今日はカフェで本を読んだ。これ。
このインタビュー自体は2013年のもの。私は昨年購入していたんだけどまだ読んでいなかった。というのは私は本を読むにあたってタイミングというのを最重要視していて、例えばAmazonとかではめったに買わない。届くのが数日後になるから。本というのは今読む必要があるのだ。読みたい時が読み時なのだ。だから本は本屋で買う。手に取ってピンと来たものを買ってカフェに入って読む。ところがこの本、それが出来なかった。なぜってもう流通してないから!!すみませんメルカリにお世話なりましたありがとうございます!!!!
で、購入したあとすぐ読まなかった理由があるのだがそれはシンプルで、中田さんがおすすめする歌謡曲の話(およびそれに影響された中田さんの作曲法)がメインだろうと思っていたから。ところが今日読んでびっくりした、思った以上にちゃんとしたエッセイじゃん!いやほんと浅はかでした。とても興味深く読ませてもらった。
中田裕二の音楽人生や影響されたミュージシャンなど、私の知る情報は既にそこそこ多くあれど、そんな点と点が綺麗に線でつながる感覚!その流れでそこいくのね、というのがなんつーかもはや伏線回収みたいに感じられてものすごく気持ちよかった。なんでこの人はこういう作風なんだろうというのも理解出来たし、彼のバックボーンもこれまで以上にわかったし、チャゲアスとイエモンと安全地帯のおかげで中田裕二があると思うからありがとうだし、てかチャゲアスとイエモン通ってきた私が中田裕二好きになるのそりゃ当然やわとしみじみ思う。あと、個人的に椎名林檎の文字が出てきたのが「やっぱね!!!!」となった。
和をコンセプトにする・色気があるロックという観点から彼と林檎を結びつける人をたまに見かけるが、私はそれはなかなか安易だと思っている。たしかにそこだけ見ると近いし、椎名林檎も歌謡曲にめちゃくちゃ影響受けた方だから共通するエッセンスがあるのもわかる。コラボしても悪くはないはず、あればそりゃ絶対嬉しいが、残念ながら彼らがコラボするのは100パーセント無いと言い切れる。なんかそのくらい方向性の違うアーティストだと、両者の強火ファンとしては思うのだ(あと両者ともにその意向絶対無いよ。なんかわからんけど確信できるものがある。)
で、ほぼ同時期(林檎ちゃんのがちょい早い)に日本語ロックやってた彼が一躍スターダムにのし上がった彼女を意識しないわけないとは思っていたんだが、ここでようやく彼のインタビューで椎名林檎の文字が出てきたことに、だよね~~~!!!となった。中田さんが初期の椿屋の作風を「外人が買う日本の土産物」と例えたのが素晴らしかった。まじでわかる。私が椿屋のインディーズ~1stより2nd以降が好きな理由はそれだ。椎名林檎が好きな理由にもなるかもしれん。
つくづく音楽は、人だと思った。私は好きな音楽に対して、音楽だけを見て、聴いていない。それを作る人間を見てると思う。顔じゃなくて中身の話にも通ずるが、内面や心が顔に出てくる。私は椿屋四重奏時代の中田裕二の顔より今の柔らかい顔が本当に好きだ。人を見て自分の人生を考えたりする。このインタビューは今から10年以上前のものだからまだ進行形な話ばかりしているけど、すでに中田裕二は中田裕二のジャンルを作ったと思う。唯一無二だとマジで思う。でも幻惑って曲はまじでイエモンよなぁと思った。こないだラジオで彼が曲紹介の際に初期の代表曲のひとつになると思うから、と言っていたけど、やっぱりこの時期の曲はイエモンに影響されまくってたのがわかる。それはそれでいいんだけど、やっぱり私は歳を重ねるほど出てくる中田裕二の音楽の味わいが好きだ。今日も今日とて。
