andymoriのアナログが出たけど私は買わない。レコードに手を出したら破産すると分かっているから。それと私が今からレコードに手を出してしまったならアナログのジャケットを壁一面に飾り始めるだろうし、ついでにBRUTUSもバックナンバーから揃えると思うし、読みもしないのに英字の雑誌や画集とか買い漁って無造作に並べるし、間接照明とお香にこだわり、ヴィーガンに目覚め、タバコっていうかシーシャいっちゃう気がするからもうレコードは買わない。私はこれ以上サブカルに足を踏み入れてはいけないと、自分でわかっているのです。
アンディモリの中で1曲選ぶなら、というテーマを見かけた。やはり野暮な話だと思う。どれも適材適所というのがあって、FOLLOWMEを聴きたいときもあれば1984を聴きたい時もあるし、ベースマン聴いて帰りたいときもあれば愛してやまない音楽ををひとり口ずさみたい時もあるんだ。
今日朝聴いた「僕が白人になったら」はイントロから胸が高鳴った。ライブで何回か聴いたはずだけど、ライブでも家の中でも、バンドの初期衝動みたいなうねる波のようなサウンドに踊り出したくなる。この曲はランキング上位に入ることはあんまりなさそうだけど(名曲っぽいものが他に沢山あるから)、この曲ってアンディモリらしさが詰まっているというか、これだからアンディが好きなんだよなと思わせるものがあると気づいた。
まず人の肌の色をタイトルにしてしまう強烈さ。「白人」に対する極端なまでのイメージとその表現は、我々がなれない誰かに対する憧れともアンチテーゼとも取れる。まぁ陽気にパーティーなんかやんないよな。andymoriの歌詞にはよくパーティーとかあと混血とか人身事故とか出てくるんだけど、どこかそんな陽気さや陰鬱さを他人事のように見てる視点があると思うんだよな。これこそ、小山田さんしか歌えないやつで、小山田さんというアーティストを唯一無二にさせる魅力なんだと思う。
私はいつも思う。1曲なんて選べない。誰かにオススメもしたくない。感じるものはそれぞれだと思うから。私は今も頑固に、好きな音楽は自分で見つけるものだと思っている。
