今回はちょっと趣向を変えて、50過ぎたBBAがどんなマンガを読んで来たかを書こうと思います。
第一弾、週刊マーガレット編(第二第三もあるらしいよ)。
こちらの記事 に書いたのですが、私のマンガ歴は週刊少年チャンピオンから始まっています。
週刊チャンピオンと週刊マーガレットが家にあって、最初は両方見たんだろうけど、単純に当時のチャンピオンのほうが面白かったんだと思う。
当時70年代半ば、週刊少年チャンピオンは黄金期でした。
手塚治虫:ブラックジャック
水島新司:ドカベン
藤子不二雄:魔太郎がくる!
山上たつひこ:がきデカ
古賀新一:エコエコアザラク
石井いさみ:750ライダー
そして
鴨川つばめ:マカロニほうれん荘
男を魅了! って書いてあるけど女子も魅了したよ。
ドカベンも750ライダーも後期はグダグダになっていったりもしますが、この頃はふつうに面白かったんだよね。
しかし私はドカベンよりがきデカより、マカロニほうれん荘が好きだった。
ここでマカロニほうれん荘を語り出すと、わが青春の少年マンガになっちゃうので置いといて(別で語ります)
週刊マーガレットは、これも過去記事の通り、最初に読んだのはオル窓第一部最終回が掲載された号でした。
これよりちょっと後。懐かしいなー。
※画像はまんだらけHPよりお借りしました。
しかし週マ
オル窓が連載されていた頃は面白かったんだけど、連載終了後は編集方針が変わっちゃって
オル窓くらいまでは、
恋愛+仕事(柴田あや子や菊川近子)とか
恋愛+スポーツ(志賀公江とか山本鈴美香)とか
恋愛+歴史(池田理代子、山本鈴美香、木原としえ)とか
恋愛は物語の一要素であって、その他の要素が主軸のマンガが多かったんですが、
オル窓が終わると塩森恵子とかが主力作家になっちゃうんですよねー。
恋愛メインのマンガが多く連載されるようになった。
しかし私は恋愛メインのマンガには1ミリも興味が湧かない性質で、週マには興味が無くなり、むしろ単行本で、ベルばらと同時期に連載されてたマンガへ遡るようになってしまいました。
そんなBBAの週マ作品ベスト5。
※ベルばらとオル窓除く
週マから一瞬別マ(和田慎二や美内すずえ、柴田昌弘がいたころの)→その後彼らが移籍した花ゆめに速攻行ってしまったので、実は週マ作品って意外と知らなかったりする
■天まであがれ!
LaLaで大変お世話になった木原敏江(通称ドジさま←これ分かる人いるだろうか)
元々は週マの人でした。
新撰組モノです。沖田総司が主人公。
試衛館から江戸を出て新選組を立ち上げ、芹沢鴨との対立を経て上京。京都で壬生狼とそしりを受けながらも武士としての使命を全うし、最後は賊軍として追われるようになる、その最後までを描いた作品です。
総司を慕う、こよりという少女、土方を慕う蓉姫との恋物語、こよりの出生の秘密や彼女の兄と新撰組との因縁、といったフィクションも取り入れつつ、当時の少女マンガにしては驚くべき正確さで幕末や新選組を描いています。
「燃えよ剣」がベースなんですが、幕末について作者はかなり勉強している。ネットどころか歴史書も少ない時代にすげえと思う。池田理代子もそうだけど。
こよりと総司。
でっかいお目々がザ・少女マンガ。
しかし内容は結構シビア。
ちなみに和田慎二も新選組を描きたくて、「あさぎ色の伝説」の構想を練っていたものの、「天まであがれ!」が描かれてしまい一読してこれは敵わないと、一時執筆を断念したのは有名な話。
フィクション部分に無理はありますが、小学生が新選組マンガとして読むには充分な内容で、マンガ読んで最後泣いたのはこの作品が初めてでした。
墓碑銘は青春という……で締めくくられるこの物語は歴史モノであり、恋愛モノであり、青春群像劇の名作であります。
新選組のガチファンには有り得ないといわれるかもしれないが、私にとっての新選組マンガは永遠に「天まであがれ!」がナンバー1です。
