エレニン彗星の「直列」と地震は関係があるのか、ないのか検証します。その第3回目です。

 →1回目のほうは、こちらをお読みください。
 →2回目のほうは、こちらをお読みください。

「~天文台の事件簿~ 

  題未定 第3回  あるいは、直列って何なのさ!」


 もうマンネリした感があるが、某地方都市の一般公開型天文台の中。これまた同じ、台長と警部の2人の会話で進行する。しかし、今回、「第三の男」が登場するので、乞うご期待!!


台長:

  「・・・地球滅亡といわれる日まで、あと2日・・・・」


警部:

 はいはい、「宇宙戦艦ヤマト」が好きなのは、わかりましたから、さっさと進めましょう。

 前回(2回)は、「直列」前後の期間がどのくらいあるか調べようぜ!というところで、終わっていましたね。


台長:

 (すばやく切り替わって)そう、そのためには、「直列」を徹底的に調べないといけない。第1回から、この「直列」には、かぎ括弧(「」)をつけて表記していたのに、気づいていました?


警部:

 そりゃーわかっていましたよ。そして、「直列」って言葉に、通常とは違う意味が隠されているって感じがしていました。


台長:

 そうです。一般的にいえば、かぎ括弧の中の言葉を、(あなたたちよりも)自分は深く考えているんだよ!というメッセージも送ることができます。ちょっとした「はったり」にも使用できます。試しに、文章の中で、かぎ括弧を使ってみてください。


警部:

 「確かに」、そう言えば、「私」がこうやって「話す」と、「言葉」に、何か深い「意味」が「隠されている」ような、「気」が、しないでも「ない」・・・さすがに多用は良くないですな。過ぎたるは及ばざるが如し。ところで、

 かぎ括弧だらけで、文章を書くのって、
 昔「笑いの宇宙の旅芸人」(かんべむさし)でやってなかったっけ?

台長:

 えっ(ドキン)

 ・・・まあ、話を戻して・・・警部さん、単刀直入に聞きます。「直列」ってなんだと思います?


警部:

 え?えっ?、「直列」って、あれでしょう、一直線になるやつ。一直線といえば・・・


台長:

 「柔道一直線」!!お互い年がバレますな・・・という冗談はおいといて、実は、エレニン彗星との厳密な意味での一直線はおきてないです。


警部:

 (くやしがって)また先に言われてしまった。・・・え?今なんと言われました?


台長:

 「一直線はおきてない」と言っているのです。


警部:

 えーっ、この場に来て、ドタキャン、大どんでん返しですか!やってられないな~

 でも、ちょっと台長さん、それはおかしいですよ。この図をみてください。


エレニン ニモ マケズ-図1


エレーニン彗星と太陽を結ぶ線上に、地球がはいってきた瞬間、それは、一直線ではないのですか?必ずおきていますよね?


台長:

 ところがどっこい、実は一直線ではないのですよ。2次元平面で考えれば、必ず一直線はおきるのですが、「無限に広がる大宇宙・・・」は、3次元です。エレニン彗星の軌道、正確にいえば軌道平面は、地球の軌道平面と、同じではなくわずかに傾いているのですよ。


 たとえで言います。エレニンと太陽を結ぶ線を、運動会の徒競走のゴールテープとすると、一番で走ってくる選手は必ずゴールテープをきれるか?というと、そうではなくて、ゴールテープの下をくぐって、ゴール通り過ぎることもできるのです。もっともそんな選手はいないでしょうが・・

 私の計算では、一番、一直線に近づいたときでも、エレニンー地球ー太陽の角度は、約1.3度のずれがあります。下の図を参照してください。

 


エレニン ニモ マケズ-図2-1


警部:

 たかが、1.3度でしょう。小さいですよね。


台長:

 ところが、以外に大きいのです。地球からみた太陽の大きさ(視直径)は、約0.5度になります。なので、1.3度はずれることは、見かけでは太陽2.6個分はずれている、ということになるのです。

 もう一度、上の図をみてください。エレニンと太陽を結ぶ、直線のはるか下230万km離れたところを地球は通過しているのです。ちなみに、地球の直径は、約1.3万kmです。


警部:

 これが、「直列」に一番近い時か・・・とすると、3.11震災時のときは、どうなっているのですか?


台長:

 はい、3.11時はさらに角度がついています。


エレニン ニモ マケズ-図2-2


 あんまり、この日時の計算は、生理的にやりたくなかったのですが・・・結果、地球から見た角度は、4.6度ずれています。エレニンと太陽を結ぶ直線と地球は、816万km離れています。くどいようですけど、地球の直径は、約1.3万kmです。

 9Naniaさんは、「3.11大震災は、エレニンと地球と太陽が『直列』になったから、引き起こされた」と言っていますが、ちゃんちゃらおかしいです。これが「直列」の正体です。


警部:

 いやはや、一直線ではなく、「だいたい一直線」としか言いようがないですね。


台長:

 そうです。ここの議論は、船井さんが唱えた「直列」を問題にしています。いわば、相手の土俵におじゃまして試合をしているようなものです。厳密に一直線が成り立たないから、やーめたでは、相手に失礼ですし、不戦敗にもなりかねません。ここは大目に見てやって「一番近づいたときが『だいたい一直線』でもオーケイ、これを『直列』とみなしてもいいわよ」と言ってあげましょう。


警部:

 (なんで、おねえ言葉?)具体的には、どのくらいの角度まで、「直列」とするんでしょうか?


