ついでに言うとこのアルバム、楽曲提供したのはホルモンだけではない。Kroi、湘南乃風、リンキンパーク(コリン・ブリテン)といったふうに、企画アルバムかというくらい他のアーティストが絡んでいる(普通に5thオリジナルアルバム)。ともなれば楽曲の振り幅も大きくなるのは当然なわけで、メンツ的にもガチャガチャしてる所も多く、それを盛りだくさんととるかとっ散らかってるととるかはまさに好み次第というところで見る限り賛否両論、文字通り「問題作」といえるのではなかろうか。アルバムの全体の感想はまた記録するとして、今日は恋のバタリアンに絞って書きたいんだ。このアルバムの中でも一番の問題作だろうから。端的に言うと、好みまっぷたつの様子である。私は言うまでもなく、好みだ。
(名盤)
なんで好きかというと、やっぱりホルモンはスルメなんである。そのファーストインパクトからなんとなく荒削りに聞こえるかもしれない、が、聴けば聴くほどにメロディーの良さがわかるし転調やブレイクの面白さにハマってゆく。デスボは騒音と言えば騒音だけど、語呂がいいのが彼らの何よりのスキル。次第に日本語の気持ちよさにはまってゆくのだ。亮君が歌うメロパートとナヲ姉が歌うメロパート、それぞれにしっかりと聴かせてくる。緩急の付け方も匠の技である(ちなみに今回は亮君の部分を慎太郎、ナヲの部分をきょもにしてることが多かった。喰らったら終わりや!!!をこーちにしたのもナイス)
同じように好きだと言う人もいる。嫌いだという人もいる。ファンの中でも論争が起こりそうな場面に出くわす(そして逃げる)。だがな、自分と違う意見を否定するのは互いに良くない。(嫌いだからってホルモンの売名行為とかいうやつ正気ですか??と思うし、なんならSixTONESのほうが界隈に踏み込んでんだよそこは互いにリスペクトせなあかんところやろうが)嫌いという人に、じゃあ聞かなくていいんじゃないですかー!とケンカ売るのも違う。ホルモンが受け付けない人だって居るに決まってるのだ。考えてみてくれ、そもそも、同じロキノン界隈でもそうだよ。ロキノン系というひとくくりにしても、世界地図のような分布を示すのがバンドである。バンプとラッドすら似ているようで似ていないんだ。バンプとホルモンなんて日本とエジプトくらい離れている。ビーチユーロ消えろケチ遊泳、なんてまだ可愛いもんだ、手始めに爪爪爪の歌詞を読んできて欲しい。そんなホルモンに依頼をした時点で、賛否両論になることくらい分かってるだろSixTONESもSONYも。わかった上で彼らはホルモンに依頼したはずだよ。

私が言うまでもなく、SixTONESは今めちゃくちゃ実験してると思う。人によっては迷走とネガティブにとらえる人も居るのかもしれない。私が出会った頃には既に、アイドル然としたポップスだけでなくクラブ系もチル系も時にはボカロ系も持ち前の歌唱力で歌いこなせますよというのが彼らの売りになっていた。アバレロからこっからの流れを受け、ロックに大きく転換しはじめたのが2023(そして2024の4th THE VIBESがうまれた)。そりゃね、幅あれば迷いますよ。でもいいんじゃないですか?と思うんですよ。のちに彼らが、あの時は試行錯誤してましたね、だから今があります、と言えたらいい。試行錯誤って別に悪いことじゃない。今回はロック(ポップスなのかな)に舵を切って、彼らが普段好んで聴いているKroiやホルモン、湘南の風(湘南の風はロックバンドではないけども)と融合させたらどうなるか試してみたかったのだと思うのだ。それってシンプルに、安牌ではなかったと思う。でもそれをやってみたのって、音楽のジャンルとしての「ロック」というよりか、SixTONESの現在のスタンスがロック(反骨精神の意)なんだという意思表示だと思った。それを受け入れるかどうかはファンの器量によると思う。青が好きか赤が好きかでもめないでほしい。青もいいし赤もいいし青を好きになれない自分を責めなくてもいいと思うのだ。なんでも好きにならないといけない風潮があるような気がした。なんでも馬鹿みたいにイイネって言わなくていいと思う。私は自分の良いと感じたものを、ただひたすらに良いと言いたい。
