エレニン彗星の「直列」と地震は関係があるのか、ないのか検証します。その第3回目です。
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→2回目のほうは、こちらをお読みください。
「~天文台の事件簿~
題未定 第3回 あるいは、直列って何なのさ!」
もうマンネリした感があるが、某地方都市の一般公開型天文台の中。これまた同じ、台長と警部の2人の会話で進行する。しかし、今回、「第三の男」が登場するので、乞うご期待!!
台長:
「・・・地球滅亡といわれる日まで、あと2日・・・・」
警部:
はいはい、「宇宙戦艦ヤマト」が好きなのは、わかりましたから、さっさと進めましょう。
前回(2回)は、「直列」前後の期間がどのくらいあるか調べようぜ!というところで、終わっていましたね。
台長:
(すばやく切り替わって)そう、そのためには、「直列」を徹底的に調べないといけない。第1回から、この「直列」には、かぎ括弧(「」)をつけて表記していたのに、気づいていました?
警部:
そりゃーわかっていましたよ。そして、「直列」って言葉に、通常とは違う意味が隠されているって感じがしていました。
台長:
そうです。一般的にいえば、かぎ括弧の中の言葉を、(あなたたちよりも)自分は深く考えているんだよ!というメッセージも送ることができます。ちょっとした「はったり」にも使用できます。試しに、文章の中で、かぎ括弧を使ってみてください。
警部:
「確かに」、そう言えば、「私」がこうやって「話す」と、「言葉」に、何か深い「意味」が「隠されている」ような、「気」が、しないでも「ない」・・・さすがに多用は良くないですな。過ぎたるは及ばざるが如し。ところで、
かぎ括弧だらけで、文章を書くのって、
昔「笑いの宇宙の旅芸人」(かんべむさし)でやってなかったっけ?
台長:
えっ(ドキン)
・・・まあ、話を戻して・・・警部さん、単刀直入に聞きます。「直列」ってなんだと思います?
警部:
え?えっ?、「直列」って、あれでしょう、一直線になるやつ。一直線といえば・・・
台長:
「柔道一直線」!!お互い年がバレますな・・・という冗談はおいといて、実は、エレニン彗星との厳密な意味での一直線はおきてないです。
警部:
(くやしがって)また先に言われてしまった。・・・え?今なんと言われました?
台長:
「一直線はおきてない」と言っているのです。
警部:
えーっ、この場に来て、ドタキャン、大どんでん返しですか!やってられないな~
でも、ちょっと台長さん、それはおかしいですよ。この図をみてください。
エレーニン彗星と太陽を結ぶ線上に、地球がはいってきた瞬間、それは、一直線ではないのですか?必ずおきていますよね?
台長:
ところがどっこい、実は一直線ではないのですよ。2次元平面で考えれば、必ず一直線はおきるのですが、「無限に広がる大宇宙・・・」は、3次元です。エレニン彗星の軌道、正確にいえば軌道平面は、地球の軌道平面と、同じではなくわずかに傾いているのですよ。
たとえで言います。エレニンと太陽を結ぶ線を、運動会の徒競走のゴールテープとすると、一番で走ってくる選手は必ずゴールテープをきれるか?というと、そうではなくて、ゴールテープの下をくぐって、ゴール通り過ぎることもできるのです。もっともそんな選手はいないでしょうが・・
私の計算では、一番、一直線に近づいたときでも、エレニンー地球ー太陽の角度は、約1.3度のずれがあります。下の図を参照してください。
警部:
たかが、1.3度でしょう。小さいですよね。
台長:
ところが、以外に大きいのです。地球からみた太陽の大きさ(視直径)は、約0.5度になります。なので、1.3度はずれることは、見かけでは太陽2.6個分はずれている、ということになるのです。
もう一度、上の図をみてください。エレニンと太陽を結ぶ、直線のはるか下230万km離れたところを地球は通過しているのです。ちなみに、地球の直径は、約1.3万kmです。
警部:
これが、「直列」に一番近い時か・・・とすると、3.11震災時のときは、どうなっているのですか?