台長:

 9Naniaさんは、3月11日の日は直列と言っていますから、4.6度を四捨五入して、5度にしましょうか。


 このブログでの「直列」の定義をここで決めておきます。


「直列」 

 地球からみて、エレニン彗星と{惑星or太陽}の成す角度が5度以内になって、一番近づいた日とする。または、地球からみて、エレニン彗星と{惑星or太陽}の反対方向の成す角度が、5度以内になって、一番近づいた日とする。


台長:

 これまで、検証をする上で、ずっと心の中でもやもやしていたものがありました。

 みんな、「直列」「直列」って騒いでいるけど、ちゃんと考えた上で使っているの?

 「直列」って、いったいなんなのさ?

 誰か「直列」ってこういうもんだと、決めた人いないの?

  というもやもやでした。

 誰も決めていないなら、しょうがないので、自分が決めるしかない。

 ということで、私がなかばこのブログでの「定義」を強引に決めてしまいました。

 しかし、これでなんか大きなものが片付いた気がします。


警部:

 私もです。


台長:

 断っておきますが、ここであげている「直列」の定義は、このブログ内にかぎってのもので、話をすすめるために導入したものです。また、「直列」自体、天文学的には意味がありませんのでご承知おきを。


    (そこへ、男がひとり、眠たそうにして登場)

台長:
 やあ、彗星観測者の○○さん、観測終わりましたぁ?


警部:
 こんにちは


○○:
 やあ、こんばんはです。今夜もたくさん、彗星を撮ったよ。これから画像処理が大変だ~。

 ところで、なんか面白い話してたの?


警部:
 ?!


台長:
 ちょっと、例のエレニン彗星のうわさについてね。こちら、警察の方。エレニン彗星について、問い合わせにこられたんですよ。


○○:
 (バカにしたような顔をして)まぁだ、エレニン彗星の話をしてんの。あんな、とっくに見えなくなった彗星の話してどうすんの?台長もヒマねぇ~


台長:
 (ちょっと怒って)ヒマじゃないよ。わざわざ、警察からお見えになられたから説明してあげてんだよ。


警部:
 そうなんですよ。台長さんには、だいぶ勉強させてもらっています。ところで、エレニン彗星は、太陽のフレアでなくなったそうで・・・


○○:
 誰がそんなバカなことを言っているの。太陽のフレアでなくなるはずがないでしょう。彗星を消滅させた原因は、太陽光による熱ですよ。もともと、なくなるのではないか、という予想もあったんですから。
 エレニン彗星より、ギャラッド彗星が、今見ごろですよ。それと最近発見された新彗星があって、まだ遠いですけど、今後予想どおっりだったら、2013年には、肉眼でみえるくらいまで、明るくなる「かも」しれませんよ。


警部:
 え、本当に明るい彗星がくるんですか?


○○:
 (少し笑って)さあ、こればっかしは、そのときになって見なければ、わかりません。なんせ、彗星は「水もの」ですからね~。
 だから(観測が)おもしろいんですよ。当たるも、八卦、当たらぬも八卦。
 もう、今日は疲れたから、帰って寝るね~。


台長:
 はーい、ご苦労さん、おやすみなさい。


警部:
 ご苦労さまです。


(○○去っていく。)


警部:
 ○○さんは、先ほど「こんばんわ」って言っていましたね。


台長:
 ああ、彼はずっと彗星観測をやっているでしょう。生活の中心は彗星観測って言っていいほどです。そして観測の報告に使う時間は、日本標準時ではなく、世界標準時をつかうんですよ。観測をいっぱいやっていると、いちいち変換するのが面倒になって、それで、彼の頭の中から日本標準時を追い出して、完全に世界標準時に切り替えているのですよ。世界標準時は、日本標準時から9時間引きますので・・・


警部:
 彼の時間は(腕時計をみながら)、まだ未明つまり夜というわけですね。


台長:
 いつか、元旦の朝に彼と会う機会がありましてね。朝、9時になってはじめて、「明けまして、おめでとう」と言うんです。いやー徹底していますね。


警部:

 ところで、○○さんは、今回の「直列」の話とは、なにか関係が・・・

  

台長:
 いや、直接関係ないのですが、実際に彗星を観測している~彼は日本でも屈指の彗星観測者なんですよ~人が今回のエレニン騒動をどのような目でみているのか、読者にお伝えしようと思ってですね・・・・


警部:

 エレニンは、箸にも棒にもかけていませんでしたね・・・(突然気づいて)と、言いますと、あの人は、「実在の人物」なんですか?


