質問:「大変です。たくさんの宇宙船が、エレニン彗星を追いかけています。」


回答:「宇宙船に見えるのは、普通の星です。何枚も画像を合成してつくっているので、このようになります。」




説明:


   問題の画像はこれですね。

  ARE THESE GIANT UFO S TRAILING COMET ELENIN www keepvid com
 の1m06sからです。


 確かにエレニン彗星のまわにり、複数の光の点が等間隔に並んで写っています。中央のエレニン彗星を追っかけているように見えますね。


 種明かしをしましょう。

 

 現在、ハイレベルの天体の観測は、プロ、アマ問わずCCDによる撮像が主流になっています。(原理はデジカメと同じです)そのとき、何枚も撮った画像を、後でコンピュータ上で合成処理して、1枚の画像にします。

 ところで、彗星は、星々の間をゆっくり動いていきますので、時間をおいて撮った画像では、彗星と星の位置関係は違ってきます。コンピュータ上で、合成するときは彗星を中心にして(彗星が動かないようにして)やりますので、ひとつの星が同じ方向に並んで表示されるわけです。

 参考までに、人様のBLOGですが、同じような画像がのっているのを紹介しておきます。きれいですね~

ギャラッド彗星 C/2009P1 」 (あしあと ~星空航海日誌~)
http://blogs.yahoo.co.jp/uto_0285al/13680613.html

  「宇宙船」が多数、写っています(^_^)


以上です。


 敵の宇宙船(宇宙怪獣)がたくさん出てくるお話といえば・・・


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「敵が七分で黒が三分、いいか 敵が七分に黒が三分だ」(第05話より)


※本業の仕事がかたづかず、今日は午前帰宅でした。まだ、書きたいことがあったのですが、簡単にすませました。おやすみなさい・・・





質問:「あるブログでは、エレニン彗星は消滅したと書いてありました。またあるブログでは、まだ消滅していないと書いてありました。いったいどっちが本当でしょうか?」


回答:「まだエレニン彗星は消えていません。今日現在(9月13日)では、9月11日まで観測されているのを確認しました。しかし、だいぶ暗くなっていますので、今後見えなくなるでしょう。」



エレニン彗星の今:


 エレニン彗星が暗くなった件については、アメリカの老舗の天文雑誌SKY&Telescope のWEBサイトで取り上げられています。2011年8月30日の記事です。

 「Comet Elenin Self-Destructs」
 http://www.skyandtelescope.com/community/skyblog/observingblog/128708798.html


上の要約です。

 4月から順調に光度(明るさ)をあげていた、エレニン彗星も、オーストラリア在住の彗星観測者 Michael Mattiazzo の観測によると、8月20日から21日かけて光度が半分になり、中心の明るい部分が拡散されていることがわかりました。おそらく、核が分裂しこれから衰退していくだろうと予想されています。


そして、Michael Mattiazzoさんの観測が載っているWEBサイトは、ここです。

 「Southern Comets Homepage」

  http://members.westnet.com.au/mmatti/sc.htm

 

 エレニン彗星の最後の観測では、9月11日の分があります。非常に、薄い(淡い)像です。おわかりになられますか?


エレニン ニモ マケズ-エレニン彗星20110911撮影
Michael Mattiazzo氏撮影
C/2010X1 Elenin
撮影日時 2011年9月11.39日(世界標準時)

「目で見るのではなく、心眼で視るのだぁー」



以上、空の上のお話でした。


次に地上の話に目をむけると・・・・


エレニン彗星消滅:


 ところで、日本のブログを見ていますと、8月30日ごろから「エレニン彗星消滅!!」という記事が多く出回るようになりました。

 この彗星による災厄を本気で心配していた人は、胸をなでおろしたことでしょう。

 ところが、その後、9月にはいって、海外から、エレニン彗星の別の画像がはいってきて、えー、エレニン彗星どうなっているの~という声が、これまた多数あげられました。そうして、現在(9月13日)まで、どうなっているの?どうなっているの?が続いているわけです。

 

 それでは、なぜ、「消滅」と、誤解がひろまったのでしょうか?