台長:
はい、3.11時はさらに角度がついています。
あんまり、この日時の計算は、生理的にやりたくなかったのですが・・・結果、地球から見た角度は、4.6度ずれています。エレニンと太陽を結ぶ直線と地球は、816万km離れています。くどいようですけど、地球の直径は、約1.3万kmです。
9Naniaさんは、「3.11大震災は、エレニンと地球と太陽が『直列』になったから、引き起こされた」と言っていますが、ちゃんちゃらおかしいです。これが「直列」の正体です。
警部:
いやはや、一直線ではなく、「だいたい一直線」としか言いようがないですね。
台長:
そうです。ここの議論は、船井さんが唱えた「直列」を問題にしています。いわば、相手の土俵におじゃまして試合をしているようなものです。厳密に一直線が成り立たないから、やーめたでは、相手に失礼ですし、不戦敗にもなりかねません。ここは大目に見てやって、「一番近づいたときが『だいたい一直線』でもオーケイ、これを『直列』とみなしてもいいわよ」と言ってあげましょう。
警部:
(なんで、おねえ言葉?)具体的には、どのくらいの角度まで、「直列」とするんでしょうか?
台長:
9Naniaさんは、3月11日の日は直列と言っていますから、4.6度を四捨五入して、5度にしましょうか。
このブログでの「直列」の定義をここで決めておきます。
「直列」
地球からみて、エレニン彗星と{惑星or太陽}の成す角度が5度以内になって、一番近づいた日とする。または、地球からみて、エレニン彗星と{惑星or太陽}の反対方向の成す角度が、5度以内になって、一番近づいた日とする。
台長:
これまで、検証をする上で、ずっと心の中でもやもやしていたものがありました。
みんな、「直列」「直列」って騒いでいるけど、ちゃんと考えた上で使っているの?
「直列」って、いったいなんなのさ?
誰か「直列」ってこういうもんだと、決めた人いないの?
というもやもやでした。
誰も決めていないなら、しょうがないので、自分が決めるしかない。
ということで、私がなかばこのブログでの「定義」を強引に決めてしまいました。
しかし、これでなんか大きなものが片付いた気がします。
警部:
私もです。
台長:
断っておきますが、ここであげている「直列」の定義は、このブログ内にかぎってのもので、話をすすめるために導入したものです。また、「直列」自体、天文学的には意味がありませんのでご承知おきを。
(そこへ、男がひとり、眠たそうにして登場)
台長:
やあ、彗星観測者の○○さん、観測終わりましたぁ?
警部:
こんにちは
○○:
やあ、こんばんはです。今夜もたくさん、彗星を撮ったよ。これから画像処理が大変だ~。
ところで、なんか面白い話してたの?
警部:
?!
台長:
ちょっと、例のエレニン彗星のうわさについてね。こちら、警察の方。エレニン彗星について、問い合わせにこられたんですよ。
○○:
(バカにしたような顔をして)まぁだ、エレニン彗星の話をしてんの。あんな、とっくに見えなくなった彗星の話してどうすんの?台長もヒマねぇ~
台長:
(ちょっと怒って)ヒマじゃないよ。わざわざ、警察からお見えになられたから説明してあげてんだよ。
警部:
そうなんですよ。台長さんには、だいぶ勉強させてもらっています。ところで、エレニン彗星は、太陽のフレアでなくなったそうで・・・
○○:
誰がそんなバカなことを言っているの。太陽のフレアでなくなるはずがないでしょう。彗星を消滅させた原因は、太陽光による熱ですよ。もともと、なくなるのではないか、という予想もあったんですから。
エレニン彗星より、ギャラッド彗星が、今見ごろですよ。それと最近発見された新彗星があって、まだ遠いですけど、今後予想どおっりだったら、2013年には、肉眼でみえるくらいまで、明るくなる「かも」しれませんよ。
警部:
え、本当に明るい彗星がくるんですか?