台長:
 (慌てて)あっ、えっ、いや、

 このブログに登場する団体、人物は、架空のものであります。いかなる実在の団体、人物とも関係がありません。


警部:

 なにを、いまさら改まって言うんですか。

 

台長:
 たまたま、読者の知っている人に似ていたら気のせい気のせい。一応書いておかないとね。後で、何言われるかわかったものではない。

 さて、ちょっと脱線しましたが、「直列」を前に書いたような定義として、いったい、これまで何回発生しているか、まとめています。


警部:

 待っていました。


台長:
 これです。

エレニン ニモ マケズ-表4

台長:

 ちょと補足しますと、「直列」対象には、エレニン彗星と地球、そして、太陽または地球以外の惑星(7個)を選んでいます。

船井さんのブログには、水星と海王星の直列の例があったので、惑星は7個とも使用しました。

 やはり、直列は8回どころではなく、この期間に34回もありました。そして、全部の「直列」前後の期間を決めるためには、前後って何日間のことなのかわからなければいけません。ただし、船井さんのブログには、そこのところの情報は書いていないのですよね。


警部:

 どうするんですか?


台長:

 やり方はちゃんと考えてありますよ。


警部:

 あれ、今気づいたんだが、冥王星がはいってないぞ。


台長:

 冥王星は、もう惑星ではないので、いれていなかったんですよ。


警部:
えー、うそー。いつから惑星ではなくなったのですか?


台長:
 「うそー」と言われましても。2006年8月のIAU(国際天文学連盟)の総会できまったのですよ。冥王星は、惑星ではなくなり、準惑星とよばれるグループに属することになっていますよ。それで、一番、外側をまわっている惑星は海王星になっています。


警部:
 冥王星が、わしの冥王星が・・・。


台長:
  あらら、なんだか冥王星に思い入れのある人だったのですね。

 まぁ、SFなんかの物語では、「太陽系の最果ての星」として、登場回数多いですからね。行く方向は違うのに、太陽系外を離れる宇宙船は、たいてい冥王星に寄ってからでていくのですよね。「ヤマト」しかり。

 太陽系にとっての冥王星は、まあ、東京における上野駅みたいな存在ですよね。東京(太陽系)から、東北方面(銀河星系)へ向かう列車(宇宙船)の始発駅(宇宙港)になっていますね。


 「ふるさとの訛なつかし
  停車場の人ごみの中に
    そを聴きにゆく」(啄木)


 冥王星が惑星でなくなったため、今後のSFでは、宇宙船が冥王星から飛び立つこともなくなるでしょうね。上野駅のほうも、今後、宇都宮線・高崎線・常磐線(快速)の始発駅でなくなる予定だそうで。東北新幹線はとっくの昔に、東京発になっていますし。だんだん、風情が失われていきますね~。


警部:

 冥王星は、メーテルの○○○○○○ が ○○○○○○ して ○○○○○○○ している星だったんだぞ!! (注:ネタバレのため 伏字にしています)


台長:

 おや、おや、「銀河鉄道999」というより、それに登場する、謎の美女「メーテル」のファンだったようで。


警部:

 誰だ、冥王星を惑星から降格させた者は、責任者出てこーい!!


(その声にあわせて、突然むら雲沸き起こり、中から男の人が登場する)


台長、警部:

 わっ、なんだ!


W先生:

 おーい。私のこと誰か呼んだかい?


台長:

 あ、W先生。どうもご無沙汰しています。
 警部、だめですよ、そんなに強く念じたら、さきほど、あなたの「部下」がでてきたころから、うすうす気づいていたのですが、どうも、ここらあたり、我々の強い想い、想念が実体化する空間 -想念空間、イマジナリースペースとでも名づけましょうか、に変わってきているようです。

 まったく、疑似科学を検証し否定するサイトなのに、こんな非科学的なことをやってしまって、世の中にまったく示しがつきませんよ。
 
W先生:
 何か特に用がないなら、もう帰るね。私もいろいろ用事があってね。


台長:
 
あ、お忙しいところ、どうもすみませんでした。


(W先生、再び雲につつまれて消えていく)


警部:
 ねえ、今の人が、冥王星を降格させたんですか?誰?誰?


台長:

 降格ではないですよ。あのとき、「冥王星が惑星ではなくなった」ばかり騒がれましたが、天文学者から新しい太陽系像が示されたという意義のほうが本当は大きいのですよ。先ほどのW先生もIAUのアジア代表委員としてとりまとめにがんばられたようですよ。

 この辺のことは、いろいろ本にもかかれていますが、インターネットで簡単に手に入る情報を教えておきますね。

「ラジオ版 学問ノ ススメ 2006年版」(http://www.jfn.co.jp/susume/y2006/ ) (JEM)

 ページの中で、「天文台」と検索してください。

 このページに、先ほどのW先生のFM放送時のインタビューがMP3(音声ファイル)で置いてあります。W先生のステキなお声をいつでも聞くことができますよ。 正直、このブログより10倍おもしろく、100倍ためになります。良かったら聞いてください。


 あっ、いっぱい書いていたら日が変わって、明日になっていた!