 ちょうど私は、その直前から「エレニン彗星」「エレーニン彗星」というキーワードで検索を行い、この彗星についてどのような話題があがっているか、調査、といっては大げさで、眺めていました。対象はブログのみで、ツイッターやWEBサイトはみていません。

 8月30日になって、アクセス数が多く、読者に対して影響力のありそうなブログが、「消滅」という言葉を使って記事を書き始めました。

  

 そのうちのひとつを紹介します。タイトルの画像です。一部モザイクをかけています。

 

エレニン ニモ マケズ-エレニン消滅

  ここまで堂々書いてあれば、そりゃ信じちゃうよねー


  上で書きましたように、8月31日時点では、まだエレニン彗星は消滅していません。事実と異なるタイトルになっています。おもしろいことに、記事の中で、海外のサイトを訳してあるのですが、その日本語は、「彗星自体が分解と消滅に向かっているようだ。」と正しいのですよ。それをどうとらえたのか、このブログの作成者は、(すでに)「消滅した」と書いています。

 これは影響力があったブログらしく、その後、このブログを読んで、「エレニン消滅」と書くブログが増えだしました。ブログに限ってみれば、このような経緯で広がった、と考えます。

 私は、これはまた、混乱、誤解の元になるなと思い、2,3のブログのコメントに、「いや、まだ消えてないよ」と、観測記録があるサイトの情報も含めて教えてあげました。ただ、上のサイトは、コメントもメッセージも受け取らない設定になっており、ついぞ教えてあげることができずにいます。


 だいたい、この「消滅」という言葉自体、誤解をうけそうな表現ですね。ここで、あらためて、辞書で「消滅」の意味を調べてみましょう。使用した辞書は、「チャレンジ小学国語辞典 第四版 新デザイン版」です。


 しょうめつ【消滅】 消えてなくなること。


 辞書を引く意味がなかったようです。一般に、「消滅」という言葉は、跡も残さず、きれいさっぱり、そして、いきなり、なくなるようなことをイメージさせます。

 天体が、そんな簡単になくなるなんて、どうして? 、と思うのが普通の人の反応でしょう。さらに、オカルト好き 想像力豊かな人は、きっと、未知の力(神様とか、惑星ニビル)がはたらいて、消滅したに違いない、とまで思うことでしょう。そこも私が恐れたことでした。

 私もコメントにかくときは、「消滅」とは書かずに、「衰退して」、「暗くなって」、という表現にしました。(あまり、インパクトがありませんが) 

 

 さて、いったん広まった「消滅」のうわさは、こわいもの知らずです。私が「消えてないよ」と書いたコメントに、「数多くの記事で書かれているので、てっきり本当のことだと思った。」とブログの主から返事がありました。

 一方、「消えていない」ほうのブログは数が少なく、やはり内容にインパクトがないので、うわさを覆すほどにはいたっていません。

 

 さて、そろそろ結論にもっていきます。このような、うわさにだまされないためには、


 1)信頼のおけるサイトの情報を見にいく。

    天文の一般的なサイトとして、 国立天文台( http://www.nao.ac.jp )と アストロアーツ(http://www.astroarts.co.jp ) をお勧めします。


 2)一次情報を調べる。

    今回は、「Southern Comets Homepage」 がこれにあたります。情報源へのリンクがあったら必ず行って確認すること。英文という壁がありますが。

    (ルポライターの人の仕事の話を聞くと、徹底的に一次情報にこだわって集めるそうですね。)


  が大事です。(結局、当たり前の結論かぁ~)


 うまい「オチ」がないのですが、今回はこういうところで、おしまいです。

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※ご感想がありましたら、コメント欄からお願いします。(私の承認後に表示されます)