○○:
(少し笑って)さあ、こればっかしは、そのときになって見なければ、わかりません。なんせ、彗星は「水もの」ですからね~。
だから(観測が)おもしろいんですよ。当たるも、八卦、当たらぬも八卦。
もう、今日は疲れたから、帰って寝るね~。
台長:
はーい、ご苦労さん、おやすみなさい。
警部:
ご苦労さまです。
(○○去っていく。)
警部:
○○さんは、先ほど「こんばんわ」って言っていましたね。
台長:
ああ、彼はずっと彗星観測をやっているでしょう。生活の中心は彗星観測って言っていいほどです。そして観測の報告に使う時間は、日本標準時ではなく、世界標準時をつかうんですよ。観測をいっぱいやっていると、いちいち変換するのが面倒になって、それで、彼の頭の中から日本標準時を追い出して、完全に世界標準時に切り替えているのですよ。世界標準時は、日本標準時から9時間引きますので・・・
警部:
彼の時間は(腕時計をみながら)、まだ未明つまり夜というわけですね。
台長:
いつか、元旦の朝に彼と会う機会がありましてね。朝、9時になってはじめて、「明けまして、おめでとう」と言うんです。いやー徹底していますね。
警部:
ところで、○○さんは、今回の「直列」の話とは、なにか関係が・・・
台長:
いや、直接関係ないのですが、実際に彗星を観測している~彼は日本でも屈指の彗星観測者なんですよ~人が今回のエレニン騒動をどのような目でみているのか、読者にお伝えしようと思ってですね・・・・
警部:
エレニンは、箸にも棒にもかけていませんでしたね・・・(突然気づいて)と、言いますと、あの人は、「実在の人物」なんですか?
台長:
(慌てて)あっ、えっ、いや、
このブログに登場する団体、人物は、架空のものであります。いかなる実在の団体、人物とも関係がありません。
警部:
なにを、いまさら改まって言うんですか。
台長:
たまたま、読者の知っている人に似ていたら気のせい気のせい。一応書いておかないとね。後で、何言われるかわかったものではない。
さて、ちょっと脱線しましたが、「直列」を前に書いたような定義として、いったい、これまで何回発生しているか、まとめています。
警部:
待っていました。
台長:
これです。
台長:
ちょと補足しますと、「直列」対象には、エレニン彗星と地球、そして、太陽または地球以外の惑星(7個)を選んでいます。
船井さんのブログには、水星と海王星の直列の例があったので、惑星は7個とも使用しました。
やはり、直列は8回どころではなく、この期間に34回もありました。そして、全部の「直列」前後の期間を決めるためには、前後って何日間のことなのかわからなければいけません。ただし、船井さんのブログには、そこのところの情報は書いていないのですよね。
警部:
どうするんですか?
台長:
やり方はちゃんと考えてありますよ。
警部:
あれ、今気づいたんだが、冥王星がはいってないぞ。
台長:
冥王星は、もう惑星ではないので、いれていなかったんですよ。
警部:
えー、うそー。いつから惑星ではなくなったのですか?