  「・・・地球滅亡といわれる日まで、あと1日。急げヤマト、地球は君の帰りを待っている。君の帰りだけを待っている。」


警部:

 違うでしょ!


※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)

Ameba会員の方へ:今回の話で納得したら「がってんボタン」の代わりに「ペタ」でも押しておいてください。


エマ:


 ということで、今回のアフィリエイトは、台長さんの好きな、

EMOTION the Best 宇宙戦艦ヤマト 劇場版 [DVD]
Amazon.co.jp

です。

警部:

 私のはないのですか・・・

エマ:

 はいはい、追加してあげますよ

警部:

 あ、TV版をお願いしますよ。

エマ:

 はいはい

銀河鉄道999 [DVD]
Amazon.co.jp

警部:

 わーい。

エマ:

 そして忘れてならないのは・・・

柔道一直線 DVD-BOX 1【初回生産限定】
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このページの修正履歴:

 2011/09/25 17h 新規作成

2011/09/30 06h 冥王星の話追加

2011/10/14 エレニン、地球、太陽の位置関係の図を更新、追加。

           アフィリエイトを追加。文章を一部修正。

エレニン彗星の「直列」と地震は関係があるのか、ないのか検証します。その第2回目です。

  →1回目のほうは、こちらをお読みください。


「~天文台の事件簿~ 

  題未定(あるいは、月の魔力?)第2回」



引き続き、某地方都市の一般公開型天文台の中。どの町かは、文中であきらかになる。


台長:
 お待たせしました。それでは、「直列」と地震が重なったのは、たまたま偶然であるということを、先ほどの船井さんのブログの例で説明、解説していきます。


警部:
 台長、いったいどこから手をつけるのですか?彗星だけに・・


台長:
 彗星だけに「雲をつかむような話」と、言いたいんでしょ。
 たしかに、いきなり、太陽系内の彗星の話にもってくるのは、イメージわかないんで、最初に身近な月の話を題材にして説明していこうと思います。


警部:
 (先に言われたので、ちょっと怒って)また、長くなるのですか?やがて、予言の9月26日がやってきますよ。それまでに、この話、果たして終わるんですか?


台長:
 こういうことは順を追って理解していくことが大事なんですよ。

 あなただけへの説明なら、すぐに終わるんですがね。(上を見上げながら)でも、このページの上では、いろんな人が読んでいますからね~。一応、小学校高学年の子どもさんたちにもわかるようなレベルで説明していくつもりです。(上に呼びかけるように)皆さん、いいですね~


  題材は、「月の満ち欠けは、交通事故に影響をおよぼしているか?」です。

  よく、月には魔力があって、満月とか新月のときは、事件、事故が多いという話をいいますね。人が狼になったり、尻尾が生えた子どもは満月をみると巨大な猿に変身するという故事もあります。天文台に来台される人からも、月の魔力って本当にあるんですか?と聞かれることがあります。


 私も自然科学を扱う者のはしくれですから、めったやたら変なことは言いません。「事実」を元に判断をおこなうことを肝に銘じています。

 さて、これから私が、ある「事実」をいくつか言います。これから、月の満ち欠けは、交通事故に影響をあたえているか?手っ取り早く言えば、満月や新月のときに事故が多くなると、判断できるか、答えてください。これがきっと今回の問題をとくヒントになるはずです。


警部:
 なんだか、出題者と一対一でやる、クイズ番組みたいだな~ 全問正解のあかつきには、100万円もらえるの?


台長:
 (きっぱりと)もらえません。では、始めますよ。

 杜王町(もりおうちょう)の警察の調べによると・・


警部:
 なんですか、その「杜王町」って?


台長:
 私たちが今いる町の名前ですよ。作者が今決めたんです。これを「エム町」とか、先ほどの船井氏を、「エフ氏」と読んでもいいんですが、なんだか寓話っぽくなり、今回の話にそぐわないのでしょ。そこで、このような名前に決めたのですよ。具体的な名前にすると、なんだか本物っぽいでしょう?


警部:
 杜王町・・なんか聞いたことのあるような町の名前だな・・・


台長:
 それは、あなたの思い違いですよ。「実在の町」には、杜王町はありません。


警部:
 それに、町の名前が決まったとたん私には、「ゴゴゴゴ」という音がかすかに聞こえてくるのだが・・・


台長:
 それも、あなたの錯覚ですよ。さ、話を進めます。


 事実1:「杜王町の警察の調べによると、この1ヶ月間に、満月と新月の前後で、交通事故が5件発生した。」


 さ、これは「事実」です。この「事実」で満月と新月は、事故に影響を与えているか?わかりますか?


警部:
 なんだか、馬鹿にされたような質問ですね。答えは、「いいえ」です。なぜなら、一ヶ月に発生した、事故が何件あるか示されてないからです。事故が多いか少ないかは、比較してはじめてわかることです。これだけでは、関連があるかどうかわかりません。


台長:
 そのとおり、ご名答!!