質問:「夕方撮影された、これは、エレニン彗星でしょうか?彗星のように尾を引いていますが?」

回答:「残念ながら、これもエレニン彗星ではないです。これは、ジェット機の飛行機雲です。」





エレニン ニモ マケズ-jet
YouTubeに投稿された動画

解説


 問題の動画を見てみましょう。アメリカ・オークランド 2011年8月27日 午後5:55。太陽が沈んだ、おそらく西側の空に、なにか光る物体が見えます。レンズを望遠側にしてみますと、それは、2本の異常に輝く角のような形をしています。撮影中に形を変えています。

 投稿者のコメントでは、同じ物を、同じ場所で見た、と書いてありました。

タイトルから、撮影者は、エレニンかネビルだと、思っているようです。



 前の回で、エレニン彗星は日中は見えない、写らないと、説明しました。そのとき、この時点での等級は、8から9等級と書きました。この物体は、どう低く見積もっても、宵の明星金星がもっとも明るい時ぐらいありそうです。その光度は、-4等級なので、ぜんぜんエレニン彗星は届きません。


 また、未知の特別明るい彗星か?という疑問もあるでしょうけど、この尾は、数秒程度で、どんどん形を変化させます。彗星の尾はこのような変化をすることはありません。



 私はこれは、上空を飛ぶジェット機の噴射ガスの雲、つまり飛行機雲を見ていると考えます。下の簡単な図をみてください。観測者(撮影者)の場所はすでに、日が沈んで、夜にはいろうとしています。一方、ジェット機の飛んでいる上空は、まだ、太陽の光が当たっています。ジェット機のエンジン(おそらく2つ)から、噴出されたガスの水蒸気が、雲となって伸ます。それは、太陽の光を浴びて燦然と輝いているのです。


エレニン ニモ マケズ-夕方の空
 人工衛星が見えるわけ

 

 人工衛星が見えるのも、上のジェット機の雲が見えるのと、同じ原理、条件です。つまり、観測者のところの空は暗くなっている。一方、人工衛星が飛んでいる、はるか上空、というか、もう空ではなく宇宙なのですが、ここでは、太陽の光が当たっている、といった条件のとき、人工衛星が見えます。もちろん、観測者の上空にいることも必須条件です。

 人工衛星はじっと止まっているわけではなく動いていきますので、やがて地球の影に入ります。それを観測者からみていると、消えたようになります。実際は、地球の大気を回り込むように太陽の光がはいっていますので、ぱっと消えるのではなく、ゆっくり消えていきます。

 反対に、影からでてくるときは、何もないところから出現したように見えます。

上の絵では、人工衛星の代表として、国際宇宙ステーション(ISS)を描いています。ISSは太陽電池パネルを含めると、サッカー場のほどの巨大ですので、非常に明るく、見やすい人工衛星です。都会でも見れます。

 宇宙航空研究開発機構(JAXA)には、 「宇宙ステーション きぼう」 のページがあります。ここで、日本各地でみる場合のISSの予報が掲載されています。興味があったら覗いてみてください。

おわり


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余談


 以上、へたくそな絵で説明させていただきました。実は、へたくそなのには、理由があって、これ、今日初めてのペンタブレットに、はじめて使用するイラスト・ソフトで描いたものなのです。幸いなことに、このイラストソフトには、詳細な使い方を説明したWEBページがあって、そこで初歩の初歩を習得しました。

 WEBの中では例として、いわゆる「美少女」が題材にあがっており、描画の手順を一生懸命読んでおりますと、「ひょっとして、俺にも、このくらい描けるのではないか?」と思い上がった気持ちが湧き上がって、本来の目的(ジェット機)を忘れ、ついこちらに手を出してしまいました。が、ラフスケッチの段階で、すぐに、あっ、こりゃダメだ、と、あきらめました。

 こういうものは、ツールがあるからって描けるのではなく、技術とともに対象に対する愛情が必要だなと感じました。