりました。設定ちょっと似てるよね。
柴田昌弘曰く、中学のときから考えていた設定ということです。まあ中二なら誰でも古代超人類とか超能力とか古代一族とか変身とか思いついてウットリする年頃なので、和田慎二も柴田昌弘も良いカンジの中二時代を過ごしたんだなっていう。



コラボ作品もありました。
右が変身前、左が変身後。



どちらの作品も好きなんですが、「赤い牙」のほうに惹かれるのは、悲恋だからなんです。明日香は坊ちゃまが居るけど、ランはな…愛してた男性に死なれるどころか裏切りに近い形で彼を喪うという……あんまり描くとネタバレになっちゃうんですが、ブルーソネットのラスト近くの展開は、未だに納得できないんですわ。
ランが切なすぎてねえ。



ちゃんと少女マンガしてるんですよ。


という別マ初体験の話。

子どもの頃は小長井編集長の経緯とか一切知りませんから、「赤い牙」から相当経って別マ読んだら全然違う作風の雑誌になっててたまげたのも、今では良い思い出です。


そんで「赤い牙」
古代超人類とかエスパーとか秘密結社とか結構好きで、SFサスペンスにも興味持てるかたにはオススメです。
少女マンガなんでちゃんと恋愛もあって、なかなかに読ませてくれます。
柴田昌弘は、後期はちょっとエログロが強くなっちゃうんですが、少女誌に掲載されていた初期~中期の作品は、アイデアが光っててホント面白い。


「ブルーソネット」も、結構グロい展開が待ち構えているので、赤い牙シリーズはマーガレット版から徐々に試し読みするのが吉。
「赤い牙」「ヤツメウナギ」というサジェスチョンが出ても、決してググッてはいけません。
お姉さんとの約束だよ!!(誰だよ)




まだまだ続くよ別マネタ。