■七つの黄金郷
エースをねらえ!で一世を風靡したのち、新興宗教の教祖になって失踪した山本鈴美香の歴史モノ。
但し未完です。
16世紀のイギリスを舞台に、名門公爵家の双子オリヴィエとエロールの主にオリヴィエを軸に、インカ王国の黄金伝説、オリヴィエとアーサー伯爵との恋愛、ローマのロレンツォ公爵のオリヴィエへの恋慕などを交え展開する歴史ロマン。
これは手放しで誉めません。なんせ未完だし。
出て来る登場人物も、フェルゼンが可愛く見えるほど公明正大な良きサマリア人です。
とにかく出来過ぎのキャラばかりで、それがハナに付く人は速攻でページを閉じると思われる。
しかし、16世紀のイギリスですよ。テューダー朝ですよ。歴史キャラは、エリザベス1世やキャプテンドレイク、スコットランド王ジェームス6世、メアリ・スチュアートですよ。ブラッディ過ぎる時代ですよ。
恐らく当初の予定では、スペインの無敵艦隊を破るイングランドの奇跡アルマダの海戦まで描きたかったんだろうなー。何という渋いチョイス。
今でこそヘンリー8世からエリザベス1世までのテューダー朝の流れは映画などにも取り上げられてメジャーになってますが
1975年の昔によく描こうって思ったよね山本鈴美香。
この1点突破でベスト5入りです。
双子のオリヴィエは男装の女性、エロールは男性です。
性別が違うのに一卵性のように見た目がそっくりってとこから有り得なさ満載。
双子が生まれたレッドフォード公爵家は、成人するまで性別関係なく自由に育てるって家風で、男女双方の教育受けて育つって設定じゃなかったかな。それも有り得なさ満載。
しかし山本鈴美香は堂々と描いちゃうんで、この厨二設定を当たり前のように読まされてしまう。
有る意味、不思議な魅力を持ったマンガなんですよ。
手放しでオススメは出来ないんですが、日本少女マンガで希少な16世紀イングランド歴史マンガなんで、興味のある向きは是非ごらんあれ。
………さて
ベスト5とか言ってたら2作ですげー長くなってしまったので、残り3作は その2 に続けていいでしょうか(いいでしょうかも何も)(先が思いやられるよ)。
以下余談。
当時の少女マンガ家で、デッサン力が凄かったのが山本鈴美香と山岸凉子だと思っています。
山本鈴美香はデビューのときから身体描くのが巧くって、エースをねらえ! でどんどん画力が向上していった。
これ、1巻で藤堂がファーストサーブでエースを取る場面なんですけど、フォームがコマ送りで描かれていて、どのポーズも見事に狂いがない。
1975年はまだビデオテープも登場しておらず、コマ送りなど夢のまた夢。
フォームの資料は取り寄せて描いたんだろうが、コマ送りの写真など無い時代に全てのフォームが写っているはずもなく、よく描けたよなって思う。しかも、ちゃんと男性と女性のフォームも描き分けてるし。
Wiki見たら山本鈴美香って武蔵美出てるんですね。さもありなん。
いずれにしても、絵が描けるってこういう人のことを言うんだなーと思い知った幼少期。
池田理代子も、ベルばら連載中に絵柄を揶揄されてデッサンを勉強したという逸話の持ち主ですが、もちろん画力は向上したし、池田理代子が下手なわけでは無いんだけど、彼女は画力の人じゃないんだよね。
だからマンガ家としてどうってんじゃなく、マンガ家は画力が優れている人、絵柄が魅力的な人、ストーリーが面白い人、コマ割りネームが優れている人、色んな人がいるわけで、山本鈴美香と山岸凉子は、当初の少女マンガ家で絵がズバ抜けて巧い筆頭だという話。
今はデジタルで模写でもなぞり描きでも何でも出来てしまうので、この感覚はアナログな年寄りにしか分からないかもしれませんが。
そういえばエース!アニメも出崎+杉野だった。
これはあんまり違和感無かった記憶。
ベルばらネタでもないのに長くなってスミマセン💦
次回はベルネタでよろしくです!