警部:
 やっぱり馬鹿にしている・・・あれっ?もしかして、


台長:
 何か気づかれたようですね。では、次ならどうです?


 事実2:「杜王町の警察の調べによると、この1ヶ月間に、10件の交通事故が発生した。そのうち満月と新月の前後で5件発生した。」


警部:
 事故のうち半分は、満月と新月のときに、おきているのか・・・いや、まてよ、前の船井氏の文章の件もあるので、ここは注意ぶかく読んでみよう・・・
 わかった、これも、「いいえ」です。この「前後」というのが引っ掛けだな。「前後」って言うのが何日あるか、何も書いていない。書いていないと、恣意的にいくらでも変えることができますから。


台長:
 正解です。さすが、警察の方。疑り深さに関しては、天下一品ですね。


警部:
 なんだか、ほめられているのか、やじられているのか・・・


台長:
 では、「前後」が何日か、数字をいれますよ。

 事実3:「杜王町の警察の調べによると、この1ヶ月間に、10件の交通事故が発生した。このうち満月と新月の前後3日間では、5件発生した。」


警部:
 これなら、間違いない、こたえは「はい」です。あきらかに、満月と新月のとき事故が多いです。・・・よね?


台長
 ブー。間違いです。


警部:

 ちくしょー100万円が・・・


台長:

 だから、もらえませんって。

 警部さん、あなたは、満月と新月の前後3日間って、全部で何日になるのかって、数えましたか?


警部:
 えーと、(指を折りながら数える)、満月と、満月の前3日間、満月の後3日間、計7日になる!!


台長:
 それと、新月の場合もありますよ。


警部:
 全部で、14日間だ!ひと月30日のうち、14日は「満月と新月の前後3日間」になるんだ。結構、多くなるな。


台長:
 そうでしょう、実際に数えてみれば、以外に多いことに驚きます。ちなみに、カレンダーのひと月は、30日や31日が多いのですが、月が満ち欠けしながら元の姿に戻るひと月は、29.5日です。ここでは、わかりやすく30日としておきましょう。

 さて、この結果を表にまとめると、このようになります。


エレニン ニモ マケズ-表1



 このようにきちんと数値であらわすことによって、はじめて比較や検討ができるのです。


警部:
 1日あたりの事故数にかぎってみれば、「満月と新月の前後3日間」のほうが多いだが、あんまり差はないなぁ。もし、それ以外の日で、事故が1件余分に起きていれば、簡単に逆転してしまうもの。


台長:
 はい、事実3の答えも、「影響があるとは言えない」が正解です。

 警部さんも言われたように、ちょっとしたこと(あと、事故が1件発生する)で、結果が変わるようでは、断定できまないです。統計学では、このへんのところは数字を使ってきちんと抑えますが、ここでは、このような理解で十分です。
 結局、事実1、事実2では、情報として不十分で、最後の事実3で結論(関連がないこと)が出せました。


台長:
 さて、警部、もうお分かりになられたでしょう!!


警部:

 そうか、だんだん、わかってきたぞ。結局、前に述べた船井さんのブログでは、ここでいう事実1しか書いてないんだ。「直列」とその前後でおきた地震しか書いてなかったぞ。それも8件だけの例をあげて・・・


   上の表の例でかくと、こんなかな?


エレニン ニモ マケズ-表2


 (手を叩いて)そうかポイントは、ここでわかっていない、地震の総数だな。おい君 (どこからともなく、いきなり「部下」が出現する)


台長:
 (驚いて)わ!!なんだ、なんだ


警部:
 君、これから、ここ数年の大きな地震の数を調べてくれ!急ぎだぞ!
 そうだな、どうせ調べるなら、船井さんの例にあわせ、2008年から、3.11震災まで、マグニチュード6以上で集計してくれたまえ(部下消え去る)


台長:
 今のは、いったい誰なんです?


警部:
 誰って、私の「部下」だよ。「部下」がいると、なんか、警察の組織って感じがするでしょ。
 (部下、突然あらわれる)


台長:
 わ!また出た。


警部:
 (部下、紙の資料を警部にわたす)お、もう調べてきたか、えーと台長さん、2008年元旦から、2011年3月11日までの3年3ヶ月(1166日間)に、マグニチュード6以上の地震だが、101回おきている。結構多いな~。

 さっきの表にまとめてみよう。これらの地震のうち、8回は「直列」の日のぶんになるんだな。


エレニン ニモ マケズ-表3


 あれ!1日あたりの地震数は、圧倒的に「直列」の日が多いじゃないか!!これじゃ、「関連あり!」という答えになるぞ!!
 
台長:
 (ちょっと落ち着きを取り戻し)確かに、この表での計算はあっています。でも、なんだか、おかしいですよね?

なにか大事なことを忘れていませんか?


警部:
 そうなんだよな。見ていると、なにかお尻がむずかゆいような気持ちになるんだよ。この違和感はなんだろう?


