「送り火」(文芸春秋)

重松清





家族を軸とした人の繋がりを考えさせられる短編集。

寂しさの中にも温かみがあるこの感覚は重松清ワールドならですね。

表題作の「送り火」も良かったですが、「家路」が強く印象に残りました。

「行ってきます」「行ってらっしゃい」「ただいま」「お帰りなさい」がある日常のありがたみと、そして『家族には「サヨナラ」っていう挨拶はないんです。』という言葉。

当たり前すぎるからこそ、気づきにくい大切なものを改めて認識させられました。