私の好きになったアイドルグループは、アイドルにしてはアーティスト路線だ。アーティスト路線でやりたいというのが伝わってくるグループで、私は多分彼らの「枠を超えてやろう」という気概みたいなものに惹かれたんだと思う。



アイドルはその人ありき。アーティストは作品ありき。もちろんアイドルにとっても作品は大事だし、アーティストにとってもその人自身の魅力は必要。それは大前提としての話。アイドルは完全に偶像崇拝です。アイドルグループを推すということは、本来の意味である「神として崇めること」というよりか、我が子のように全力で肯定するという意味合いの強いもの。作品よりその人が主体であるということ。偶像崇拝という言葉を出したが、私はこれを「母性」と読ませたいと思ったりする。母親は自分のこどもを全力で肯定します。一番の理解者であり、応援者です(まぁ例外もあるかもしれん)。息子(娘)がやることは全力肯定。この応援の仕方はアーティストには見られないと思う。作品が変わってしまえば離れていくファンがどうしてもいる。そのかわり、その本人がスキャンダルでも出せばあっさり離れてしまうのもアイドルファン。



一体何の話かというと、私はやはり「アーティストファン」なのでした。



彼らは今度新作をリリースするにあたり今少しずつ情報を解禁しているところで、ファンは何かあるごとに、ドキドキワクワクテッカテカしながら盛り上がっている最中です。アイドルグループの楽しみ方ここにあり、というかんじで私もその一端として楽しませてもらっているんだが、やはり彼らを見ながら、彼らはアイドルであり、アーティストにはなれないんだよなと思った。これは誤解のないように言いたいのですが、それが悪いという話ではない。アイドルとアーティストで上下などありません。あとそもそも彼らはアイドルグループなので当然です。つまり、アイドルなんだからべつに無理にアーティストっぽいことはしなくてもいいよなという話です。そして同じくして私も、真の「アイドルファン」にはなれなかったのです。




彼らの人間性を愛してはいるが、だからといって彼らの作品を全肯定はできない。好きなもんは好きだし好みでないものは好みでないのだ。逆に言うと彼らのことを好きになれたのは彼らのセカンドアルバムが最初から最後まで最高に良かったからだ。私にとって好きの第1条件は、「音楽」だったのです。とか言うと、なんだか彼らの新譜が良くなかったみたいに聴こえそうなんだが決してそういうことではない。私は、たったワンコーラスだけ聴いて評することはできないんです。正直最高とか言えなかったんです。彼らのキャラクターやグループ内の人間関係とかそういうところの魅力はめちゃめちゃわかっていますけども、誰と誰が歌ってるからそれだけで最高みたいな評が、どうしてもできない。



あと例えば椎名林檎でもバンプオブチキンでもくるりでも、盲目的に全作品好きかというとそんなこともないわけです。自分の好みかどうかはイントロから最後まで聴かないとわからないと思ってるし、曲と曲の間の余白も大切なものだし(またも椎名林檎の話をすればあの人は曲間が本当に短い)、なんならアルバムの1曲目からラストまで聴かないとそのアルバムの良さは語れないと思ってるタイプです。そういう意味でこのブログでは毎年大晦日に書いてる記録シリーズがあります。ほんとは私も一緒に最高とか言って騒ぎたかったんだけど、できなくてさ、あぁやっぱ私カタブツロキノンオタクだなと思ったよ。全部聴いてから感想言わせてな。勿論買います。発売めちゃくちゃ楽しみにしてるよ。