台長:
 ヒントを言いましょうか・。先ほどの例では、新月と満月の前後3日間は、約半分になるのですよ。


警部:
 はぁ?


台長:
 一年のうち、何日が「直列」になっている日なのか、わかります?
 
警部:
 何日って、2日か、3日とかほんのちょっとじゃないんですか?だって、3年3ヶ月で「直列」は8日ですもの。


台長:
 8日は船井さんのブログにかかれていた「実例」の数でしょう。
他にはないのでしょうか?


 (このあたりから、どこからともなく ゴゴゴゴゴという擬態語が聞こえ出す)

警部:
 他には?って・・・・あれ、あれれ? もっとほかにあるんですか?


台長:
 そうです。他にもあります。
 「直列」というものが、非常に珍しいもの、まれにしか起こらないものと思っていませんか?そのため、誰もこれまで、直列の割合を数えてこなかったのです。私も多くのブログをみましたが、すくなくとも、調べて、報告した例は見当たりませんでした。


警部:
  ・・・・なるほど、確かに、そこは盲点であった。


台長:
 あるいは、月食とか日食など「天文ショー」をなまじっか知っていたがため、「直列」は、めったに起こらない、非常にまれな現象と思い込んでいるようなふしがあります。そしてその期間は、わずかである、と。 なんせ、皆既日食の太陽が月にかくされている時間は、どんなにながくても、6分前後ですからね~。


警部:
 確かに、皆既日食は綺麗ですけど、短いですね。いえね、私はテレビで見ていただけなんですが。ところで台長さんは、日食にはだいぶ行かれたことがあるんでしょう、これまで何勝何敗ですか?


台長:
  えーと、ハワイ('91)△、インド('95)○、ドイツ('99)×、中国('09)×で、1勝2敗1引き分けです。(○:見れた。△:薄曇り、×曇り、雨)結果も・・・ですがだいぶ散財してしまって、後で女房にブツブツいわれましたよ、って、そんなことを聞かないでください。


 もうひとつ、警部は「前後」も忘れていますよ。せっかく月の例では、正解をだしたのに。


警部:

 「直列」に「前後」がつくから、さらに期間は長くなるということか。


台長:
 そうです。警部にはせっかく、表2と表3をつくってもらったのですが、残念ながらここに書いてある数値は、ご破算にしなければいけません。


警部:

 また、ふりだしに戻るということか・・・・


台長:
 いえいえ、今回で考え方の方針はしっかり立ちました。表の枠はそのまま使えます。

 ポイントは「直列」とその「前後」の期間の日数を計算することなのです。それは、次のページで行います。


警部:

 さっそく、やりましょう。やりましょう。


台長:
  でも、その前に、このページ最後の『余談』を読んでからにしてください。せっかく思いついたもので・・・

警部:
  え、えー、これから、いいところなのに・・・『山場は簡潔で生き生きした描写をもってせよ。一切の余念を捨ててあらゆる枝葉を刈り込め』とは、「吉里吉里人」のころから井上ひさしが唱えていることですよぉ。


台長:
  なんですか、それ?


 つづく


 ※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)
                  Ameba会員の方へ:今回の話で納得したら「ペタ」でも押しておいてください。



「杜王町」が舞台のお話と言えば・・・・


ジョジョの奇妙な冒険 18~29巻(第4部)セット

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「お前、これを出したいがために、舞台を、『杜王町』にしたんだろうが?」

「ええ、じつはそうなんです。第四部の『日常の身近なところでおきる、不思議な事件』というコンセプトが好きなんです」

「それ、このブログの趣旨に反していない?」



余談:
 
上の文章で例にあげた、満月や新月の交通事故への影響は、実際どうなんでしょう?

「月の魔力」みたいなものは考えていません。たとえば、満月、新月は、大潮にあたるので、釣りに出かける人が多くなり、それにつれて、交通事故も増える・・・といった要因のごく僅かなものと考えます。そして、交通事故はいろんな要因がからんでおきています。それらを(統計的な処理を行い)取り除いて純粋に月の影響だけにする計算は大変複雑でしょう。実際「不可能」と思います。

 

 さて、満月の前後3日間というフレーズで、ふと思いついたのは、平安時代の貴族男女の逢瀬(おうせ。デートのことです)は、満月の前後に集中していたのではないか?という仮定です。

 この時代、まさか、日中手をつないで、街でショッピングするようなことはしないですよね。(私の乏しい古典読書からの知識では)男性が夜中、女性宅を訪ねていったりします。

 電気も街灯もない時代、月のない夜や、あっても月が細くて暗い夜は、市中に魑魅魍魎(ちみもうりょう)が跋扈していますから、がまんしてデートは控えていたと思うのです。そして、月が大きくなると、さあ「解禁」とばかりに、夜な夜な繰り出すと。

  それから、もうひとつの事実。赤ちゃんが、母親のおなかの中にいる期間はだいたい決まっている。よく十月十日といいますよね。あれは、数え方がちがうのだそうですが、まあ、だいたい平均の期間があって、それより極端に早かったり、遅かったりはしないと、仮定しておきましょう。

 上の2つの仮定より、導きだされる結論があります。それは、

 「貴族階級の子どもの出産日は、月齢に依存して偏りがある。」 

です。もちろん私の勝手な想像だとは思いますが、だれか調べた人はいないでしょうか~?

