先日サカナクションを観てきた。なんだかんだ初めてのサカナクションのライブだったんだけど、かっこよ過ぎてどうしようといったかんじです。アドレナリン出まくった。皆様いかがお過ごしですか。



私が彼らに出会ったのは多分アルクアラウンドだったと記憶している。kikuuikiを手に取り、過去作にも触れた。歌詞にしてもMVにしても文学的で、文系の憧れるバンドだなと思った。



思い出す限り、彼らのターニングポイントは3rdアイデンティティだったのではないかと思う(これは当時サカナクションオタクじゃない私の持論であり、オタクじゃない者の視点と思って聞いていただきたい)



よくあるギターロックから少しはみ出した感じがした。勿論1stからすでにエレクトロだしアルクアラウンドでもサカナクションとしての形はもう出来上がってる。けどこの曲、アイデンティティは基本的にロック色強めなんである。ポップス(歌謡曲)というよりエレクトロというよりギターロックだと思う。もう今更語る必要もないけど、ロックとエレクトロを上手く融合させて売れたのはサカナクションだけであって、今や唯一無二となった。サカナクションの原点ここに、というかんじがするんである。



アイデンティティでは、4つ打ちのロックに踊れる要素が見事融合されたうえ、サビのインパクトがすこぶる強い。開口一番「アイデンティティがない」んである。しかも「どぉしてぇーーーー」と連呼するんである。「ない」ことをこんなに高らかに歌い上げるバンドがかつて居ただろうか。大体みんなあるものを叫んでるぞ。私は今回のライブをスタンドから見つめていたが、踊り狂う群衆を眺めながら、ここにいる人たちはサカナクションの音楽がなければクラブにも行かないしこのような音楽に体を揺らすことはないんだろうなァと思った。なぜなら私がそうだからだ。クラブは1回行ったことあるが肌に合わなかった。本来踊るタイプの人間ではないのだ。自らのアイデンティティは読書なり旅行なりでひとり見つけようとするタイプだ。そんな偏屈な人間にとって、サカナクションはヒーローなんである。アイデンティティがないと叫んでくれてありがとう、と。あなたたちの音楽の前でなら私たちは人の目を気にすることなく、踊り狂うことができるのだ。



そんなサカナクション。アルバムは大方きいたし、DVDも持ってる。だけどなぜか私は彼らに少しの距離を置いていた。なんでかはわからん。無理やり考えてみるなら、私はすでにバンプオブチキンと椎名林檎および東京事変とくるりというロキノンバンドにそこそこの熱をあげていたからかもしれない。これ以上は増やせない、なんとなくそんな思いがあったのかもしれない。でもそれもこじつけで、ただ私はこの令和6年のタイミングを待っていたのかもしれない。なんでかはわからんが、とにかく私は今サカナクションのことで頭いっぱいなんである。ついにNFmemberになりました。



(このヴィジュアル懐かしいね)