台長:
「うそー」と言われましても。2006年8月のIAU(国際天文学連盟)の総会できまったのですよ。冥王星は、惑星ではなくなり、準惑星とよばれるグループに属することになっていますよ。それで、一番、外側をまわっている惑星は海王星になっています。
警部:
冥王星が、わしの冥王星が・・・。
台長:
あらら、なんだか冥王星に思い入れのある人だったのですね。
まぁ、SFなんかの物語では、「太陽系の最果ての星」として、登場回数多いですからね。行く方向は違うのに、太陽系外を離れる宇宙船は、たいてい冥王星に寄ってからでていくのですよね。「ヤマト」しかり。
太陽系にとっての冥王星は、まあ、東京における上野駅みたいな存在ですよね。東京(太陽系)から、東北方面(銀河星系)へ向かう列車(宇宙船)の始発駅(宇宙港)になっていますね。
「ふるさとの訛なつかし
停車場の人ごみの中に
そを聴きにゆく」(啄木)
冥王星が惑星でなくなったため、今後のSFでは、宇宙船が冥王星から飛び立つこともなくなるでしょうね。上野駅のほうも、今後、宇都宮線・高崎線・常磐線(快速)の始発駅でなくなる予定だそうで。東北新幹線はとっくの昔に、東京発になっていますし。だんだん、風情が失われていきますね~。
警部:
冥王星は、メーテルの○○○○○○ が ○○○○○○ して ○○○○○○○ している星だったんだぞ!! (注:ネタバレのため 伏字にしています)
台長:
おや、おや、「銀河鉄道999」というより、それに登場する、謎の美女「メーテル」のファンだったようで。
警部:
誰だ、冥王星を惑星から降格させた者は、責任者出てこーい!!
(その声にあわせて、突然むら雲沸き起こり、中から男の人が登場する)
台長、警部:
わっ、なんだ!
W先生:
おーい。私のこと誰か呼んだかい?
台長:
あ、W先生。どうもご無沙汰しています。
警部、だめですよ、そんなに強く念じたら、さきほど、あなたの「部下」がでてきたころから、うすうす気づいていたのですが、どうも、ここらあたり、我々の強い想い、想念が実体化する空間 -想念空間、イマジナリースペースとでも名づけましょうか、に変わってきているようです。
まったく、疑似科学を検証し否定するサイトなのに、こんな非科学的なことをやってしまって、世の中にまったく示しがつきませんよ。
W先生:
何か特に用がないなら、もう帰るね。私もいろいろ用事があってね。
台長:
あ、お忙しいところ、どうもすみませんでした。
(W先生、再び雲につつまれて消えていく)
警部:
ねえ、今の人が、冥王星を降格させたんですか?誰?誰?
台長:
降格ではないですよ。あのとき、「冥王星が惑星ではなくなった」ばかり騒がれましたが、天文学者から新しい太陽系像が示されたという意義のほうが本当は大きいのですよ。先ほどのW先生もIAUのアジア代表委員としてとりまとめにがんばられたようですよ。
この辺のことは、いろいろ本にもかかれていますが、インターネットで簡単に手に入る情報を教えておきますね。
「ラジオ版 学問ノ ススメ 2006年版」(http://www.jfn.co.jp/susume/y2006/ ) (JEM)
ページの中で、「天文台」と検索してください。
このページに、先ほどのW先生のFM放送時のインタビューがMP3(音声ファイル)で置いてあります。W先生のステキなお声をいつでも聞くことができますよ。 正直、このブログより10倍おもしろく、100倍ためになります。良かったら聞いてください。
あっ、いっぱい書いていたら日が変わって、明日になっていた!
「・・・地球滅亡といわれる日まで、あと1日。急げヤマト、地球は君の帰りを待っている。君の帰りだけを待っている。」
警部:
違うでしょ!
※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)
Ameba会員の方へ:今回の話で納得したら「がってんボタン」の代わりに「ペタ」でも押しておいてください。
エマ:
ということで、今回のアフィリエイトは、台長さんの好きな、
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です。
警部:
私のはないのですか・・・
エマ:
はいはい、追加してあげますよ
警部:
あ、TV版をお願いしますよ。
エマ:
はいはい
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警部:
わーい。
エマ:
そして忘れてならないのは・・・
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このページの修正履歴:
2011/09/25 17h 新規作成
2011/09/30 06h 冥王星の話追加
2011/10/14 エレニン、地球、太陽の位置関係の図を更新、追加。
アフィリエイトを追加。文章を一部修正。