 その前に、貴族の恋が物語のような「自由恋愛」だったか?という疑問があります。こっちから確認すべきなのかな。


 本文では、「小学校高学年の子どもさんたちにもわかるような」と書いておきながら、こちらは、子ども向けにはとても話せないような内容になり、あいすみません。


「自由恋愛」の代表的な古典といえば・・・


源氏物語 巻一 (講談社文庫)/瀬戸内 寂聴

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このページの修正履歴:

 2011/09/21 初版

 2011/09/24 AM 一部修正。「余談」追加

 2011/09/24 PM 一部修正

 質問:「3.11東日本大震災はエレニン彗星が起こしたのですか? エレニン彗星ー太陽ー地球が一直線に並んだため、エレニン彗星の引力で地震が起きたと言われていますが・・・」


 回答:「大嘘です。」


おしまい。

...では、あまりにも芸がありませんので、これから何回かにわけて、私が考えるかぎりの範囲で考察します。量が多いのですが、どうぞ最後までお付き合いください。


 でも、その前に、おまけマンガをどうぞ(おまけが先か・・・)



エレニン ニモ マケズ-1-1本丸突入




エレニン ニモ マケズ-1-2エマ本陣



エレニン ニモ マケズ-エレニンちょーこわ



エレニン ニモ マケズ-つづく



ここから、本題です。


  「~天文台の事件簿より~

   題未定(あるいは、エレニン彗星のうわさ) 」 


 時 2011年9月某日
ところ 地方都市にある一般公開型天文台の事務室、または雰囲気をだすため、望遠鏡がおかれている観測室でもよい


警部:
 ・・ということで、この「エレニン彗星」なるものが、地震を起こすといううわさが、最近熱をおびてきて、市民からの問い合わせが多くなっています。私どものほうとしても看過することもできず、今日、この町で一番、星のことに詳しい天文台・台長の見解を伺いにきたわけです。どうか、教えてもらえないでしょうか?


台長:
 ちょっと棒読みですな。まあまあ硬くならず、ざっくばらんに話しましょう。お互い、こういうしゃべり方には慣れていませんで、(紙面の上を見ながら)ちょっと変なところがあるかもしれませんが、ご承知おきを・・


警部:
 ・・・いったい、誰に言っているのですか?


台長:
  (咳払い)・・で、話を元に戻しまして、実はここの天文台にも電話の問い合わせがだいぶ来ており、業務に支障をきたしています。

  今日、私がこれから「エレニン彗星は地震と関係ない」お教えしますので、警察のほうからも、市民に正確な情報を出していただければ、助かります。
 さっそく説明しましょう。
 ネットで調べたところ、多く参照されているものが2つありますね。
  ひとつ目は、9Nania と名乗る人が、
 「3.11東日本大震災エレニン彗星ー太陽ー地球が一直線に並んだため、地震がおきた。」
 と言っています。
 ふたつ目は、これは日本ですが、船井幸雄という人が、自身のブログの中で述べていることです。


 ここでも、エレニン彗星と地球と他の天体(太陽、惑星)が、「直列」したから、大きな地震がおきたと言っています。「実例」が8つあります。うち、1個は9Naniaと同じ、3.11の震災です。(9月19日夜取り消し)


 ここでは、エレニン彗星と地球と他の天体(太陽、惑星)が、「直列」した前後で、大きな地震の発生しているという「実例」を8つあげています。うち、1つは9Naniaと同じ、3.11の震災です。

 以下  「いま一番知らせたいこと、言いたいこと
今年の9月・10月は天災の起きる可能性が大きい。注意しよう」
(http://www.funaiyukio.com/funa_ima/index.asp?dno=201108007 ) 2011年8月22日 より抜粋


今年の9月・10月は天災の起きる可能性が大きい。注意しよう

 具体的には、2008年2月20日のインドネシアのマグニチュード(以下Mと書きます)7.4から2011年3月11日の日本のM9.0までの間の世界でおきたM6以上の地震のほとんどが、直列の日かその前後だというのです。少し実例をあげます。

2008年2月20日  インドネシア  M7.4  エレニン・地球・太陽の直列
      2月25日  インドネシア  M7.2  エレニン・地球・太陽の直列
      5月12日  中国      M7.9  エレニン・地球・海王星の直列
2009年7月15日  ニュージーランド M7.8 エレニン・水星・地球の直列
      9月 9日  サンホラ島   M8.1  エレニン・太陽・地球の直列
2010年2月27日  チリ      M8.0  エレニン・地球・太陽の直列
      3月 9日  インドネシア  M7.2  エレニン・地球・海王星の直列
2011年3月11日  日本       M9.0  エレニン・地球・太陽の直列

(抜粋終了)


警部:
 上のは、私も見ましたよ。読むと、「『直列』の日に地震がおきるぞ!!」と書いてあって、不安になりましたよ。


台長:
 ちょっ、ちょっ、待ってください。船井さんのブログには、「直列」が原因とは書いてないのですよ。そこを、誤解しないでください。


警部:
 だって、そう書いてあるじゃないですか?


