私の好きなロキノン系アーティストは今でこそMステやらNHKやら地上波に出演するようになったが、20年ほど前はその流れはまだ希薄だった。椎名林檎が紅白初出場したのは2011年になってから。バンプは2015。くるりはNHKに貢献してるけどまだ一度も出てない。ロキノン系とはそういう界隈の人だと思っていたので出ないイコール落選と捉えたこともなかったんだが、今までずっと出ていた人が出ないのはたしかに「落選」と思われてしまうのも仕方ないかもしれない。
国民的ヒットなんか出なくなった今、紅白歌合戦なんて、という風潮は今に始まったことではないが、実家では毎年欠かさず紅白を観ていた。出演者にあれこれ文句いいつつ、残り何時間でおわるその年の1年を振り返ったりしてとても良い時間となる。私はやはり家族と観る紅白が好きだ。今年も観るんだろう。
今年の出演者の中にSixTONESの名前は現時点で見当たらない。仕方のないこととはいえ、もどかしい気持ちでいる。だって今年は間違いなく「こっから」の年だったから。オリコン何位で国民が全員知ってるとかそういう話ではなく、「ABARERO」でもなく「CREAK」でもなく「こっから」の威力がすごかったということを言いたい。いかにパワーのある曲だったかは、私が身をもって体験した。こっからがなければきっとSixTONESには出会っていない。記憶する限りこっからによって「他界隈から来ました」という新規スト担が私以外にも確実に増えていた。そのあと出た新曲も悪くなかったけど、個人的にはこっからには勝らなかった。それくらいの衝撃があった。アイドルなめてた、と思った。だから私の脳内には、まだ6月であるというのに年末にこっからを披露するSixTONESの姿が既に想像できたし、昨年の紅白のように、SixTONESを知らない日本のお茶の間にもこっからが届くのかと思えば非常に楽しみだった。なのでとても残念。たとえ来年出られたとしてもまた違う。こっからを発売したのは2023年だから。今年の締めくくりとして彼らの曲が聴きたかったんである。
これだけは言いたい。音楽を販売しているのでわかるのだが、この事務所のCDは本当に売れているのだ。それは熱心なファンが大量に買っているという事実も勿論あるけれど、年中ちょこちょこ売れてる。いろんな世代が買っていく。配信がないというのもあるとは思う。売り方がちがうから他のアーティストとも比較しにくい。だけどとにかく事実として、あの事務所の音楽はしっかり売れてるのだ。だから、出演が決まったアーティストの名前をざっと見ても今年出られなかったアーティストがそれに劣るとは全く思わないし、そう思う人がもし居たなら肩叩いてキミ違うでって言いたい。「こっから」は誰がなんと言おうと私の個人的レコード大賞ですし白組も優勝です。