ヒポクラテスの盲点という映画を観た。コロナワクチンに対する是非は置いといて私の感想だけを備忘録として書く。鑑賞後、個人的には人におすすめしたいと思うほど胸打たれたが安易におすすめもできない。私はワクチンを打ってない。打った人こそ見るべきという感想もあるが、私が打ってた人ならば、正直観たくなかっただろうと思う。
https://hippocrates-movie.jp/
コロナ禍、私はまだ前職に就いていた。それは辞める前の最後の春だったと思う。総務に異動した私はワクチン接種の受付を任せられた。役員方が接種される時、支社長に君も受けた?受けるでしょ?というふうなことを言われ、正直に私は受けないですと答えた。えっなんで?!タダだよ?!と驚かれた。支社長は笑顔だったけどコイツ反ワクか、みたいな苦笑をされた気がする。言われてないからわからんけどそんな気がした。ただ私は反ワクかと言われると反ワクでもなかった。私はインフルエンザワクチンも思い出せる限りは打ってない。打たなくてもかからないし、打ってもかかるときはかかるからだ。そのワクチンについても「別に私は打たんでもいいかな」というテンションだっただけで、会社には任意と言われたので打たないという選択をした。母や叔母は心配だから打つと言った。安心するならそれがいいと思ったので止めてない。ちなみに営業部に居た子達、つまり私が異動する前の同僚達はほぼ強制だったように見えた。逆に言えば異動してなかったら私は皆と一緒に打っていたんだろうな。受付しながらそんなことを思っていた。
とまあそんなふうに打たねばとまではいかなくともみんなが打つから打っとこう、くらいの風潮は2021年当時間違いなくあったと思う。この映画はむやみやたらにワクチンが悪だと叫ぶわけでもない(危険性あるよねというのはデータとともにしっかり主張しているが)。その風潮っていけなかったよね、その流れを作った国良くなかったよねということを言っているのだ。
私は医療関係者ではないのでここでもここじゃなくても物申せる立場にないが、ひたすらに、お医者様のその熱意に途中思わずもらい泣きしそうになる瞬間があった。ワクチンで後遺症が出た人が少なくとも、いやむしろ多いと言えるほどの数存在する。それを目の当たりにする職業の人が涙を流しながら何とかしたいと懸命に動いてくださっているのだ。素人目に見てもおかしいと思えることがたくさんある。なんだかんだ因果関係は認められないって言い続けるけど、それなら逆に100パーセント安全だといいきれることもできないのではないか、と私でも思うよ。
この映画を単に「反ワク映画」だと思って見逃している方がいるならそんなことはないので安心して欲しい。一方的にワクチン反対!のつくりではなく、途中ワクチンを推奨した方のインタビューもしっかり出てくる。真逆の御用医者に取材してどうするという意見も流れてきたが、私はそちら側の人もきちんと取材して構成してるあたり信頼できるなと感じた。ワクチン反対派の意見をベースに作られているドキュメントに間違いないが、ワクチンは危険な可能性があるというデータをもとにもっと慎重になりしっかり議論しましょうという主張であって、なにも過激でないし建設的な話だと私は思いました。医療従事者としての正義感に感動したし日本にはこんな賢い人がたくさんいるのだと一般市民は少し安心できた。反ワクという俗っぽい言葉で議論が終了させられてはいけない。そして私は私で、あの時私なりの選択をして良かったと思えた。