台長:
 違います。よく読んでください。「直列」の前後に、大きな地震がおきたという「事実」を列挙してあるだけです。関連性があるとか、「直列」が原因で地震が起きたとは、一言も書いてないのです。
 今後のことも「9月・10月は天災の起きる可能性が高い」とだけ書いてあって、それが何月何日に起きるとか、さらに「災害」の種類が何なのかも書いていないのですよ。エレニン彗星の軌道の「事実」のみをかいています。


警部:
 ・・・確かに、読んでみればそのとおりだ!!


台長:
 私も、あやうく誤読するところでした、っていうか最初は誤読していました。


警部:
 ああ、だから上のほうで、あわてて、台長の話した内容の文章を取り消しされているのですね。


台長:
 ええ、実はそうなのです。今回、この取り消し線の文書は、自分の自戒の意味をこめて、あえて残しておきます。やっぱり、出勤前にあわてて書くとダメですね。


警部:
 出勤前???
 でも、もし「わかっている」なら、はっきり、「『直列』が原因だ」とか、「何月何日に地震がくる」と書けば、よさそうなのに・・・


台長:
 そこが、この人の文章の書き方の上手なところですよ。もし、あまりないでしょうが、この件を追求されたときのことまで考えて、危ない橋はわたらないような書き方を工夫されています。さすが、実業界で成功をおさめた方ですね。リスクを最小限に減らし、実入りを最大にする戦法をこころえていらっしゃる。
 私もこうやって、天文台の台長という職をやっていると、人から「夢やロマンがあっていいですね」とよく言われますが、とーんでもない。安月給のうえ、ほとんどボランティアみたいな仕事にもかりだされ、毎日、ひーひー言っていますよ。
 本当、船井さんの爪の垢でもせんじて飲んだら、もう少し楽な暮らしができそうなのでしょうが・・・
 (突然、気づいて)あ、これは失礼しました。
 まとめると、このブログでは、「事実」と作者が「思った」ことが述べられ、「ウソ」は、書かれていません。(一部、些細な間違いがあるがこれは後で書きます)


警部:
 でも、これを読んで、「『直列』が原因で大地震が起きた」、とか、「何月何日に地震が起きる」と、思い込んでいる人もいるのですよね。私は、ネット上を「エレニン彗星」で検索して、たくさんのブログで心配されて書かれているのを見つけましたよ。


台長:
 それも「事実」です。でも、その人たちのことを、「文章読解力がないからだ」「科学的リテラシーが足りないからだ」と言うことはできないと思いますよ。現に、2人ともころっと誤読してしまったのですから。そして、今、日本は時期が時期だけに、誰でもいきなり読まされたら、信用する人がでてくるのが当然です。
・・・繰り返しになりますが、本当に、この文書はうまいです。
 さて、話を元にもどしましょう・・・


警部:
 台長さん、わしゃ、正直わからん。上の表をみると、本当に「直列」が地震を起こしているようにしかみえないだが・・・


台長:

 先に結論を言いますよ。
  「彗星のような小天体は、重力で地球に地震を起こさせることはない。よって、上で述べた「直列」の日に地震が起きたのは、たまたまの偶然である。」
 このことを市民の人に伝えてください。


警部:
  そうそう、そこなんですよ、気になるのは。重力で地震は起きないのは、彗星が小さいし、すごく遠くにあるらしいから、なんとなく私も納得しますが、「よって・・・たまたまの偶然である」と言ってよいのか?例にあげた地震の数が多すぎません?

台長:
 ・・・なるほど、わかりました。じゃあこういう風に変えましょう。「よって」を省きます。
 そして、2つに分けて、それぞれ独立に説明することにしましょう。

  1)「彗星のような小天体が、重力で地球に地震を起こさせることはない。」
  2)「上で述べた「直列」と地震の例は、たまたま偶然である。」

   以上です。


警部:
 以上ですって・・・もっと説明してくださいよ。


台長:
 今日は祝日ですから、本当はもっと説明できるはずだったのですが・・・実は「昼の仕事」がはいったもので、これから席をはずします。次から、まず2)を説明します。2)の後で1)についても説明します。
(紙面の上の方を向いて)1)について早く知りたいかたは、山本弘さん(作家)の「エレーニン彗星衝突説が爆笑ものだった件」(http://hirorin.otaden.jp/e180141.html ) をまず読んでおいてください。


警部:
 「昼の仕事」って?それに、さっきから誰に向かって言っているんですか?(紙面の上の方を向いて)本当、この人ひっぱるね~


台長:
  あなたこそ、誰に向かって言っているの?

つづく


※皆様のご感想、ご意見をお寄せください。そのときは、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)


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